地球はグラスのふちを回る (新潮文庫 か-5-7 新潮文庫)

  • 新潮社 (1981年11月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101128078

みんなの感想まとめ

自由で伸び伸びとした旅の醍醐味を感じさせる一冊で、食事や酒、釣りなどをテーマにしたエッセイが魅力です。著者のユーモア溢れる語り口は、今の時代にも通じる面白さを持ち、読者をニンマリさせます。下品さや不謹...

感想・レビュー・書評

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  • 時台柄もあるのかもしれないけれど自由で伸び伸びしている印象。食事、お酒、釣り、女性ets 当時の旅の醍醐味ってなんだろうと考えさせられる一冊。

  • 酒もあまり飲めない、タバコは吸わない、釣りもやらない、そんな私でも充分楽しめる本でした。開高健さんのユーモア溢れる文章は、今の時代に読んでも面白い。

  • ユーモアたっぷりの語り口で読みながらニンマリしてしまう。
    下品、不謹慎は御愛嬌。
    かと思えば繊細な表現に日本人としての本能的な部分を刺激される。
    正直な漢の感性や味覚が存分に文章化されていて感嘆する。

    ノンフィクションとしての代表作『オーパ!』が非常に面白く、続いて小説の代表作『輝ける闇』を読んでウーンとなった。そしてこのエッセイにいたり確信した。
    開高健はノンフィクションエッセイが刺さる。個人的に。

    『地球はグラスのふちを回る』の刊行は1981年だが、書かれたのは1970年代後半とのこと。

    作家の角田光代さんが開高健のエッセイを激賞されているのを見て、お二方のエッセイを同時期に読んだ。

    ちなみにこの本は古書で手にしたのだが、前の持ち主の方がメモ書き、線引きされていて、それもまた趣があって良かった。

  • 再読。

    開高先生のユーモア溢れる随筆集。今作はタイトル通り世界の名酒・珍酒についての話題が多めであるが世界各地で食べる飲む釣る遊ぶ…の話も満載。ネットが普及し摂取出来る知識量と質の増した現代においては割と有名な珍味も当時としては珍しく、何より実体験(口にした)事がすごいよなと思ったり。
    酒についても食についても「こんな美味いものを食べているんだ、良いだろう」という嫌味で高尚な雰囲気もせず興味をそそられるのも開高先生の文章の良い所。現代においては色々と気になってしまう下ネタも多いが、何処かカラリとして(開けっぴろげでもあるし、晩秋の寒々しさのようなものもあり…)他と比べれば苦手意識は薄い。
    豪放磊落ながら繊細でもあり、開高先生の文章は唯一無二であると読む度に思う

  • 開高氏といえばサントリー所属のコピーライターで、後に独立し文筆業へと転身、1958年に「裸の王様」で芥川賞を取りましたが、それ以外にもノンフィクションやエッセイなどで有名ですね。

    今回は実家の本棚に残って書籍を処分する予定で再読したものです。

    ・・・
    本件ですが、中心は、開高氏による旅と酒にまつわるエッセイ。

    その表現は的確で、どこかユーモアのあふれる書きぶり。氏の小説も以前読みましたが、大分雰囲気が違うと感じました。

    内容ですが、アルコール、その出自の文化的背景、歴史的事情がさりげなく語られており、なかなかためになります。また途中から釣りエッセイへと変貌笑

    全体的にも、50年程前に書かれた作品でありますが、不思議と古びれてない印象です。ベルギーでショコラティエの出すチョコレートに感動し、チョコレートは大人の食べ物だ、と断ずる部分とかは特にそういう感じ。

    そんなんですので、テイストとしては辺見庸『もの食う人びと』をもう少し柔らかくしたような感じです。ま、本作の方がかなり古いんですけど。

    そして、一番印象にあるのは、ためらいもない下ネタ。

    これは時代なのかなあ。あるいは編集者の意図なのでしょうか。女性だと気分を悪くされるかたもいらっしゃるかもしれないほどストレートでした。

    ・・・
    ということで開高氏のエッセイの再読でした。

    およそ50年前に書かれたにも関わらず、氏が外国経験が豊富過ぎて驚きます。

    そして後悔交じりに何度かつぶやく『もっと若い時、20代に外国に来たかった』とのくだり。日本に生きる作家ではない、もう一つの自分を外国で夢想していたのかもしれませんね。

    今は海外に、旅行だって移動だってもっと安価に自由に行けますよね。そうした世情に感謝の念が湧いた次第です。

  • 10年越しに読了。なぜか中途でやめて放り出してたエッセイ。10年ぶりに詠むの再開。酒からはじまり魚へと、世界をまたにかけてかたり、その国の風土や人も語るといった体で。舞台はだいたい50年ぐらい前で。エスカルゴ食べて、「バターとニンニクとパセリのみじん切りの香りが腸をねじる」(p.41)なんて表現したり、ヴェルレーヌの詩を一節口ずさめば、共産圏の同行者に「頽廃だ」と吐き捨てられたり、開高健と大江健三郎が吐き出したほど不味いと思ったブランデーを、最高級品です!と野間宏に持っていったら、だまってのんで「もう一杯おくれ」と言われたシーンとかは印象に。あとは◆「戦い合う当事者は、人間的にはなれない。真に人間的なのは、第三者の傍観者である」(ゲーテ)p.234◆旅でも同じだ、というのが私の考えだな。何でも記憶にとどめようと気ばって見て歩くと、物ごとの表面ばかり見ることになる。本質が見抜けなくなる(略)自然体に構えて、それ触覚にひびいてきたもの、耳と目と頭に残ったもの、それがきみにっとての物ごとの本質だということになるp.234-235◆「漂えど、沈まず」(略)男の本質、旅の本質は、まさにこれなのだp.240◆といったあたりが良かったかな。

  • 毎晩少しずつ、就寝前の寝酒代わりにとちびちび読み進めました。酒と料理と釣りと女を楽しみながら海外諸国を歩き回る著者の語り口はさっぱりと明朗、それでいて描写が生き生きとしており、特に酒と料理のパートが魅力的。読みながらその国の空気ごと味わうような心持ちがして、気軽に海外へ行けなくなったご時世だからこそ余計に魅力的に見える。知らない国で酒を飲みたいなあ。タイトルも良いですね。

  • 雑誌や新聞の記事として発表されたものを集めた短編集。内容に重複あり。
    趣味の話をするおっさんの好奇心とこだわりと下世話さ。でも、繊細さも所々あるような気がする。
    表記を変えて同じ言葉を二度繰り返すなど、適宜に溜めのある読み口が良い。

    I章は酒、II章は食い物と煙草、III章は釣り、IV章は旅の話。釣りにあまり興味を持てないので、III章は総じて退屈に感じたが、一方で旅行好きな私にとって、IV章に入ると旅情のこもった小編がたまらない味わいをもって差し向けられてきた。これよ、これを待っていた。

  • 作家のエッセイって割と好きで、それは自分の知らない美味しいものを知っていて、かつその美味しいものをより美味しそうに見せてくれるからなんだけど、開高健が魚介類好きだったおかげで大層よかった。越前蟹、鯖の串焼き、ソフトシェルクラブ、アメリカの牡蠣と蛤。晩酌しながら読むと尚のこと良い。酒の肴になる。

    あとココアのバンホーテンって当て字が蛮瘋癲なんだな。知らなかった。

  • 酒の話はこの人がするのが一番面白い。

    最高だ。さすがである。さすが。

  • GWの旅のお供に選んだ一冊。こんなにぴったりな一冊があっただろうか!まずタイトルが素敵すぎる。旅してる最中からまた旅に出たくなっちゃう。各地で味わうお酒に食べ物。釣り、そしてちょっぴりエッチな話もあるのだけど、不思議といやらしくなくて、あっけらかんとしている。東欧に行きたくなったなぁ。そして、ウィスキーの飲める大人になりたいと思った。(笑)旅もどんどんお手軽になっちゃって、旅慣れればなれるだけ、いつどこに行っても、本当の驚きに出会えることは少なくなっている。こういう生き生きとした感性で旅を捉えられたら。

  • 福井の越前ガニについて書かれているので読んでいる。文学の分野で福井というのは、どう捕らえられているのか?

  • 食べ物を求めた旅したくなる!

  • 御叱呼までがいい匂いを発散するという、ズブロヴカ。
    思わず買って、飲みながら読んだ。

    その他にも、アブサン、シュタイン・ヘーガー、茅台酒、プイイ・フュイッセ…古今東西の銘酒が飲みたくなる。

    涎が出るほど旨そうな料理や酒、そして旅先での生々しい匂いを感じる風景描写、読みながら、生理的に、本能的に惹き付けられてしまうエッセイの数々。

    たまらん。

  • 酒から始まり、釣やら何やらが、いつもの開高節で繰り広げられる。
    酒でも飲みながらゆっくり、直接、聞きたいなぁという感じ。

  •  酒と食、煙草、釣り、旅、および恐らく若さについてのエッセイ。

     肉体の疲れは糖分で癒される。
     心の疲れは酒精を求める。

     という一文が妙に心に残った。

  •  コラム・エッセイ。酒、美食、釣り、旅について。カニが食べたくなった……どんぶりに山盛りのカニ……カニミソ……(煩悩)
     世界各国の種々の酒とその周辺のエピソードは、読んでいてなかなか楽しかった。雑学的な楽しみにしても、実際に各地を旅した人の言葉なので、単なる豆知識に留まらないおもしろさがある。
     感覚的に☆三つをつけたけれど、これは氏の他のエッセイ集と共通するエピソードも重複して登場するため、読んだ順番のせいで相対的に読みごたえが少なく感じられただけのような気もする。

  • 俗っぽいですよね、開高健。
    下世話な話にしても、カタカナや羅列を多用する表現にしても。

    でも、それが男友達との気楽で奔放な旅行を思い出させ、
    読んでいて楽しい気分になるんです。
    メリハリある文章も、移動中の冗談と景勝地での放心を繰り返す旅行そのものに近くて、いいですね。

    各々好き勝手な話をして車を運転しながら、
    ゆく先々で美味いものを口にし、絶景を目にし、
    そんな肩ひじ張らない旅行気分を味わえる一冊だと思います。

  • 世界を飲んで食べて。開高さんも書いているが、若い時に旅はたくさんするべき。

  • 開高健氏のエッセイ。
    世界的感覚、旅、落ち着き、昭和、濃密さ、をいつも提供してくれる開高氏。
    『旅は男の船であり、港である』、このエッセイがいちばん響いた。

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著者プロフィール

開高 健(かいこう・たけし):1930年、大阪生まれ。大阪市立大学を卒業後、壽屋宣伝部(現サントリー)にてコピーライターとして活躍。同時に創作を続け、57年『パニック』でデビュー。58年『裸の王様』で芥川賞、ベトナム戦争現地へ赴いた経験に基づく『輝ける闇』で68年に毎日出版文化賞、79年『玉、砕ける』で川端康成文学賞、81年に一連のルポルタージュ文学について菊池寛賞を受賞。ほか『日本三文オペラ』『ロビンソンの末裔』『オーパ!』『最後の晩餐』など、代表作・受賞歴多数。89年逝去。

「2024年 『新しい天体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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