- 本 ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101127194
感想・レビュー・書評
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《目次》
・「若菜 上」
・「若菜 下」
・「柏木」
・「横笛」
・「鈴虫」
・「夕霧」
・「御法」
・「幻」
・「雲隠」
・ 紫式部と気脈を通じる「作家」の訳 大塚ひかり詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
円地文子 訳 「 源氏物語 」平成13年刷 4/5 柏木〜総角
無常観を感じさせる内容
*光源氏の晩年の苦悩(後妻の不倫、夕霧の愛執)
*光源氏の最期「雲隠」〜雲は時間、年齢を暗喩?
*光の世界から 薫の世界への遷り変わり
物語の作り方がうまい。宇治十帖は 光源氏の設定を 少しずらして 現代風な恋愛小説になっている
光源氏の最期と薫の登場
*雲隠〜雲で光が隠れ(光源氏の最期)
*雲は何かを暗喩したものなのか〜時間、年齢
*匂宮〜光の世界から 薫の世界へ
*光=眩しくて近づけないイメージ=光源氏
*薫=惹き寄せられるイメージ
身分(源氏生前)
*朱雀院〜雲隠で死
*源氏〜雲隠で出家、死
*紫の上〜御法で死
身分(源氏死後)
*薫=柏木と女三宮の不倫の子〜中将→椎本で中納言
*匂宮=明石中宮と今上の子=源氏の孫
*玉鬘の子=大君は冷泉院と、中の君は今上と
宇治十帖 人間関係
*八の宮(聖の宮。源氏の弟)
*大君=八の宮の娘→総角で亡くなる
*中の君=八の宮の娘→匂宮と
*浮舟=八の宮の娘
総角(あげまき)=離れていたけど、いつしか寄り合う -
夕霧が親友の未亡人である女二の宮を口説くのだけれど、彼の手管は、「どんなに女に拒まれても、帰らない」という迷惑なもの。
いかにも二人が懇ろであるかのように朝帰りして浮名を立て、もう立ってしまった浮名を元には戻せないと女にあきらめさせる。なんとも姑息なやり方。
しかしこんな無体な、女の名誉を犠牲にしたやり方でいっしょになったのに、いつの間にかむつまじい夫婦になってしまうんですね、これが。この、語られない「いつの間にか」が源氏物語の特徴です。
そして夕霧は、幼なじみの雲居の雁と女二の宮(落葉の宮)とに月に15日づつ通って、義理固さを表します。
夕霧って、夕霧って、なんかとってもちっちゃい男よ・・・・。 -
全6巻
出版社/著者からの内容紹介
国語学者の中でも、特に言語感覚が鋭敏だった訳者による『源氏物語』第二巻。十七歳になった光源氏は、「心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花」の女主人の、その名の象徴するような死に遇い、そこはかとなき人の世の無常を感じ、心労のあまり熱病にかかったが、その加持のために北山に出向き、「手に摘みていつしかも見む紫の根に通ひける野辺の若草」の少女に最愛の女藤壺の面影を見た源氏は、本邸に迎え取って養育する。
著者紹介
1900年愛知県生まれ。1923年國學院大学文学部卒業。國學院大学名誉教授。文学博士。主著『国語発達史大要』『国語史概説』『現代語の性格』『日葡辞書の研究』『徒然草-附現代語訳』『源氏物語-本文編-』(共編)外多数。1976年没。
円地文子訳『源氏物語』(レビュー前) -
若菜がこんなに長大だったとは……光源氏が女三の宮を迎えてから亡くなるまでの、なんというか、下降の一途をたどる巻でした。かなりの部分を夕霧など他の人の描写に費やしてもいたり。とりあえずここで一区切り。
著者プロフィール
円地文子の作品





