芝桜 (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 189
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101132143

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず有吉さんの本は面白いな。何だか長い映画を観ていた気分。実写版が観てみたいな。

  • 2012/10

  • 蔦代が気味が悪く、正子の逆上するがよくわかる。本当に面白い。
    続編があると知り喜んでいるところ。
    早く読みたい!

  • 驕り高ぶり余裕をみせると、蔦代のような女からは隙を衝かれる。阿弥八姉さんの言うとうり格が違うし本当に賢い人はこういう人を寄せ付けないし正子を本当に守ってくれてる人が側にいたら寄り付けなかったはず。正子も天涯孤独でそして若い時に贅沢三昧を覚えた芸者は堅気にはなれない。本人がその気でも世間はそんなに甘くなく特に女は敏感に感じとるので正子も蔦代と同じ世界の人間で蔦代の方では同類にしたい。つくづく友達選びは大事なのと女同士の驕りは命取りで、海千山千の修羅場をくぐった人を甘くみてはいけない。ラストは蔦代と絶交したとなっているが、正子も堅気の人とは本当には友達になれないし第一、話しが合わない。蔦代の方は迷いがないのでその分、悟り、極めれる。そして正子も真からの堅気にはなれないと蔦代は分かっているので、よっぽど堅い人と結婚しない限り一生続く関係になるのでは、、と思うと身も蓋もないので、芝桜の花が2つという描写で前向きに情緒あるラストは良かったです。母子変容に続きすごく面白かったです。

  • 有吉さんの描く「女」はだいたい不気味で怖い。嶌代の何が怖いって善と悪が半分ずつ彼女の中に存在していて、どっちも本当の嶌代だってところだと思う。
    こんな人が友達だったらと思うとぞっとする。

  • 面白かった。蔦代という不可解な女の存在に

    まじめな女正子がいいようにふりまわされていく展開。

    上下巻あったけど、ページをめくる手が止まらなかった。

    女の友情に名前を借りて、ずうずうしく他人の領域に土足で乗り込んでくる

    ような人。実際いそうですね。

  • 上巻の最後で惚れぬいた男と別れ、その原因を作った蔦代ととうとう袂を分かつ正子。
    その後、偶然出会った馴染み客と思いがけず結婚する事となり、ずっと面倒をみてくれた旦那と別れる事となる。
    さらに、夫との短い結婚生活を経て宿屋の女将として落ち着いた矢先、またも蔦代絡みの話が持ち込まれ、二度と会わないと心に決めていた蔦代と会うはめに・・・。
    以前の置屋を買い取り、今はさらに大きな待合「九重」の経営者となっている蔦代。
    再会した最初は蟠りのあった正子だが、何となくなし崩し的に蔦代との交友が復活。
    時代が戦前、戦中、戦後と激動の時を駆け抜け、移り変わっていく最中、正子と蔦代は一時同じ屋根の下で暮らす事に。
    その間、正子は身元のはっきりしない馴染み客と深い仲になったり、色々ありながら宿屋の方は繁盛し続ける。
    蔦代の方も「九重」を再開させ、とうとう二人は別々の道を歩き始める事となる。

    ラストのシーンが素敵です。
    しみじみと余韻の残る最後でした。

    下巻では上巻よりもさらに悪どさを増した感じで蔦代が登場。
    怖い女となっています。
    正子も雛妓の頃とは違い、そんな蔦代を警戒し、好きな男が出来たことも絶対悟られまいとするのですが、蔦代には何故か全てがお見通しとなってしまう。
    そして、悪女なのにふとした時に見せるみみっちさとか人間臭さを可愛いと思ってしまい憎めない。
    真っ直ぐ生きる人間はこういう人間にはある意味かなわないんだ・・・と見ていて思います。
    一方、蔦代の方も正子を利用するだけ利用して陥れるという風でなく、根底にはやはり正子が好きで徹底的に嫌われたくないという気持ちがある。
    それが不思議な気がしますが、もしかしたら正子が蔦代にかなわないと同じように、蔦代も正子にはかなわない思いを抱いていて、それが妬みを通り越した憧れになっているのではないか?と思いました。
    だからこそ、お互い離れられない。
    こういうのを正に腐れ縁というんだろうな、と思います。

    芝桜を置屋の庭に植えた二人も下巻の最後は40代。
    そして、最後の章は「かぼちゃの花」となっているのが何とも、言いえて妙という気がしました。

  • 大正・昭和にかけて、花柳界に生きた二人の女性の物語。タイプは違えど美しい二人の全く違う生き様をしながら関わったり、距離をとったり…という好きなタイプのストーリー。

    こちらも夢中で読んでしまったのだけど、やはり有吉さんの文章の魅力は素晴らしいなと、どの作品を読んでも思ってしまう。

    花柳界という女の魅力を売り物にする世界で、それでもどこか一本気にその奔流に溺れまいとする正子と、その奔流にやすやすと身を任せ、いつしか悠々と泳ぎまわる蔦代の対比が鮮やかに描かれていて、こちらもまさにページをめくる手が止まらなかった作品です。

    蔦代、という一見悪女、ヴァンプに思える女性像が、信心深く朝参りを欠かさない、母親を大事にし、花を愛し、こまめに世話を絶やさない、そんな愛すべき部分もあるので、なんというか正体の掴めない多面体の黒水晶のようなイメージ。美しく輝く面と、深く黒く沈んだ面と。

    底知れない、得体の知れない蔦代ではありますが、要所要所に憎めないエピソードがあるので、「この人は悪女なのか天女なのか」図りかねる部分がありますね。また、無邪気なところもあるけれど、息をするようにウソをつく面もあるので、最後まで掴みどころのない女性として描かれています。

    蔦代のつかめなさ、邪気のない悪さは終盤のエピソードでも秀逸に描かれています。
    正子が気に入っていた机を自分のものだと言い張り、そんなに気に入ったのならお世話になったお礼に置いていくわ、どうか怒らないで、と邪気無く言ったり。
    12歳も年齢のサバを読んで若い復員兵と結婚の約束をしていたり、それも何人もと(笑)

    ラストに題名にもなった蔦代が植えていった芝桜を正子が眺めているシーンがあるのですが、そういえば少女時代に金魚のお墓を作ると言って死体を埋め、その上に芝桜を植えたエピソードが鮮やかに蘇って、やはり底知れない無邪気な悪、というのを感じさせてくれます。

    蔦代自身、自分をワルだとは思っていないのかも…などと思いつつ読み終わりました。なまじな悪女よりもその方がたちが悪いかも(笑)

    なんとなくなのですが、有吉さん自身、主人公の正子よりもこの悪女の蔦代を描きたかったのかもしれませんね。

  • 面白かった。いつの時代もいきいきと生きる女性は美しい。

  • 本当に有吉佐和子のとりこになってしまう。
    蔦代の正子に対する友情というか愛情というか、底知れない思いというのが忘れられない。
    最後の最後まで、どきどきわくわくだった。
    そして、最後まで蔦代の発言に胸がむかつく思いでした。

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著者プロフィール

有吉佐和子(ありよし さわこ)
1931年1月20日 - 1984年8月30日
和歌山県和歌山市出身の小説家、劇作家、演出家。娘は作家の有吉玉青。日本の歴史や古典芸能から現代の社会問題まで幅広いテーマを扱い、多くのベストセラー小説を発表している。
東京女子大学英文学科入学後に休学を経て、1952年同短期大学部英語学科卒業。1956年に『地唄』が文學界新人賞候補、そして芥川賞候補となり文壇デビューを果たす。1963年『香華』で第1回婦人公論(中央公論新社)読者賞、第10回小説新潮賞を受賞。1979年 『和宮様御留』で第20回毎日芸術賞を受賞。ほか、多くの受賞歴がある。
その他の代表作に、『複合汚染』、『紀ノ川』、『華岡青洲の妻』、『恍惚の人』、『出雲の阿国』、『和宮様御留』など。

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