- 本 ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101128078
感想・レビュー・書評
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ユーモアたっぷりの語り口で読みながらニンマリしてしまう。
下品、不謹慎は御愛嬌。
かと思えば繊細な表現に日本人としての本能的な部分を刺激される。
正直な漢の感性や味覚が存分に文章化されていて感嘆する。
ノンフィクションとしての代表作『オーパ!』が非常に面白く、続いて小説の代表作『輝ける闇』を読んでウーンとなった。そしてこのエッセイにいたり確信した。
開高健はノンフィクションエッセイが刺さる。個人的に。
『地球はグラスのふちを回る』の刊行は1981年だが、書かれたのは1970年代後半とのこと。
作家の角田光代さんが開高健のエッセイを激賞されているのを見て、お二方のエッセイを同時期に読んだ。
ちなみにこの本は古書で手にしたのだが、前の持ち主の方がメモ書き、線引きされていて、それもまた趣があって良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
毎晩少しずつ、就寝前の寝酒代わりにとちびちび読み進めました。酒と料理と釣りと女を楽しみながら海外諸国を歩き回る著者の語り口はさっぱりと明朗、それでいて描写が生き生きとしており、特に酒と料理のパートが魅力的。読みながらその国の空気ごと味わうような心持ちがして、気軽に海外へ行けなくなったご時世だからこそ余計に魅力的に見える。知らない国で酒を飲みたいなあ。タイトルも良いですね。
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雑誌や新聞の記事として発表されたものを集めた短編集。内容に重複あり。
趣味の話をするおっさんの好奇心とこだわりと下世話さ。でも、繊細さも所々あるような気がする。
表記を変えて同じ言葉を二度繰り返すなど、適宜に溜めのある読み口が良い。
I章は酒、II章は食い物と煙草、III章は釣り、IV章は旅の話。釣りにあまり興味を持てないので、III章は総じて退屈に感じたが、一方で旅行好きな私にとって、IV章に入ると旅情のこもった小編がたまらない味わいをもって差し向けられてきた。これよ、これを待っていた。 -
作家のエッセイって割と好きで、それは自分の知らない美味しいものを知っていて、かつその美味しいものをより美味しそうに見せてくれるからなんだけど、開高健が魚介類好きだったおかげで大層よかった。越前蟹、鯖の串焼き、ソフトシェルクラブ、アメリカの牡蠣と蛤。晩酌しながら読むと尚のこと良い。酒の肴になる。
あとココアのバンホーテンって当て字が蛮瘋癲なんだな。知らなかった。 -
酒の話はこの人がするのが一番面白い。
最高だ。さすがである。さすが。 -
GWの旅のお供に選んだ一冊。こんなにぴったりな一冊があっただろうか!まずタイトルが素敵すぎる。旅してる最中からまた旅に出たくなっちゃう。各地で味わうお酒に食べ物。釣り、そしてちょっぴりエッチな話もあるのだけど、不思議といやらしくなくて、あっけらかんとしている。東欧に行きたくなったなぁ。そして、ウィスキーの飲める大人になりたいと思った。(笑)旅もどんどんお手軽になっちゃって、旅慣れればなれるだけ、いつどこに行っても、本当の驚きに出会えることは少なくなっている。こういう生き生きとした感性で旅を捉えられたら。
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福井の越前ガニについて書かれているので読んでいる。文学の分野で福井というのは、どう捕らえられているのか?
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食べ物を求めた旅したくなる!
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御叱呼までがいい匂いを発散するという、ズブロヴカ。
思わず買って、飲みながら読んだ。
その他にも、アブサン、シュタイン・ヘーガー、茅台酒、プイイ・フュイッセ…古今東西の銘酒が飲みたくなる。
涎が出るほど旨そうな料理や酒、そして旅先での生々しい匂いを感じる風景描写、読みながら、生理的に、本能的に惹き付けられてしまうエッセイの数々。
たまらん。
著者プロフィール
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