女坂 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101127026

感想・レビュー・書評

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  • 去年読んだ中でベスト3に入るかなという小説。円地文子初読みであったが予想以上に素晴らしい小説だった。

    倫を中心として、その夫や息子、嫁、夫の妾など様々な人物が登場しながら、絵巻をなしていく。倫の苦悩を軸としつつも、みんなどこかで悩み、何か得体のしれないものに囚われており、その何かに縛られる様は美しく端正な文章とあいまって普遍的な人間一般の苦悩にまで昇華されているような印象を受けた。著者が源氏の訳者でもあるのは納得がいく話だと思った。

    「一気に読んだ!」というのが褒め言葉なのかどうかいまひとつわからないが、途中で止まらずに最後まで読んだ小説であった。

  • 円地文子 「 女坂 」

    夫の度重なる不倫から家を守った妻の物語。家を守る支配者としての妻と 男尊女卑の象徴である妾 を対称的に描いている。

    結婚後は夫の愛を必要とせず 家を支配する妻と 関係後も夫の愛を前提として 家の中に入れない 妾 の対称性。妻がいなくなっても、この関係は 変わらないことを想像させる

    妻から夫への最期の言葉「葬式などせず、海へ 私の身体を、ざんぶりと捨ててください」は
    *夫と家の抑圧から 解放され、自分に戻れる 幸福感
    *夫を増長させ、仏教的な倫理感を守れなかった自身への罰 と捉えた

    「人間というものは どうあせっても思い通りに行くものではない〜何事も無理せぬように 阿弥陀様にお任せする」

  • 第10回野間文芸賞

  • 女流作家が少なく今よりも封建的な家庭が多かった時代にこれほど男性を否定的に描くことに喝采を浴びなかったかもしれない。しかし、辟易するような理不尽さに悩みながらも強く生きる筆者に我が母の強さが重なる。このように妻を苦しめないと誓った。

  • 倫を苦しめる家という囲いの窮屈さは勿論なんだけれど、須賀と由美の分かれ道の対照的なこととか、最後まで読んでいて息苦しくて仕方ない。
    倫の亡くなったあとは白川家は大丈夫なのか。

  • 家にあったので読んでみた。ストーリーは、明治時代のひとりの女性が、奔放な夫に振り回されながらも、耐え忍んで生きるという、読んでいてこちらも気持ちが重くなるもの。
    ストーリーは鬱々としながらも、すらすら読み進められるのは、著者の美しい文体、明治時代に自然に入り込める描写があるからかもしれない。幾人かの女性が登場し、キャラクターがはっきり書きわけられていた。中でも「お由美さん」という、さっぱりとした気性の女性が一番印象が良かった。
    円地さんの他の作品も読んでみたい。

  • 夫の妾を見繕う妻。その生涯。
    さっぱりと進んで、面白かった。

  • 桜庭一樹読書日記で気になった本。夫のために自ら妾を見つけてきて同居し、自分の心は封じ込めて“家”を守り続ける-どろどろとした内容、悲しい女の年代記、のはずなんだけど、するする読めて明治の風俗も面白く、読後感も悪くない。

  • これは男女問わず読むべきだと思います。

  • お家騒動にも、妾捜しにも自らが手を下す。
    自分がやったこと、という思いが
    全てのことに耐え抜く糧となった。

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