王妃マリー・アントワネット 上 (新潮文庫 え-1-21 新潮文庫)

  • 新潮社 (1985年3月27日発売)
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  • 本 ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123219

感想・レビュー・書評

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  • わかってはいるけれど…の一冊。

    悲劇の王妃マリーアントワネット。

    彼女の運命は嫌というほどわかってはいるけれど、やっぱりたまに会いたくなるし、悲劇を再確認したくなる。

    数々の、これからを予感させるような出来事は偶然とはいえ、彼女の心をざわつかせ、それを忘れるために繰り広げられる贅沢な時間。

    寂しさを紛らわすための時間。

    彼女の揺れる心情が手にとるように伝わってきた。

    首飾り詐欺事件を機に確実に暗雲が立ち込めてきた。

    もう少し周りを見渡せれば…もう少し早ければ…いくつものたらればが胸を打ちながら下巻へ。

  • フランス革命を扱った作品は数多くあるが、その中でも本書が優れているのは、「バスチーユ襲撃」や「国王と王妃の処刑」といった、目立つような部分でないところだ。まだ「上」しか読んでいないが、マルグリッドという最下層の少女を登場させてマリーアントワネットと対照的な位置の人間として描き、やがて二人が(間接的にだが)関係することとなる。革命の主体は「庶民」だが、その庶民を一つの動きとして捉えるだけでなく、何人もの庶民を具体的に描き、実際彼ら一人一人が何を考え、どう行動していたのか、そこにも焦点が当たっていた。

  • 「だがその頃のマリーアントワネットは実に芙蓉のように美しかった。たぐいなく美しかった」
    時代に翻弄される王妃と、マルグリット
    そのまわりで時代を大きく動かそうとする人々
    このエネルギーはこの時代だからこそなのか?
    美しい王妃が哀れでもある。さあこれから後半革命が始まる!遠藤周作さんのこの作品は読みやすくてどんどんのめり込んでいく!

  • 輿入れから、ダイヤの首飾りの醜聞までの上巻。
    権力者がくだらない揚げ足取りでバッシングされるのは、昔も今も変わらないんだな。
    マルグリットが好んで悪党に堕ちていくのが、やりきれない。

  • 下巻まで読了。
    史実と虚構が織り交ぜられながら語られる、しかし硬派な歴史小説。
    マリー・アントワネットとフェルゼン伯爵とのやり取りや、首飾り事件の顛末など、読み応えのある場面は多々あれど、ラストに向かっての展開はやはり鬱々として息苦しい。
    ただ、「優雅さ」だけをただひとつの武器として、苦境に耐え、死んでいこうとするマリー・アントワネットの姿は、気品ある文体で書かれていることで余計に際立って感じられる。

  • 冒頭からとても読みやすい。たくさんの書籍などを参考にしているのだろうけど、そんなことにも気づかされないくらい物語の進行が滑らかで、堅苦しくなく、娯楽としてスラスラ読める。

  • 文章で映像が見える作家さん。
    フランス革命、マリー・アントワネットの時代を学べる。

  • フランス史好きにはたまらない……読みやすいー!!フィクションを混ぜているからこそさらに面白いのかなあ。

  • 実は遠藤周作氏の作品を読むのはこれが初めて。
    割と読みやすい普通の文章なんだなという印象。
    「むつかしい」を多用。
    同じような描写を割と繰り返している。
    7割くらいのところで唐突にポリニャック夫人登場。
    上巻は首飾り事件まで。

  • 多少の膨らませは有るにしても、小説家がこんな歴史書もどきを書く意味って何なのだろう?

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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