マンボウ遺言状 (新潮文庫)

北杜夫

• 新潮社 (2004年3月28日発売)

感想・レビュー・書評

[㏍/眞さんの感想 · 2010年12月11日]

北さんの作品読むと安心します。

[tko.mさんの感想 · 2016年11月5日]

うーん、正直な所、読んでいて寂しくなってくる1冊。
ご本人はユーモアを交えて書いておられるつもりなのでしょうが、こうも死にたい死にたいと書かれますと、ねえ…お気持ちは分からないでもありませんが。

「みんな長生きしそうだから今のうちに」と事前追悼文を綴った宮脇俊三氏も亡くなられてしまいました。時の流れは本当に残酷です。

「遺言をするようなヤツに限って、なかなか死なない」と言い放つ解説に救われた気になりました。先日ちらっとNHKで見かけたときは車椅子でしたが、どうぞ長生きして頂きたいものです。

[fuji3さんの感想 · 2013年1月17日]

入院中にボーッと読むには良い塩梅のユーモア。

[月さんの感想 · 2012年10月3日]

死ぬまでに書いておきたいことって結構あるけれど、北先生は一体どういうつもりでこの本をかいたのか。ユーモアがありすぎて面白いのですが、最後まで読むと何とも言えぬ郷愁感で満たされます。先生は最後に伝えたいことを、どう表現するかちゃんと分かってらっしゃいますね。

[たりこさんの感想 · 2012年8月6日]

北杜夫さんのエッセイはいつも面白い。生前に一度読んでいたが、
亡くなった後に読み返したら胸に迫るものがありました。

[のり坊さんの感想 · 2012年7月30日]

ふ～～んっ　てな感じで面白い。何もすることが無く、毎日ぼーっとしてるときに読むのにふさわしい。還暦退職で毎日が「日曜日」の人にふさわしい本だ。若い人には読むに値しない。北杜夫さん長生きしてください。
私は150歳までは生きる予定です。天国で会えることを切に願います。

[せふぉさんの感想 · 2012年4月9日]

遺言状とは名ばかりで、言いたいことをマンボウ節で言いたい放題。早く死にたいという話から、精神病の話まで、あっちこっちに飛び回る。それでも文壇仲間の話を読んでいると、次ちょっと読んでみよっかなぁ、って思う。たとえば、埴谷雄高の「死霊」とか。

[雨兎さんの感想 · 2007年11月8日]

エッセイ。なんていうか、独特な人。っていうか、病んでる。文豪斎藤茂吉の息子にして医者であり、躁鬱病を抱える患者でもある。躁鬱病に振り回される日常が中心にあって大抵の題の内容が「早く死にたい」「僕はヘンテコなのだ」「早く死にたい」という奇人ぷり。こんなに死にたい死にたい連発してるのに中身は馬鹿げたことばっかり。奥さんの気持ちがよく分かる。儲けたお金を全部つぎ込んで株で大損して家で腰痛と歯痛に痛い痛いと喚き、かと思ったら躁状態でお前なんか家に帰れと罵られたり。「人は痛みで死にません」とか言いたくもなる。娘さんも素敵。「パパは駄馬だから安楽死もさせてもらえない」と言ったり。うお。それでも、躁鬱を繰り返してこんなエッセイ書くようなしょうもない人は長生きするな、と思った。変な人。

[BeeMonkさんの感想 · 2005年10月8日]

相変わらずの面白さ。

[仙丈さんの感想 · 2005年4月24日]

「どくとるマンボウ」こと、北杜夫のエッセイ。<BR>
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北杜夫が躁鬱病であることは有名な事實である。<BR>
どうやら１９９０年代はかなりの鬱状態にあつたやうだ。<BR>
しかし、突然１９９９年〜２０００年にかけて、躁状態がやつて來たらしい。<BR>
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この作品は２００１年３月に刊行されてゐるが、どうやら躁状態から鬱に戻るあたりで出來上がつたやうだ。<BR>
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さて、疑問がある。<BR>
それは、文體である。<BR>
北杜夫の文體ではないやうに、私には思へるのだ。<BR>
もしかすると、口述筆記したものに北が手を加へたのかもしれない。<BR>
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「（略）といふわけで、僕の遺言として、思ひ出話やら、ヘンテコな話やら、あれこれ、お話ししやうと思ひます。」<BR>
と序文には書かれてゐる。<BR>
まさに、「お話しし」たのではないか。<BR>
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内容は、北の友人たちに關する話が面白かつた。<BR>
遠藤周作、阿川弘之、三浦朱門、曾野綾子、宮脇俊三などなど。<BR>
特に遠藤周作の思ひ出話は、讀んでゐて、生前の樣子がなつかしく思ひだされた。<BR>
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願はくは、北さんに、抒情的な小説を書いていただきたい。<BR>
老いてこそ書ける物語があるだらうと思ふのだ。<BR>
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２００４年４月７日讀了

著者プロフィール

北杜夫
一九二七（昭和二）年、東京生まれ。父は歌人・斎藤茂吉。五二年、東北大学医学部卒業。神経科専攻。医学博士。六〇年、『どくとるマンボウ航海記』が大ベストセラーとなりシリーズ化。同年『夜と霧の隅で』で第四三回芥川賞受賞。その他の著書に『幽霊』『楡家の人びと』『輝ける碧き空の下で』『さびしい王様』『青年茂吉』など多数。『北杜夫全集』全一五巻がある。二〇一一（平成二三）年没。

「2023年 『どくとるマンボウ航海記 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」