総会屋錦城 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 388
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133010

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞の表題作は、株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた『事故専務』をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は日本の経済小説の開拓者
    戦争直後の方なので小説の内容も戦後
    各登場人物たちも戦争の傷跡を抱えている

    総会屋、新聞社の飛行士、相続問題を抱える2代目社長、製造業の社長などの短編小説

  • 城山三郎は”男子の本懐”のような重厚な歴史小説も書けば、本書のような大衆の生活を描く社会小説もありとてもバラエティに富んでいる。事故専務などはこんな職業もあるのかと考えてしまう人生の悲哀さを物語っている。昭和末期の高度経済成長期の日本の様子もよく分かった。自主規制、MADE IN Japan、負けるとは一発屋に成り下がること、不意な死、死への恐怖がとりわけよく書かれていると感じた。

  • 総会屋というものを知ることが出来た。よく聞くが、想像していたものとはだいぶ違った。
    いつも思うけど短編はもの足りたいなぁ。

  • 7編からなる短編小説で題目の作品が直木賞受賞作という事で読んでみた。
    昭和20年から30年頃が時代背景の作品群だと思う。
    その時代に必死に生きている人々が描かれている。
    今の時代に生きている自分としては頭ではそんな時代になんだと理解は出来るが、感覚としては違和感を感じる所もあった。
    主人公の側からの視点で話が進んでいくが、相手の立場になって考えてみたり、別の視点で見てみると何方が正しいのか判断が出来ない点もある。
    混沌とした時代だったんだとも思う。

  • 終戦から10年程たった時点での作品集。この作品の後、世界からエコノミックアニマルと揶揄される日本の起点が垣間見れた。経済に重きを置いたのは政治であるが、社会の中には戦争に向かった政治と同じ精神がこの時代にはまだ残っていたことが分かる。ただ、現代よりも自由に大きなことも出来たのかな?

  • 経済小説の第一人者である城山三郎氏の短編集。直木賞受賞作『総会屋錦城』を収録。

    高度経済成長期前夜の混沌、纏わりつく人々の熱気、時流に乗れない者の悲哀、いまとなっては懐古的であるものの泥臭い昭和のビジネスマンの姿がここにある。

    最も私が好きな作品は『輸出』だ。売上至上主義の本社側と、現地と本社に挟まれた駐在所職員の悲劇と、思惑渦巻く人々の儚くも滑稽なドラマが印象的であった。

  • 7つの小品。時代背景が、今とは大幅に異なるので、隔世感を持ったまま、同一化は出来ない。働く一人一人にそれぞれの生活、人生がある中で、会社という組織には企業経営がある。それは必ずしも、各人の個別理由を考慮にいれてはくれる訳ではない。葛藤と不条理が淡々と綴られてゆく。

  • この本にはいくつかの作品が収められているが、「総会屋錦城」だけを読んだ。

    城山三郎の作品は数点読んでいるが、ブクログの本棚にかぎると2冊目になる。
    この作品が書かれたのは昭和33年なので、相当古い。
    著者が昭和2年生まれなので、30歳そこそこで書かれたということになる。
    そして、この作品は、第40回直木賞を受賞している。
    直木賞というのも、昭和33年で40回というのだから、けっこう歴史があるものだな。

  • 戦後間も無くの混乱期に人々がどのように生きたかの雰囲気がつかめる。
    今では考えられないような、その時代特有の葛藤もあれば、現代にも通じる普遍的なものもある。

  • 短編小説7編。どれも主人公や状況に感情移入でき、スラスラ読める。オススメは「総会屋錦城」と「メイド・イン・ジャパン」。当時の株主総会や日本vs米国の輸出入状況が体験できる。経済小説の先駆けとして一度読んでいただきたい。

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著者プロフィール

城山三郎(しろやま さぶろう)
1927年8月18日 - 2007年3月22日
愛知県名古屋市中区生まれ。大日本帝国海軍に志願して入隊し、特攻隊の部隊に配属されたが、訓練中に終戦となった。東京産業大学(一橋大学の前身)を卒業後に1963年までは大学講師を務めながら作家活動を続けていた。経済小説を一ジャンルに格上げした先駆者のひとり。伝記小説、歴史小説も多い。
1957年に『輸出』で第4回文學界新人賞、1959年『総会屋錦城』で第40回直木賞、同年『落日燃ゆ』で吉川英治文学賞と毎日出版文化賞、1996年『もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界』で第44回菊池寛賞をそれぞれ受賞。2002年に朝日賞を授与される。
代表作としては上記作品に加え、二度テレビドラマ化された『官僚たちの夏』、妻との想い出を描いた遺稿のエッセイ『そうか、もう君はいないのか』、よくタイトルが人物評としても用いられる、『粗にして野だが卑ではない』が挙げられる。

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