勇者は語らず (新潮文庫)

  • 新潮社 (1987年4月1日発売)
3.22
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本棚登録 : 113
感想 : 9
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  • 本 ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133195

感想・レビュー・書評

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  • 飛ばし読み。

    城山三郎の作品は、4冊目になる。
    今まで読んだ作品の発表年を見てみると、

    ・総会屋錦城 1959年
    ・硫黄島に死す 1968年
    ・部長の大晩年 1998年 
    ・勇者は語らず 1982年

    また、この作品は、2013年頃、テレビドラマにもなったようだ。

    • ダイちゃんさん
      おはようございます。ダイです。“いいね”ありがとうございます。城山さんの愛読者です。城山さんのように、気骨のある作家は少なくなりました。この...
      おはようございます。ダイです。“いいね”ありがとうございます。城山さんの愛読者です。城山さんのように、気骨のある作家は少なくなりました。この本も読みました。中を見てみたら、「多くの人間がみんな、口には出さないが、どこか無理に耐えて生きている。そうでなければ、資源もないこの小さな島で、1億もの人間が生きられるはずがない」にラインが引いてありました。
      2021/12/13
    • seiyan36さん
      ダイちゃんさん
      コメント、ありがとうございます。
      最近は、経済小説を読んでいないことに、気がつきました。
      バリバリと仕事をする年齢を過...
      ダイちゃんさん
      コメント、ありがとうございます。
      最近は、経済小説を読んでいないことに、気がつきました。
      バリバリと仕事をする年齢を過ぎたのがその理由かなと思います。
      でも、いつか経済小説を再び読むことになれば、城山三郎さんの作品も読み返すのかなあ、などと思いました。



      2021/12/14
    • ダイちゃんさん
      返信コメント頂き、ありがとうございました。
      返信コメント頂き、ありがとうございました。
      2021/12/14
  • 太平洋戦争中の日本軍輜重部隊の戦友でもある冬木毅と山岡悠吉。戦後になると冬木は大手自動車メーカーの人事部長になり、山岡は下請け部品会社の社長として奮闘していた。
    高度経済成長の波に乗り日本車の海外輸出に踏み切るも、日米自動車摩擦による不当差別、バッシングを受け悩む日本企業。憤る山岡とは対照的に沈黙を守る冬木。口を噤み、無理に耐えるのが勇者なのか?
    日産・ホンダ辺りがモデルなのであろうが基本的にこんな事があっただろうなと言う物語となっている。現在の価値基準で考えればジャストインタイム等の工夫も含めて、いったいどれほどの人と企業の犠牲により日本自動車産業が発展したのかと暗い気持ちになるが、海外で日本車が火だるまにされ叩きのめされるニュースをしょっちゅう見ていた世代としては、こういう事実があったことを忘れてはならないと思うし次の世代の者にも知ってほしいと思う。
    題名の「勇者」をどう受けとるかは読む者の受け取り方によるだろう。

  • 2017.5.22-46
    城山三郎の著書だけに清水一行の系列のような内容を期待したがちょっと期待外れ。最後まで生き残る冬木に全く共感を覚えられず。
    自閉症が間違って認識されているのは時代的に仕方ないものか?

  • 日本の戦後復興を支えた自動車産業に関わる者たちを、メンタル面を主体に描いている。
    仕事面でST訓練やジャスト・イン・タイム制、貿易摩擦を受けた海外進出を主に描いているが、少し物足りない。他にも苦労があったであろう、もう少し他のエピソードも挿入してほしいと感じた。
    それに引き換え、家庭面では嫁の病死や息子の事故死、娘の病気など多くの苦難が描かれ過ぎ、作品全体として中途半端な印象を持った。
    実話に基づくものではあろうけれど。

  • やはり家族描写は秀逸。厳しく育てた子供が優しい青年に成長したり、手の掛かる子供が幸せを運んできたり、子供を突然亡くしたり。脈絡ないかのように書かれる中小企業社長の若き日の恋や不思議な結婚、いい年になってからの研修のドタバタ、人生観の変化、、と思えばまた下請けの悩ましい日常にどっぷり話は戻るこのリアルさ。自動車業界のことが細かく丁寧に描かれる。

  • 下請は辛い。絞るだ絞り、乾いたタオルもなお、絞れば水が出る。湿度があるから。

  • 昭和50年代、日本車のアメリカへの輸出が増大して貿易摩擦が問題となった時代の自動車産業に関わる主人公2人をめぐる経済小説。大手自動車会社の管理職冬木と、その下請け中小企業の経営者山岡。山岡の人物像の描写として、「自分が会社にいない間、会社がどうなるか心配で仕方ない」、「自分は会社の誰よりも会社のことを愛している。しかし自分が仕事に没頭して頑張れば頑張るほど、社員が成長する機会を奪っているのではないかと悩む」など、私はこの山岡という人物に非常に共感を覚えました。半沢直樹みたいなスーパー社員は登場しません。でも等身大の登場人物に共感できる人は多いのではないかと思います。こんな人たちが日本の経済発展を支えて来たのだなと改めて実感させられます。

  • 城山三郎、面白い。サラリーマンのうちに読んでおきたい。
    戦後自動車メーカーや下請けの、外圧に対して沈黙を続けながらも生き抜く
    姿を描く。
    思い通りには生きていけない悲哀。
    センシティビティトレーニングで、生き方を見直す。何をしたいのか。とらわれない心。これでなんとか様々な不測の事態に耐えられるように。

  • 09019

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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