冷えた月 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2009年9月29日発売)
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感想 : 10
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  • 本 ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101132563

感想・レビュー・書評

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  • 女性の成長に目を引かれた。みんなどうやって、父になり、母になるんだろうか。子どもから大人へとカテゴライズは変わってもわたしはあまり何も変わっていない。とはいえ、本当に子どもだった頃の気持ちには靄がかかっている。宙ぶらりん。

  • 登場人物の誰もが好きになれなかった。

  • どうして靖季は理津子のところに通いつめたの?

    なぜ靖季は冷めてしまったの?

    ラスト積丹の海では、なにが起こったの?

    さっぱり分からない。
    誰か教えてください。

  • 北海道の大地で自然塾Burnsを営む靖季。子供だけでなくその親たちも集めて海や山へと出かけるツアーを主催し、注目を集めていた。その靖季の圧倒的な魅力に惹かれやがて結婚した百合香だったが、一人娘の葵との3人の幸せな暮らしに、思わぬ暗雲が立ち込める…。
    靖季も百合香も、理津子も、登場人物すべてが気に食わない。今風に言えば“イラっとくる”感じだ。葵が3歳と自分の娘と同じであるせいか、特に靖季と百合香の夫婦には腹が立ったくらいだ。夫婦の再生の物語であると同時に、百合香の成長物語でもあると思う(こういう風に“○○物語”と括るのは好きではないのだが、あえて言うと)のだが、それにしても、だ。
    しかも終盤、百合香が諦観とともに穏やかさをもって周りが見えるようになったのが急過ぎるような気がする。きっかけがいまいち分からなかった。

  • うーん。
    不倫モノは、やっぱり苦手でした。
    何だかやり切れなくなる!!

    だけど何故かこの人の本に手を伸ばしてしまうんだよなぁ。。

  • 「静寂の子」を改題、全面改稿。

    北海道の自然を舞台に、ある事件をきっかけにすれ違い、遠く遠く気持ちが離れていく一組の夫婦。そして夫が心を寄せていく未亡人と、妻が寂しさを埋めるために縋る昔の恋人。そして、二人の娘。

    気持ちが離れていく夫を追いかける妻も、自分の気持ちを理解しない妻を遠ざけつつ、別の女性に傾いて行く夫もどちらも、自分を正当化することしかできずに弱さを露呈する。好きになれないその弱さが人間らしく、谷村作品らしいと思う。

    改稿前作では感じなかった妻視点での怒りと、昔の男に縋る切なさとわずかな優越感。結果的に再生に向かおうとする家族の心情は理解できるような、したくないような複雑な気持ちを残すけれど、それもまたこの作品の魅力の一つとなっている。

  • ◆あらすじ◆
    仁村靖季と百合香は、札幌で自然塾を営んでいた。
    ある日、塾に参加していた男性が海で亡くなった。
    自責の念にとらわれた靖季は、未亡人のもとへ通いつめる。
    彼の行動に苦しむ百合香は、昔の男に抱かれることで生を確かめようとする。
    まだ幼い娘・葵は、両親の間で揺れ動く。
    漂流する家族は何処へ辿りつくのか。
    長編『静寂の子』を全面改稿し、改題。
    恋愛小説家・谷村志穂の到達点。

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著者プロフィール

1962年北海道生まれ。北海道大学農学部卒。’90年『結婚しないかもしれない症候群』で鮮烈なデビュー後、’91年に処女小説『アクアリウムの鯨』を刊行する。自然、旅、性などの題材をモチーフに数々の長編・短編小説を執筆。紀行、エッセイ、訳書なども手掛ける。2003年『海猫』で第十回島清恋愛文学賞を受賞。

「2021年 『半逆光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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