- Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101132310
作品紹介・あらすじ
1986年4月、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で重大な事故が発生した。その結果、放出された大量のは世界的規模で深刻な環境汚染を引き起こしつつある。今後その影響はどのように現われていくのか?日本の原発に事故の危険性はないのか?原発の建設を推進する原子力産業の正体とはそもそも何なのか?旧版刊行の後明らかになった事実を基に大幅に加筆した新版。
感想・レビュー・書評
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必要あって再読である。この本が出てから20年以上も経つのだが、今読んで
も最悪のシナリオであるのに変わりはない。
福島第一原発の事故が起きるまでは世界最悪の原発事故であった
チェルノブイリ事故を多くのデータを駆使し原子力発電の危険性に
警鐘を鳴らしている。
事故後の放射能の拡散の様子、その後の食品汚染の広がり、そもそも原子力
発電所がどのような仕組みになっているのか。専門用語を極力排除して語られ
ているので分かり易い。
若い頃に読んだ時にはとてつもない恐怖に襲われたのだが、今回は少々
冷静に読んでみた。この著者の『原子炉時限爆弾』を読んだ時にも感じた
のだが、明らかに恐怖を煽る感情的な文言は如何なものか。
それと、扇情的な新聞の見出しをコラージュするのもいかんだろう。原子力に
ついて多くの知識を持つ人だけに、そこが残念だ。
もう少し冷静な文章で読みたいものだが、この人には無理だろうなぁ。勿体ない。 -
大学の教授が広瀬隆の本を勧めていたので赤い楯から入った。そして今回の原発事故で名前を耳にしたので再び広瀬隆の本を読んだ。25年も前から予測していたなんて感心する。相変わらずTVは本当のことを言わないし(言えない)、広瀬隆みたいな人がどんどん出てくるべき。
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25年ほど前に出たものの再読。動機は当然ながら今回の地震に誘発された福島原発の事故である。著者の論は非科学的であるという評価が一部からなされているようだ。私自身にそれを,それこそ科学的に判断するだけの力はない。
しかし,この本の中で,福島原発については,地震→津波→原発の大事故,というシナリオはすでに描かれており,それが現実に起こっただけ,ということはできる。この本を読んでいれば,「想定外」ということにはならない。私自身も起こりうることが起こった,というとらえ方をしている。
ただ,被害の広がりについては,著者の指摘通りにはなっていない(と思う)。報道されることがらに嘘があればまた別だが,致命傷となるレベルの放射能はまだ大きな広がりは見せていない。この点はどうとらえたらよいか。
事故そのものとともに,原発をめぐる政治の動き,政治家・官僚・地方自治体・マスコミといったプレイヤーがどのようにかかわってきたのか,何を目的に。利権がからんでいることはほぼ想像できる。最近,遅ればせながら週刊誌もそのような記事を流し始めている。今更なんだ,という感じではあるが。『眠れない話』などで,このあたりをもう少し追求してみたい。 -
高校生の頃だから、今から23年ぐらい前に初めて読み衝撃を受けた本です。
とうとう現実になってしまいました。