危険な話 新版: チェルノブイリと日本の運命 (新潮文庫 ひ 9-1)

著者 :
  • 新潮社
3.67
  • (4)
  • (5)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 80
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101132310

作品紹介・あらすじ

1986年4月、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で重大な事故が発生した。その結果、放出された大量のは世界的規模で深刻な環境汚染を引き起こしつつある。今後その影響はどのように現われていくのか?日本の原発に事故の危険性はないのか?原発の建設を推進する原子力産業の正体とはそもそも何なのか?旧版刊行の後明らかになった事実を基に大幅に加筆した新版。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 古本屋で200円で購入したのでカンボジア旅行のお共に…。
    何でコレなんだろうな(笑)。

    中身はね。
    20年ぐらい前に書かれているハナシなのに、面白いくらい今回の震災原発事故を予言して的中させている。
    こういった注意喚起に目をつぶってきたから、著者の言葉を借りれば
    「起こるべくして起こった」
    んでしょうね。。。

    政治とマスメディア、そして企業との密接なつながり。
    そして犠牲になるのはいつも、あやつられて“生かされている”国民なんだなー。日本は平和な民主国家だと思ったら大間違い。

  • 必要あって再読である。この本が出てから20年以上も経つのだが、今読んで
    も最悪のシナリオであるのに変わりはない。

    福島第一原発の事故が起きるまでは世界最悪の原発事故であった
    チェルノブイリ事故を多くのデータを駆使し原子力発電の危険性に
    警鐘を鳴らしている。

    事故後の放射能の拡散の様子、その後の食品汚染の広がり、そもそも原子力
    発電所がどのような仕組みになっているのか。専門用語を極力排除して語られ
    ているので分かり易い。

    若い頃に読んだ時にはとてつもない恐怖に襲われたのだが、今回は少々
    冷静に読んでみた。この著者の『原子炉時限爆弾』を読んだ時にも感じた
    のだが、明らかに恐怖を煽る感情的な文言は如何なものか。

    それと、扇情的な新聞の見出しをコラージュするのもいかんだろう。原子力に
    ついて多くの知識を持つ人だけに、そこが残念だ。

    もう少し冷静な文章で読みたいものだが、この人には無理だろうなぁ。勿体ない。

  • 大学の教授が広瀬隆の本を勧めていたので赤い楯から入った。そして今回の原発事故で名前を耳にしたので再び広瀬隆の本を読んだ。25年も前から予測していたなんて感心する。相変わらずTVは本当のことを言わないし(言えない)、広瀬隆みたいな人がどんどん出てくるべき。

  • 25年ほど前に出たものの再読。動機は当然ながら今回の地震に誘発された福島原発の事故である。著者の論は非科学的であるという評価が一部からなされているようだ。私自身にそれを,それこそ科学的に判断するだけの力はない。
    しかし,この本の中で,福島原発については,地震→津波→原発の大事故,というシナリオはすでに描かれており,それが現実に起こっただけ,ということはできる。この本を読んでいれば,「想定外」ということにはならない。私自身も起こりうることが起こった,というとらえ方をしている。
    ただ,被害の広がりについては,著者の指摘通りにはなっていない(と思う)。報道されることがらに嘘があればまた別だが,致命傷となるレベルの放射能はまだ大きな広がりは見せていない。この点はどうとらえたらよいか。
    事故そのものとともに,原発をめぐる政治の動き,政治家・官僚・地方自治体・マスコミといったプレイヤーがどのようにかかわってきたのか,何を目的に。利権がからんでいることはほぼ想像できる。最近,遅ればせながら週刊誌もそのような記事を流し始めている。今更なんだ,という感じではあるが。『眠れない話』などで,このあたりをもう少し追求してみたい。

  • 高校生の頃だから、今から23年ぐらい前に初めて読み衝撃を受けた本です。
    とうとう現実になってしまいました。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

京都府生まれ。1986年、京都府立大学文学部卒業。
1991年、大阪市立大学大学院臨床心理学分野後期博士課程(単位取得退学)。2006年、ISAP (International School of Analytical Psychology), Zurich修了、ユング派分析家。
現在、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授、北大阪こころのスペース代表、臨床心理士、公認心理師。

共著書に『キーワードコレクション カウンセリング心理学』、『現代社会と臨床心理学』、『心理療法ハンドブック』、『心理臨床大事典』ほか。共訳書に『ユングの世界』。

「2021年 『セラピーと心の変化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

広瀬隆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×