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本 ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784101133010
感想・レビュー・書評
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1958年の直木賞を受賞した表題作を含む作品集。経済小説の先駆者とされる白山三郎。かなり前の作品だが、リアリティは失われていない。
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この本にはいくつかの作品が収められているが、「総会屋錦城」だけを読んだ。
城山三郎の作品は数点読んでいるが、ブクログの本棚にかぎると2冊目になる。
この作品が書かれたのは昭和33年なので、相当古い。
著者が昭和2年生まれなので、30歳そこそこで書かれたということになる。
そして、この作品は、第40回直木賞を受賞している。
直木賞というのも、昭和33年で40回というのだから、けっこう歴史があるものだな。 -
当時の時代を反映した社会小説
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高度経済成長期の、総会屋、商社の海外駐在員、会社員などの姿が描かれる。駆け引き、謀略、夢、希望、挫折、悲哀、暗躍、正義、勝利、敗北…ありとあらゆる人生模様がそこにある。
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最近読んだ本で、「総会屋」とキーワードがよく出てくるので、総会屋とは何ぞやということで小説をば。
少し前の日本には、やはり根回しってことが重要なんですね…コンプライアンスが最近は叫ばれていますが、根回しが表沙汰になるか裏で隠れたままか、日本には特有な組織という印象です。
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戦中、戦後直後の日本企業の社会小説7編。
総会屋、貿易業、サルベージ会社、描かれる資本主義の実態、経済機構のからくり、組織と人間。
昨今のコンプライアンス云々のブラック企業とは比べ物にならない。命の重さは紙よりも軽い。
心に戦争の被害を残す戦中派世代の特異な精神構造がありありと感じられる。
当時の息吹を感じられる一冊でした。
昭和2年生まれの著者、城山三郎氏は海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。
氏の筆力があってもちろんのことだが、経験を伴っての描写を滲み出るものがあるな。 -
著者は日本の経済小説の開拓者
戦争直後の方なので小説の内容も戦後
各登場人物たちも戦争の傷跡を抱えている
総会屋、新聞社の飛行士、相続問題を抱える2代目社長、製造業の社長などの短編小説
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総会屋というものを知ることが出来た。よく聞くが、想像していたものとはだいぶ違った。
いつも思うけど短編はもの足りたいなぁ。 -
城山三郎は”男子の本懐”のような重厚な歴史小説も書けば、本書のような大衆の生活を描く社会小説もありとてもバラエティに富んでいる。事故専務などはこんな職業もあるのかと考えてしまう人生の悲哀さを物語っている。昭和末期の高度経済成長期の日本の様子もよく分かった。自主規制、MADE IN Japan、負けるとは一発屋に成り下がること、不意な死、死への恐怖がとりわけよく書かれていると感じた。
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7編からなる短編小説で題目の作品が直木賞受賞作という事で読んでみた。
昭和20年から30年頃が時代背景の作品群だと思う。
その時代に必死に生きている人々が描かれている。
今の時代に生きている自分としては頭ではそんな時代になんだと理解は出来るが、感覚としては違和感を感じる所もあった。
主人公の側からの視点で話が進んでいくが、相手の立場になって考えてみたり、別の視点で見てみると何方が正しいのか判断が出来ない点もある。
混沌とした時代だったんだとも思う。
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