雪になる (新潮文庫)

  • 新潮社 (2010年12月24日発売)
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本棚登録 : 80
感想 : 12
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101132570

感想・レビュー・書評

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  • 寒い街が背景になってる6つの恋愛模様。
    久々の谷村作品だったが、この人の書く文体は好き。でもどれも相変わらずのネットリ感が重くのし掛かる。
    幸せじゃない女性を描くのが本当に上手いと思う。寒い地方の描写も、都心育ちの私の脳裏に思い浮かぶほど繊細でいて力強い。
    決して読後感は良くないが、ちょこっと読むにはいいかな。

  • この人の(近年の)作品は全部好き。本作、タイトル通り、全編雪の匂いがする。けして明るくない、その中で、何とかして明るさを見つけようと目を凝らす。その感じ、北国の人じゃないと、分かんないんじゃないかなあ(o^^o)

  • じわじわと心に染み渡る短編集。多くを語らない文章ながら、風景などの描写が繊細で、一層切ない気持ちにさせてくれる。

  • 6編からなる短編集。
    堺の嫁ぎ先から追い出され漂流した末に小樽に住み着いた加代。雪に埋れるようにひっそりと暮らそうとしていた加代の前に現れたのは…。(表題作「雪になる」)
    収録作品の共通点をあえて探すなら、よくも悪くも何かに身を任せて生きる、そんな登場人物たちの静かに漂うような姿だろうか。
    特にやるせなかったのは「かさかさと切手」だ。
    漁師町に生まれ、容姿へのコンプレックスから自ら海の仕事に埋もれようとする昌枝。内へ内へとこもっていく心が周囲の更なる誤解を生んで、孤独を深めていくさまが、冷静に描かれていてひたすら暗くなってしまった。

  • 色んな形の恋愛が詰まった短編集。

    設定がとても過激だったり、反道徳的だったりするのだけど、
    語り手の視点が純粋で、素朴で、素直で…
    相手との距離も近いようで遠かったり、
    どこか他人事のようだったり、不思議な空気でした。

  • 雪国を舞台にした愛増だけでない淡い感情が漂う短編集。
    上等な玩具が一番好きです。

  • 山本図書
    すらすらー

  • 110202

  • 北国の冬の冷たさ、寒さが蘇りました。

  • 11/01/06読了 雪が出てくる短編集。しんしんと、って表現が合うような静かな感じの小説ばかり。

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著者プロフィール

1962年北海道生まれ。北海道大学農学部卒。’90年『結婚しないかもしれない症候群』で鮮烈なデビュー後、’91年に処女小説『アクアリウムの鯨』を刊行する。自然、旅、性などの題材をモチーフに数々の長編・短編小説を執筆。紀行、エッセイ、訳書なども手掛ける。2003年『海猫』で第十回島清恋愛文学賞を受賞。

「2021年 『半逆光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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