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- 本 ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101123264
感想・レビュー・書評
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著者の青春時代からのエッセイ集。
タイトル通り「優しさ」が感じられる。それは色々なことを経験し、日々考えているからこそ出てくるもののように思えた。
『留学』や『沈黙』では、宗教とは?日本人とは?ということが描かれていたと思うが、そういった人間の心の深いところを考えるというのは、つまり「優しさ」を持っている人だからなのだと感じられる作品だった。
「仕事部屋の窓から」では、苦しみをこらえた人間の例え話として、親からむりやり縁談をすすめられている若い娘がのむまいのむまいとしているうちに、食事も喉を通らなくなったことから、占い師や基督教の告解、心理療法へと考えをつなげていく。
著者の洞察が光る部分ではないだろうか。
堀辰雄『風立ちぬ』についての「生きめやも」をキーワードにした考察や、北杜夫の躁鬱病についてのエピソードも大変興味深いものだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
留学時代から老翁になるまでの人生を綴った文学的自伝。
いまいち、<冬の優しさ>と本文のつながりが理解できかねた。
あの春の優しい感じは、冬の厳しさのおかげなのか。その意味で、冬って優しいのかも知れない。
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著者プロフィール
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