大江健三郎 作家自身を語る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 81
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101126234

作品紹介・あらすじ

なぜ大江作品には翻訳詩が重要な役割を果たすのでしょう? 女性が主人公の未発表探偵小説は現存するのですか? ――世紀を越え、つねに時代の先頭に立つ小説家が、創作秘話、東日本大震災と原発事故、同時代作家との友情と確執など、正確な聞き取りに定評のあるジャーナリストに一年をかけ語り尽くした、対話による「自伝」。最新小説『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』を巡るロングインタビューを増補。

感想・レビュー・書評

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  • 大江健三郎氏の創作の秘密、作品に込められたものが解る。
    聞き手の尾崎真理子女史の作品への深い読みに舌を巻く。
    また、尾崎真理子女史の読みが確かなものであるので、大江健三郎氏の応えと合致し、巧みに大江健三郎さんの応えを引き出している。

    この本により、偉大な芸術家の内面を初めて知ったという感慨を持った。
    私生活の事は、身近な人間でないので、わからないけれども、大江健三郎氏の芸術家としての人生は幸せであったと思う。

    とにかく、大江健三郎ファンにはおすすめです。

  • この人の書く小説を面白いと思ったことはないのだが、この本はメイキングものとして面白く読める。

  • 初読。作品の時間軸に沿ってインタビューが構成されているが、作品そのものよりタイトル通り作家・大江健三郎さんについて知ることができる。話がどんどん多方面に伸びていき、大江さんの人生をたどることができる。いろんな箇所で涙をこらえながら読んだ。もう一度、すべての作品を最初から順番に読み直したいと切実に思った。大仕事ですが。

  • インタビューの内容を、とても分かりやすい文体で書いてあるので、大江健三郎作品自体はとっつきにくいと思っている方にもオススメ。
    「この作品はこんな意図だったんだ」だとか、いろいろな発見があると思います。

    インタビューを実録したDVDも数年前に発売していますが、インタビュー自体はそのときのもの+直近のもの、です。
    DVDでは、独特の話し言葉で、かつ断片的な収録なので話の前後関係が分かりにくかった感がありますが、本当に同じインタビューかと思えるぐらい分かりやすく書籍化がしてあります。

    大江文学を読み解く上で、必須の一冊ではないでしょうか?

  • 夢中になって読んだ。真摯なインタビュアーの問いかけも誠実なレスポンスもとてもよかった。思えばミドルティーンの頃初めて大江作品に出会い、攫みきれない大きな塊を心にズシーンと受けた。この初期衝動を引き摺りながらずっと読み続けてきた。思い込みの大江像を頑なに守りながら、私はたくさんの誤読をしてきたのではなかろうか?このロングインタビューで知り得た作品の背景を吟味しながら再び大江作品を読み返していこう。最初に受けた攫みきれない大きなズシーンの正体を暴いてやろう。自分にとって大事な作家であることを改めて噛み締めた。

  • 大江健三郎の辞書に、なあなあ、という言葉はない。馴れ合いはない。
    彼の敬愛する作家のひとり、安部公房に対してさえ、ひょんなきっかけで絶交を言い渡す。人と作品をきっぱりと分ける。何というか、この誠実さには感服せざるをえない。
    日本文学において伝統的な私小説を解体した作家のひとりである氏は、しかし彼の方法においては、決して実人生で誠実である必要はない。だが、フィクション=嘘において誠実であるために、作り話に真実味というオーラを与えるために、彼は実人生において誠実であり続けた。今もあり続けている。こういう書きかた意地悪かもしれないけれど、感服していることには変わりない。
    嘘をつくために誠実であり続ける。私は氏の熱心な読者ではないけれど、この態度には頭がさがる。
    日本社会において氏はどちらかといえば滑稽な存在として捉えられているのではないか。そんな氏がノーベル賞を受賞した。それをいちばん不思議に思っているのは実は日本人なんじゃないか。

  • 大宮駅構内、¥788.

  • 祝文庫化!
    「大江山脈をすがすがしく見晴らせば」沼野充義 (波 2007年6月号より)
    http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/303618.html

    新潮社のPR
    「なぜ大江作品には翻訳詩が重要な役割を果たすのでしょう? 女性が主人公の未発表探偵小説は現存するのですか?――世紀を越え、つねに時代の先頭に立つ小説家が、創作秘話、東日本大震災と原発事故、同時代作家との友情と確執など、正確な聞き取りに定評のあるジャーナリストに一年をかけ語り尽くした、対話による「自伝」。最新小説『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』を巡るロングインタビューを増補。」

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著者プロフィール

大江 健三郎(おおえ けんざぶろう)
1935年、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。大学在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を、同じく在学中1958年当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞を受賞。1964年『個人的な体験』で新潮文学賞、1967年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、1973年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、1983年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、1984年「河馬に噛まれる」で川端賞、1990年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。そして1994年には、日本人として二人目のノーベル文学賞を受賞した。2018年7月から『大江健三郎全小説』全15巻の刊行が始まっており、一度も書籍化されなかった「政治少年死す」なども収録されている。

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