官僚たちの夏 (新潮文庫 し-7-11 新潮文庫)

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  • 新潮社 (1980年11月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101133119

みんなの感想まとめ

官僚的な人間関係を描いたこの作品は、昭和30年代の通産省を舞台に、主人公の風越が織り成す物語を通じて、当時の働き方や価値観を浮き彫りにします。読者は、主人公の豪放磊落な態度や、組織内での保身を考える人...

感想・レビュー・書評

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  • よく調べられてます。今の時代に読んでも何となく合ってしまいます。

  • この作品は、通産省の人事を巡る人間関係を描いています。主人公の風越は官僚的であり、ある面では、非官僚的です。誰に対しても歯に衣着せぬ物言いは魅力的だ。「男なら」を好み、人に頭を下げるのが嫌いだ。保身を考える組織人には羨望だろうと思う。

    • seiyan36さん
      おはようございます。
      この作品、高度成長期を舞台にした作品のようですね。
      官僚に限らず、日本全体が熱かったと思われる時期が、懐かしく思い...
      おはようございます。
      この作品、高度成長期を舞台にした作品のようですね。
      官僚に限らず、日本全体が熱かったと思われる時期が、懐かしく思い出されました。


      2022/05/24
    • 2022/05/24
    • ダイちゃんさん
      (コメントが入りませんでした。続きです。)
      おはようございます。熱い志を持って読書していた頃が懐かしいです。
      (コメントが入りませんでした。続きです。)
      おはようございます。熱い志を持って読書していた頃が懐かしいです。
      2022/05/24
  • 何回目かの再読。
    初読は大学で。役人に興味があった。
    2回目は若手社会人の頃。
    3回目、ガンで余命宣告を受けた親父がなぜか読んでいたのを見て。勤め人としてのあれこれを思い出していたのか。
    そして今回。当たり前だが、読後感は毎回大きく異なる。

    昭和30年代のあらゆる意味でありえない働き方、理不尽。
    定時退社しただけでやる気不足扱い。男女差別を差別とも思わない。いや、むしろ通産省は他の役所より積極的に女性キャリアをとるんだ、と。そしてその新人に「お人形さん」とあだ名をつけることが「ユーモア」だった時代。
    いっそすがすがしいまでに、「国家のため」と「省のため」を混同した政策論議。はあ。
    主人公の「豪放磊落」気取りの態度も、今日的に見るとまったく共感できない。

    一方で、ここで戦わされる企業再編の必要性を巡る議論が今でも相当程度有効なことにも驚かされる。
    特許行政の遅れとかも含め、今日の「経済的安全保障」論のプロトタイプとも言うべき論点はすでにその萌芽があったと。

    そして、中身が今から見れば時代錯誤だとしても、「これはやるべき」と納得できた仕事に滅私奉公している姿には、いくらワークライフバランスがあたりまえの今日でもやはり胸が熱くなるものだ。そして、人事というものの巡り合わせの不思議さにも時代を超えたリアリティを感じる。

    というわけで、かなりいろいろな意味で今の時代には馴染まないストーリー。それでも時代の記録として、そしてある意味普遍的な「働きバチの誇り系小説」として、その価値は全く損なわれていないと感じた。

  • いわゆる「国士型」通産官僚を描いた小説。作者は官僚出身というわけではなさそうだが、それにしてはずいぶんとリアリティがある(まだ学生の身分である自分には、描写として正確なのかは分からないが)。主人公の、人事への執着が面白い。
    紋切り型ではない終わり方も好印象。
    これを読んで経産省を目指す学生は多いだろう。

  • 2009年ドラマにもなった城山三郎の著作。
    戦後の日本経済の趨勢を通産省の官僚たちの姿を通して見ることができる。

  • 人口が減り経済停滞が続く日本はこのまま没落するのではないかという悲観論が溢れている。そして現代は未だかつてない激動の時代だということもよく聞かれる。しかし、歴史をみると、それらの主張がホントなのかと疑問に思う。

    官僚たちの夏は60年代の「激動」の時代を描く。奇跡的な復興を遂げ高度成長期にある日本は経済の開放か保護かという難題に直面している。この本ではその際の通産省の官僚たちの財界や政治との、そして省内での闘いが描かれる。

    成長期にも成熟期にも衰退期にも課題はある。そしてそれはモグラ叩きのように次から次へと出てくる。きっといつの時代も今が激動だと思っている。そして、政治主導が官僚主導か、解放か保護かはいつの世でも争点だ。今の若者は働かなくなった、勉強しなくなったというのも年長者の常の嘆きだ。変化を嫌う財界は当時は生産調整を忌避し今は労働力不足を忌避するのだろう。今も昔も基本的な構造は何も変わらない。きっと社会なんてそんなものだ。それを気づけるのが歴史を学ぶ意味だと思う。

    いつの世にも派閥があり、優秀な人材が尽きることはない。いや、優秀かどうかはその時の主流派が決めることで、時代が変われば尺度が変わるだけなのだろう。政官財が近すぎて互いの独立が薄れているようにも思うが、この本を読んで水面下には気骨ある人材が隠れているのだと信じたくなった。

  • 霞が関に少しでも興味がある人にはおすすめ。

  • これを読んだのは、随分前のことだ。
    官僚にもすごい奴がいる
    と ひどく感激したものだった。

    『自由化したらアメリカに負けてしまう という 強迫観念と
    通産省のチカラで 民間産業を育てる という強い意志がある』
    国の未来を考え、国を動かす通産官僚。すごいぞ。熱いぞ。
    という物語である。
    日本の敗戦後の経済成長のなかで
    通産省が どんな役割をしたのか?
    国内産業の保護というのは 
    戦後の一時期は 必要だったかもしれない。

    国内産業保護派
    『赤ん坊を寒風にあてたら、強くなるどころか風邪をひく、
    命にかかわることもある』
    国際貿易推進派
    『日本経済はもはや赤ん坊ではない。
    過保護にすると、子供はいつまでもひ弱なままだ』

    風越のモデルは「佐橋滋」
    通産省大臣官房秘書課長→重工業局次長→重工業局長→企業局長→
    特許庁長官→事務次官
    風越信吾 は 「ミスター通産省」といわれるオトコ。
    そういわれても・・・当然という顔をしているほど
    心臓の強いというか、心臓がないオトコだった。
    『あいつは サムライだ』というのが ほめ言葉らしい。

    それぞれモデルがあった。

    この経歴を見ていると 天下り は当たり前なんですね。
    そういう意味で 佐橋の 身の処し方が 清いかもしれない。

    問題は 個人的な人間評価 をポイントにするのではなく
    風越信吾 が 何をしようとしたのか?
    という 通産省の官僚としての 行動評価が いるような気がする。
    日本の進路 を 個人の枠にはめて考えるのは
    いい手法とはいえない。
    もっと 客観的な目がいる。
    城山三郎の 風越信吾に対する高い評価が そのまま
    再現されるのは どうなのだろうか? 

  • 「官僚」というと、『縦割り行政』とか『天下り』などといった
    マイナスイメージしか浮かばない昨今ではあります。

    日本の今と将来のことなんか、まったく考えてないでしょ。
    一般的国民の生活のことなんかわかってないでしょ。
    と、思っちゃうようなニュースばかりが流れてきます。

    でももしかしたらそれはほんの一部のことで、
    ニュースとして扱われないところで、
    本当は私たち一般国民のためになることをやってくれているのかもしれない。

    と、思い直させてくれたのでした。
    (というか、そうであってほしい)

  • 2016/06/27読了

  • 官僚の世界を知らぬ者の立場から
    猛烈な仕事への姿勢が新鮮に映った
    今は片山みたいなキャラが多いし、自分もどちらかというとそうありたいと思う
    夏の描写が、蒸し蒸しした空気が伝わる
    それぞれの季節や土地の描写がありありと浮かぶ

  • 昭和30年ごろの現経済産業省において、同期トップを走る人物のキャリア晩年を描いた作品。主人公は、自身の理念のために組織人事をどうデザインするかを重視しており「人事の風越」と呼ばれている。
    立法において理念の良し悪しよりも、それを後援するスポンサー・支持者の有無が実現性を大きく左右する霞ヶ関のロジックが終盤にかけて描かれる。一市民として政策策定のプロセスを興味深く読むことができた。

  • 昭和の激務官僚の話。
    今もブラック霞ヶ関とかで話題になるけど、昔もとんでもなかったんだな。
    仕事にこんだけ命懸けられるって凄いし、こんな官僚たちがいてくれたお陰で今の日本があるんだね。

  • 結局、この時代といまの官僚(ひいては日系企業の会社員たち)とでは働き方は変わらないんだろうなと思った。やっぱり健康第一ですね。

  • 霞が関は夏に人事異動をやる(一部、4月もあるが)、という慣習と、予算編成とがうまくマッチしていてとても面白い小説だった。高度経済成長期頃と今の官僚は役割も立場もだいぶ変わったが、なお残るものは今でもある。通産省がMETIになってしまったのが惜しまれる。

  • 難しい言葉が多くてなかなか頭にはいってこなかった。
    官僚の世界がのぞけて面白かった。

  • 古い時代の体制、働き方に対する批判めいているところもある。

  • 高度成長期時代の通算省の人間模様。脚色しすぎてる部分はあるかもだし、モーレツにはたらく時代の話だけど、今に通ずるものあり。国家のために身を注ぐ風越の男気に魅力を感じる企業戦士は多いはず。

  • 全力で働く男たちを描いた小説。
    現代とは背景が大きく違うので理解が追いつかないところもあるが、理想に燃え夢を見て働く格好良さに感動した。

  • 城山三郎強化期間により、数年ぶりに再読。
    尻切れトンボな終わり方はさておき、戦後ニッポンの国づくりに燃えた通産官僚たちの汗と涙が目の前に飛び出てくるような錯覚すら覚えた。

    片山のようなタイプの人間が、昭和40年代の日本にもいたことに驚かされた。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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