侍 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123257

感想・レビュー・書評

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  • この本を教えてくれた日本史の先生のことを思い出してしまってなかなか読み返せない、悲しくない意味で

  • 主命でメキシコ・スペインへ渡った「侍」は、役目を果たすため、キリスト教へ帰依をする。しかし、旅の途中で日本の政情が鎖国へと変わり、当初の役目を果たせなかったばかりか、偽りとはいえ受洗したことが咎となり、帰国後も潜むように生きることを強いられる

  • 果たして基督教の信仰とは何なのか、苦難に対峙してもなお沈黙する神とは何なのか。時代と政に翻弄される「侍」長谷倉と烈しい信仰を持ってベラスコの眼と体験を通して日本人の宗教観が立体的に描かれる。万の神を認めて藩主を絶対的統治者とした当時の侍たちに対し、当初は使命感と意志をもって基督教布教を謀るベラスコの姿は滑稽で狡猾ともみえるが、後半になるに従って長谷倉は藩への疑義に反して信仰を問い、ベラスコは教会への不信に反して信仰を深める姿が印象的だ。

    『沈黙』と比べると直接的表現も多く、理解しやすい反面文学性はやや劣るが、『侍』のほうが会社の命令に右往左往する悲哀溢れるサラリーマンに通じるものがあり感情移入する人は多いかもしれない。

  • 藩主の命によりローマ法王への親書を携えて海を渡った一人の侍。多くのものを失い傷つき絶望し、7年もの後やっとの思いで故郷の地を踏んだ彼を待っていた運命はあまりに過酷だった。
    共に旅をした宣教師ベラスコはすごく傲慢で初めは嫌いだったが、読み進めるほどに彼の人間らしさ未熟さに興味がわく。
    宗教は好きではないが、最後に侍の心にその人が寄り添って少しでも楽になったのならいいなと思う。だけどラスト、ベラスコがその知らせを聞いたときの反応には正直がっかり。その思考は理解できなかった。
    小説としてはすごくおもしろかった。

  • 与蔵が侍に最後にかけた「ここからは……あの方が、お仕えなされます」という言葉に感銘を受けた。

  • 作者の作品、「沈黙」と双を成すキリスト教をめぐり時代に翻弄される人々の物語。あまりに無情な仕打ちを受ける主人公の侍。もう一人の主人公、野望をもったベラスコが悟りを開いていく過程をじっくり描いていて説得力があります。ベラスコが日本に再上陸することで結局は侍も残念な結果に。。侍はある程度納得しているのかもしれないが、残された家族はいたたまれないです。
    キリスト教は精神の安定を目指しているのは司教の考えであって、仏教も含め多くの宗教を信仰する庶民は現世の幸せを願うものでは、と考えてしまいます。
    人それぞれの価値観と尊厳を考えさせられる深い一遍です。

  • ベラスコの決して好転はしない危うい感じが好きで読み進めてきました。真面目一辺倒の侍。最後侍がどうなってしまったのか。

  • 2017 3 28
    7冊

  • 私の人生で、最もこころに残る作品の中の1冊になりそう。

  • 藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、自分の狭い領地しか知らなかった侍は海を渡る。お役目達成のために受洗を迫られ、その後鎖国となった日本に戻ってきた侍の運命は…という内容。
    日本人が絶対的なものより、親族の結びつき、現世で利益となるものしか信用しないという見方は面白かった。
    宗教の受容が国、個人どのようにされたのか興味深い。

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著者プロフィール

遠藤 周作(えんどう しゅうさく)
1923年3月27日 - 1996年9月29日
東京生まれ。父親の仕事で、幼少時代を満洲で過ごす。帰国後にカトリックの洗礼を受けた。1941年上智大学予科に入学したが、中退。慶應義塾大学文学部仏文科入学・卒業後、カトリック文学を学ぶためにフランスへの留学。帰国後の1954年『アデンまで』を発表し小説デビュー。1955年『白い人』で芥川賞を受賞し「第三の新人」として脚光を浴びた。
1958年『海と毒薬』で第5回新潮社文学賞及び第12回毎日出版文化賞、1966年『沈黙』で第2回谷崎潤一郎賞、1979年『キリストの誕生』で第30回読売文学賞評論・伝記賞、1980年『侍』で第33回野間文芸賞などそれぞれ受賞。1995年に文化勲章を受章している。
上記受賞作のほか、1993年刊行『深い河』もキリスト教と日本人をテーマにした代表作と見なされており、映画化された。60年代以降「狐狸庵山人」(こりあんさんじん)を名乗り、様々なエッセイを記した。数々の作品が欧米で翻訳され高い評価を受けており、存命中ノーベル文学賞候補だったこともよく知られている。

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