男子の本懐 (新潮文庫)

著者 : 城山三郎
  • 新潮社 (1983年11月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133157

男子の本懐 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 経済小説。舞台は第一次世界大戦後の混乱収まらぬ大日本帝国。主役は濱口内閣の濱口雄幸と井上蔵相。強い信念を持ってこの国を金本位制へと復帰させた。未来を見据える政治家は、いつの世も眼前利益重視の国民とマスコミに翻弄される。金解禁と現世の原発問題がダブる。

  • 熱い、理念を貫き通し暗殺に倒れる政治家の話。
    感動的ではあります。

    第二次世界大戦より前の日本の話ですが、この小説を理解するには、時代背景やその当時の金融システムを勉強し、理解してからでないと、あまり内容についていけません。

    僕の中では、小説とは、あくまでも一つの話であり、その中で完結しなくてはならないと思います。
    そういう、観点から見ると、この小説は、時代背景やシステムの説明が乏しく、不親切な小説のような気がしました。

  • 張作霖が爆殺され、満州に嵐が吹き荒れ始めたころ
    軍事に圧迫される日本経済もやはり嵐だった
    物資に乏しい日本では
    鉄や石油といった必需品を輸入に頼るしかなかったが
    つねづね、外貨高に苦しめられていた
    輸入品は高く売りつけられ、輸出品は安く買い叩かれる状況だった
    第十七代総理大臣・浜口雄幸内閣は
    これを打開すべく、軍縮と金解禁の二本柱計画でもって国政にあたった

    金解禁…すなわち金本位制は、最高次の緊縮経済である
    と同時に、当時においてはグローバル協定のようなものでもあった
    金塊を国際通貨のように扱うことで、常に市況の安定が保たれるという
    理想の経済論と思われていたが
    しかし実際のところ
    仕手筋の感情が絡む相場の大きな乱れには対応しきれなかった
    運の悪いことに、浜口の主導した金解禁の直後には世界恐慌がおこり
    ドル暴落で日本は輸出不振に陥った
    海外への投資も、かなり失ったに違いない
    緊縮促進真っ最中の日本にとって、まさに泣きっ面に蜂だった
    それをあらかじめ予想しておけというのは酷な話だろうが
    加えて軍縮政策が右翼の神経を逆撫でした結果
    浜口は東京駅で狙撃されてしまう

    「男子の本懐」は浜口雄幸と、その盟友である井上準之助の
    対照的な人生をたどりながら
    あらゆる痛みに耐え、団体一丸となり、信じた道を貫き通す
    そういう人の道を説いた小説だ
    今でもビジネスマンの必読書にしばしばとりあげられる
    しかしながら、早い話が猪突猛進・全体主義
    この思想がやがて
    バブル時代のマンション乱立につながるのだと考えてみれば
    なかなか皮肉なものである

  • 自分を犠牲にしても、日本国の将来をおもんばる政治家がいた。そんな政治家が今の日本にいるだろうか?みんな政治屋に成り下がっていないだろうか?

  • 第2次異世界大戦前に誰が軍部の暴走に歯止めをかけようとしていたのか。その結果がテロによる悲劇的な殺害となったしまったことを、丁寧な記述で読み進むことができる好著。浜口雄幸首相、井上準一郎大蔵大臣の壮絶な戦いを歴史に残し今こそ語り継ぐべき時だと思う。しかし確信を持って政策実現を行いその結果が凶弾に倒れる結果になることを覚悟しそれを男子の本懐であるとする。こんな政治家が今いないのが現実でもある。

  • 自分の主張をはっきりしないと相手のいうがままになって自分の中にもやもやが残る。
    言葉尻がはっきりしないのは発言に自信がない証拠であるが、逆にいえば自信をもって発言すれば言葉尻がはっきりする。
    だから自信をもって発言できる考えをしっかり持っておく必要があるということ。

  • 「艱難汝を玉にす」

    浜口・井上の行なった金本位制の政策内容は難しく、なかなか理解できなかったが、この小説の醍醐味はその政策内容ではなく、その政策を実施するという強い意思を貫徹し、実施までこぎつけた二人の生き様を知れることにあると思う。
    自分の中では都度読み返したい一冊となった。

  • 「官僚たちの夏」に続く城山三郎。(はまったかもしれない)単純なので熱い展開が好きなのだろう。
    ここまで信念を貫くのは本当にすごい。よく信念を貫くとかいうが、これくらいの困難があるんだろうな。それにしても、タイトルが秀逸。

  • 磯田道史先生が司会をつとめる英雄の選択で取り上げられていました。男子の本懐とは違った視点であり、本書を再度読み直しています。現代の政治家皆に読んでいただきたい書です。

  • 浜口雄幸と井上準之助
    2人の英雄は凶弾に倒れ日本は戦争に突入していきます。
    性格の違う2人が命を賭して成し遂げた金解禁。
    それにつながる緊縮財政と行政整理。
    行政改革は今につながることと思います。
    自分ももっと命懸けで仕事しなあかんなと思いますσ^_^;

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