役員室午後三時 (新潮文庫 し-7-2 新潮文庫)

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  • 新潮社 (1975年2月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101133027

みんなの感想まとめ

社長と役員の間で繰り広げられる権力争いを描いた物語は、驚くほどの裏工作や策略が展開され、サラリーマンの厳しい現実をリアルに反映しています。特に、ワンマン社長が次第に追い詰められていく様子は圧巻で、キャ...

感想・レビュー・書評

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  • 2019年6月9日、読み始め。

  • 面白い!!

    「官僚たちの夏」でも感じたことですが、登場人物の躍動感、リアリティを描くのが抜群に上手いです。
    単純な善悪二元論、勧善懲悪的世界観ではなく、「それぞれの正義」がぶつかり合い、ハレーションを起こすことで物語がいきいきと進んでいきます。

    とても読み応えがあり、経済小説の傑作だと思います。

    余談ですが、読んでいてひょっとしたらこの矢吹は、沈まぬ太陽の国見と同じモデルでは?と思い、調べてみたらやっぱりそうでした。違う物語がこういう形でつながるのも面白いですね。

  • 2016/2/10
    ある大手紡績企業の、独裁社長とキレ者若手社員を中心とした、社長・役員の座をめぐるどろどろした戦いの物語。
    これほどまでに裏で手を回すものなのかと驚いた。

    「サラリーマンの勝負時は、上役から質問された時、いつでも明確な答えが出せるよう常日頃勉強しておくこと」

  • 完全なる追い落とし・・・

    ワンマン社長が転落するまでを描いているが、
    よりによって、という相手にしてやられる。

    それにしても、ワンマン社長のキャラクターが、
    頁を繰るにつれて、狭窄的になってゆくのは見事。

  • 製造業に関係する仕事をした時期があり、気になって読んでみた。城山氏の経済小説は登場人物の心情の描写が非常に細やかでありつつもダイナミックであり、華王紡の会議室に入り込んだかのような錯覚に陥る読了感が醍醐味だと思う。
    読んだ感想としては、矢吹氏の正論は理解しつつも温情派の藤堂氏も応援したくなる、在るべき経営とは何かを考えさせられる。運命共同体論は立派だが、経営のイノベーションが求められる現代においては弊害になる理論のような気もして、藤堂氏のようなリーダーシップによる大胆な決断力も必要になるのでは。

  • 例えが適切ではないかもしれないが、スターリンを彷彿とさせる恐怖政治により地位を築いた藤堂と、運命共同体論をかざし現代的で合理的な経営者である矢吹。時代の流れによって理想的な経営者像も変化すると思うが、何かそれを感じさせるようなストーリーラインであった。最終的な敗者である藤堂自身も非常に個性的で魅力的な人柄として描かれており、痛快な逆転劇による爽快感というよりは、微かな同情が読後感として残る。

  • 経営に近い立場に自分にとって反面教師となり示唆に富んだ一冊。常に広義のステークホルダー(従業員、サプライヤー、ライバル企業、、、なども含む)とWinWinの関係を築き上げる事こそが経営に求められている事かと。一人勝ちの経営ではいずれ破綻をきたすという象徴的な事例ですね。

  • ビジネスマンなら必ず直面するテーマ「会社は誰のモノなのか?」
    1960年代の鐘紡(カネボウ)が題材とのこと。藤堂と矢吹という2タイプの経営者を描いているが、どちらが主役、善玉ということではなく、その対照から考えてみたい。
    作中では、矢吹の運命共同体論が藤堂を退けることになったが、カネボウがその後、粉飾決算の泥沼に手を染めていくことを考えるときに、運命共同体が理想的な企業経営であると無邪気に考えるわけにはいかないだろう。
    ではやはり企業は株主のものか?
    マイクロソフトやGAFAのような巨大プラットフォーマーに経済が寡占化され、オーナーの資産が膨れ上がり、租税回避や離婚騒ぎを見るときに、企業は株主のモノであると無邪気に主張できる人はどのくらいいるのだろうか。
    「企業は誰のモノなのか?」資本主義で生きるうえで永遠のテーマである。

  • 藤堂の考え方がとても興味深かった。

  • 先輩から勧められて読んだ。孤高のワンマン経営を目指す藤堂と、多くの協力者と運命共同体経営を目指す矢吹。確かに藤堂は経営者として優秀だが、変革を迫られる事態に弱く感じた。急速な変化が起きうる状況では、個の能力ではいくら高くとも対応できない。多くの優秀な専門性をうまくまとめ上げる力が必要であることがよく分かった。

  • 大社長として。主役として。その拘りが己自身を崩壊させる。ちょっと可哀想な部分もあるかなあ。倍返しとは似て非なるもの⁈
    今の時代において、運命共同体とは⁇といぅ難題について考えてみても面白いかも…

  • カネボウが紡績会社からの多角化を進める段階での社長交代劇。

  • 大企業の社長の苦悩、孤独、焦慮、葛藤。
    そして、王者の風格、余裕。
    派閥抗争。
    若手の追い上げ。
    目まぐるしくかわる形勢。
    スリリングかつ、アグレッシブ。
    本格的経済小説。

  • 経済小説の開拓者、城山三郎。
    初めて一冊手にとって読んてみたんだが、
    非常に刺激的で面白かった。
    家族経営を標榜し、
    実際に功績を残し、名経営者だった社長が、
    晩年、独裁的なワンマン経営に走り、
    落ちぶれていく模様と、
    その社長の優秀な腹心でありながら、
    最終的には社長を追い落とし、
    自らが社長になる男の物語。
    この社長を追い落とす中堅社員の仕事っぷりがすごい。仕事のため、ホテル暮らしをする社長に仕えるため、わざわざ同じホテルに暮らし、
    昼夜問わず呼ばれたらすぐに駆けつける体制をとる。土日の休みもなく仕事に捧げるその姿は、
    一世代前では、サラリーマンの鏡だったんだろう。
    今でもこんな人たちいるんだろうか。
    決して真似したくはない
    会社内のドロドロした政治の世界は今も昔も一緒なんだろう。
    サラリーマン稼業を長年やってるとようやく見えてくる世界だけど、
    こういう本があるとリアリティをもって想像できてしまう。
    個人的にはもっと若いときに読んでおくと人生いろいろ考えたかもな。
    毒されると言った方がよいかもだが。
    社長を追い落とす腹心社員は、良いことも言っている。

    サラリ ーマンの勝負どきは 、上役から質問を出されたとき 、いつでも明確な答えが出せるよう 、常日頃 、勉強しておくこと 。その上で 、 「おまえ 、やれ 」といわれたら 、捨て身になってやり抜くことだと思う 。

    確かにこれは出世の近道なのは間違いない。

    後で知ったんだが、
    ストーリーは今は亡きとなった、
    カネボウをモデルにしたストーリーらしい。
    この会社も数十年後には、時代の流れにより、
    粉飾会計とともに整理解散することになるのは感慨深い。

  • 城山作品にはずれなし。
    とりあえずワンマンはだめ。

    「変革するため変革!」

  • 経済小説。
    社会人になってようやく面白さがわかるように。。
    一生関係ない世界だろうし、関係したいとも思わない世界だけど、面白い。

  • もう少し静かな物語かと思っていたが、展開が多いところが面白い。ザ・日本企業、ザ・日本のサラリーマン根性と言った感じだ。

  • カネボウのどたばた状況がコンパクトにまとまっていてる。

  • 終盤に展開のスピードが速くなり面白かったが、全体的に動きが遅い。他の著書と比べると経済小説としてその背景が乏しく、物足りなさを感じた。

  • 戦後の紡績会社を舞台に、帝王学な経営思想を持つワンマン社長と、会社を運命共同体とみなす次代を担うタイプの部下が織りなす人間の非常な戦いを描いた作品。

    時代に応じて求められる経営者は変化する事を巧みに表現している。今の時代に必要な経営者が社長をしている会社は、日本にいくつあるのだろうか。。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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