ある倒産 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (1976年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (332ページ) / ISBN・EAN: 9784101133058

みんなの感想まとめ

人々が人権の薄い世界で生きる姿を描いた短編集は、1960年代の社会を背景に、派閥や学閥、会社への忠誠、そして人間関係の複雑さを浮き彫りにします。登場人物たちは、上司からの圧力や取引先との駆け引き、出世...

感想・レビュー・書評

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  • 「鉄砲屋理八」「絶叫の街」「魔の同伴」「調子はずれ」「楽天地へ」
    「社長の死」「呼出状」「ある倒産」を収録。

    1960年代に出版された短編集が元。
    今では古い古い世界になってしまったので
    人々が人権の薄い世界で生きている…。
    派閥、学閥、会社への忠誠、取引先との騙し合い、
    上司からの性被害、逃げられない社宅での人間関係、
    出世を巡る泥くさい争い、現地妻、零細企業へのあからさまな侮蔑。
    障碍者に対する憐れみ、そして彼らを隠しておけばいいのにという傲慢な態度。
    今も残っているにはいることはいるのだけれど
    (もっとスマートに目立たなくなって存在している)
    嫌なしがらみや悪意が色濃いままに展開される。
    もがき苦しみながらも、会社や酷薄な社会の中でどう生きるか。
    いわゆる「上手くやっている奴」への手厳しい目線があるから
    非道な世界を描きながらも読後感は悪くない。
    「調子はずれ」の彼のように、
    凝り固まった空気の中に波紋を一つ落とせる人が
    後世から見ても一目置かれる存在になるのかな。

  • 短編ということもあり、かなり読みやすかった。
    「経済小説」と括られているが、読んでいく内にサスペンスを読んでいるような感覚になった。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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