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本 ・本 (283ページ) / ISBN・EAN: 9784101131313
感想・レビュー・書評
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1981年、「週刊読売」に1年間連載。とりあげているのは10人の友。連載開始時は躁状態だったもんだから、最初の遠藤周作、佐藤愛子、阿川弘之には饒舌になり過ぎ、全体の半分を費やす。そのあたりで躁から回復。
後半は饒舌でない分、読者としては落ち着いて読める。奥野健男、なだいなだ、宮脇俊三の章がいい。北杜夫は奥野やなだとは中学で先輩・後輩として知り合っているのに、文学の世界では(ペンネームのせいで)しばらくの間知らない人だと思っていたというのがおもしろい。『どくとるマンボウ航海記』を世に送り出してくれた宮脇については、その編集のこだわりも書かれていて、これもおもしろい。
躁の時に書かれた阿川弘之の章。北は、軽井沢の山荘で「実に可憐なうえにも可憐な一少女」と会う。それから10余年後、横浜の阿川邸で、「肥満することもなく」美しいまま、結婚適齢期になったその娘を見る。佐和子、この時27歳。でもこのあとに北は、自分たち客のまえで姉弟喧嘩が繰り広げられたことについて書いている。書かなきゃいいのにね。これも躁のなせるわざか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北杜夫さんの交友が書かれたもので、とても面白かった。
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