開口閉口 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 311
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101128061

作品紹介・あらすじ

読書の楽しみを語り、現代の風俗を諷刺し、食味の真髄を探り、釣りの薀蓄を傾け、世界の美酒・珍酒を紹介し、人生の深奥を観照する。-鋭い洞察が溢れ、ユーモアとウィットに富み、自ずと人柄のにじみ出る絶妙な語り口は読者を魅了せずにはおかない。「男の収入の三分法」「面白い物語はまだまだある」「釣るのか釣られるのか」「酒の王さまたち」など珠玉64編。

感想・レビュー・書評

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  • この人の文章を読むと綺麗な海底のように世界がちょっと深く蒼く空恐ろしく見える。かといって無機物ではなく、凄まじく人間臭い。万人を魅了する香水にはうんこの匂いが含まれていると言ったのは本田宗一郎。

  • 作者の人生哲学や海外生活で経験した話や海外の珍しい食べ物の話や趣味の釣りの話などが短編で64作書かれている。
    興味がないと読むの辛いかも

  • 1976年ごろ書かれた随筆
    小説家というより随筆家のような手慣れた書きぶり
    著者の志向が良く伝わる見事な作品

  • 開高さんのエッセイ。
    男臭さがいい。釣りの話は自分に興味がないのでクドイけれど。
    各エッセイのタイトルがまたツボ。

  • 読書の楽しみを語り、現代の風俗を諷刺し、食味の真髄を探り、釣りの薀蓄を傾け、世界の美酒・珍酒を紹介し、人生の深奥を観照する。――鋭い洞察が溢れ、ユーモアとウィットに富み、自ずと人柄のにじみ出る絶妙な語り口は読者を魅了せずにはおかない。「男の収入の三分法」「面白い物語はまだまだある」「釣るのか釣られるのか」「酒の王様たち」「小さな話で世界は連帯する」など珠玉64編。 

    どこから読んでも、何度読んでも、思わず、くすり、あるいは、うーむと唸ってしまう面白さ、です。

  • 軽妙洒脱。読んでて滋味を得る。自分が生まれた頃に書かれた文章から感じる当時の風俗など楽しみつつ。/小倉百人一首。「気ままに一句一句読んでは床に落していると、回想や想像がつぎからつぎへとわいてきて時間に果汁をみたしてもらうことができた。」p.150/西園寺公望。「私が好きなのは、当時の国定修身教科書に<<艱難汝ヲ玉ニス>>の言葉を入れさせるまいとした挿話である。(略)何も幼少のときから学校でそんな観念を叩きこんで、ためにヒネくれて貧寒な気質の国民をつくってしまう、そのことを憂えて撤回を進言したのだが」p.267/バンコクの金言。稼ぎの三分法。「1/3は水に流す。1/3は大地にもどす。1/3は敵にくれてやる。」p.283 酒、土に埋めて貯金、女房に渡すことなんだとか/バンコクの金言。「25歳までの女は自分を殺す。35歳までの女は自分と相手を殺す。35歳以後の女は相手だけを殺す。」p.288/当時の女子大生は、語末に、”サムシング”とつけて話したりしていたのだろうか。p.304とか。/映画「大いなる幻影」。ジャン・ギャバンとシュトロハイムの競演。計算し抜いた自然さで楽々と演じているのを見てみたい。/グレイ卿がルーズベルトをお忍びで迎えて、二人きりで一日バードウォッチングしたエピソード。「こころの渇きがテロリストのそれでなくなってしまわないことには、滴の音が耳に入らない。オッサンにならないと聞こえてこない音というのもおびただしくあるのだよ。p.416 三十五すぎても滴が耳に入らぬ身としては、まだテロリストの渇きなのだろうか、と自問しつつ、本をおく。ただ、年代ごとに読み返して感じ方の違う本というのはある。自分にとって読み返す強度に足る何冊か、ということになるだろうが。

  • 時間の合間に読めるエッセイ。
    開高健氏のエッセイはおもしろい。
    ボリュームあるのに飽きさせないところはさすがだと思う。
    昭和を感じられるもの。反して古さを感じさせない世界的な視点から切り込んだ話、が特にお気に入りである。
    ただ、釣りの話は私が興味がなさ過ぎてか、正直あんまり面白くなかったなぁ。

  • ぶ厚すぎて読み始めてから読み終わるまでずいぶんと時間がかかってしまった.
    こういう本はずっと手元に残して子孫に伝えていくのがよいと思う.
    開高健は長編よりも短編が面白いのではないかと思う.なぜならば短編だからといって本気の程度が下がっていないからである.その分よりギュッと圧縮されたエッセンスを感じる.ゆえに,ときどき同じ話の使い回しがあるのは大目にみなければならない.「知的な痴的な教養講座」かこれか.どちらも素晴らしい.寝る前に2-3話ずつ読むと目覚めが素晴らしくよいですヨ

  • 酒飲んでる時で、くうっ、と目をつぶって喉ごす時のような、文章の締め方が好きだ。と、いうことは、この、それぞれの文章自体が酒だ、ってことになる。そうだと思う。

  • 今週、バンコクからシンガポールに出張に行ったのであるが、バンコクのスワンナプーム空港でも、シンガポールのチャンギ空港でも、入国のイミグレーションのあたりに、マスクをした人たちがサーモメーター(って言うんだっけ?)で、これから入国しようとする人たちを観察していた。例の豚インフルエンザである。そういう例は見られなかったけれども、熱のある人は精密検査、ということにでもなるのだろう。大変な話ではあるけれども、でも、この事件くらい、世界は狭いというか、密接に関係しているというか、を感じさせるような事件はなかったような気がする。私はバンコク駐在員であるが、毎日(「毎日のように」ではなく、本当に「毎日」)、東京の本社から、本件に対する対応方針みたいのがメールで、それも複数、送られてくる。感染者が発生した国に対してはもちろん、そうでない国であっても海外出張は自粛、とか、駐在国で大流行が起こった場合に備えて水や食料品等を備蓄しておくこと、等々である。駐在員仲間の間では、そもそもウィルスというのは湿度に弱いはずだから、高温多湿の今のバンコクでは、はやるはずがないとか、という、科学的な根拠のない議論をしたりしている。でも、「鳥」はともかく、「豚」に関しては、東京よりもバンコクの方が安全なんではないの?ということで、家族をわざわざバンコクに引き止めたりしている駐在員もいたりする。さて、本書は開高健のエッセイであり、それは素晴らしく面白い本であったのだが、それと先の豚インフルエンザの話は何か関係があるのか。実は、本書「開口閉口」がバンコクに持ってきた開高健の最後の本なのである。来週、日本に帰国することになっていたので、その時に、開高健のまだ読んでいない本を、まとめて買って帰ろうと思っていたのだけれども、出張自粛状態が続くと日本に帰国出来ずに少し困ったことになってしまうのである。個人的には水や食料の備蓄よりも、こちらの備蓄の方が大事だったのだけれども、まぁ、こればかりは仕方がない。

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著者プロフィール

開高 健(かいこう たけし、かいこう けん)
1930年12月30日 - 1989年12月9日
大阪府、天王寺区生まれの小説家。大阪市立大学法文学部法学科在学中、同人誌活動を始める。洋書輸入商、壽屋(現・サントリー)宣伝部を経て、作家活動を開始。
1958年、『裸の王様』で芥川賞、1968年『輝ける闇』で毎日出版文化賞、1979年『玉、砕ける』で川端康成文学賞、1981年菊池寛賞、1987年『耳の物語』で日本文学大賞をそれぞれ受賞。ほか、主な著書に『日本三文オペラ』『夏の闇』『私の釣魚大全』『人とこの世界』などがある。

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