わしの眼は十年先が見える: 大原孫三郎の生涯 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133256

感想・レビュー・書評

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  • 倉敷というまち、大原という傑人の底知れなさをすこしでも測りたかった。時代はいつだっていたずらだ。明治末期から、昭和初期の熱い風。

  • 2017/09/06

  •  城山三郎という作家を語れるほど知っているわけでもないが、この人の書くテーマは「志」なのだと思っている。「孤高の」と付け加えても良いのかもしれない。
     冒頭、素封家の一人息子大原孫三郎、気が強くわがままいっぱい、東京の学生時代に周囲からいいように金を毟り取られて高利貸しに一万五千円と、時の総理大臣の年収一年半分の借金を積み上げ、その整理に当たった義兄が高利貸しとの交渉中に急逝して悄然と倉敷に帰る場面がさらりと書かれている。
     単なるイントロではなく、この時期あっての、後の大原孫三郎と、読み進むうちに理解ができる。
     大金をポンポン出すのはカネが有り余っているからだろうと思っていたら、晩年所有の美術品を大量に売り払い多額の借金を返済する下りが出てきた。
     ぼくら凡人には到底思いも及びもつかぬスケールの人であった。

  • 現在の倉敷の基礎を作った大原孫三郎の生涯.
    変な感想かもしれないが
    裕福な家に育つことの大事さがわかる.
    お金の使い方に感心する.

  • 読んでおいて損はない

  • 城山三郎 による 大原孫三郎 伝記。社員重視の経営、大原美術館、孤児と貧困の支援に裏打ちされた 善の生き方が描かれている

    決断力の強さ
    *人の心は水と同じ〜急流でなければ 何事も転回できない
    *事業は何より度胸であり、決心である

    人に目を向けた経営
    *工場内に 職工教育部をつくり 学校教育に見合う勉強
    *金は使うためにあるのであって、人は金に使われるためにあるのではない
    *会社は 労働者と資本家が共に働き 利益を上げる場所

    息子 總一郎氏の創立記念日の挨拶(社員への最期の言葉)が素晴らしい
    *会社は〜存在理由があるか〜働く人が生きがい働きがいを感じているか
    *職場が人生の全てではないこと〜会社は配慮しなければならない

  • 「もっと早く読めばよかった」が、最初の感想です。
    岡山県出身の自分にとって、大原孫三郎は、昔から知っている名前ではありましたが、何をやったかを知らないまま、ここまで来てしまいました。
    が、この本を通して、大原孫三郎の人生を知り、「もっと早く知っておくべきだった」「もっと早く、この本を読んでおくべきだった」と思ったわけです。

    経営者には、情熱と知性が必要だとよく言われますが、大原孫三郎は、情熱も知性も、高いレベルで備えていた人物だったようです。
    しかし、そのバランスについては、非常に危うい印象を受けました。
    概ね、情熱に傾くことが多かったように思います。
    が、人生トータルで見ると、バランスのとれた形に納まったように思いました。
    だからこそ、様々な偉業を成し遂げることができたのだと思います。

    話は変わりますが、実は私、大原美術館に行ったことがありません。
    次の帰省の際には、是非、行ってみたいと思います。

  • 同県人(とはいえ、倉敷と岡山は大きく違うのだが)と言うことと、昔から大原美術館には何度も通ってること、そして、城山三郎と来たら読まないではいられない。

    児玉虎次郎との関係は知っていたが、石井十次や清水安三との交流についてはこの本をもって初めて知った。

    自分はここまでの大人物にはなれないが、自分の持ち場において何をすべきなのかについて、常に探る態度は是非とも見習いたいものだ。

  • 倉敷を訪ねて知った、ある経営者の生涯を描いた小説。
    高い見識と決断力をもって、会社をそして地域を豊かに発展させた力量は計り知れない。
    現在の日本社会は生まれながらに力を持つ者が小さな志しか持たないのか、それとも日本社会の体質がそれを邪魔する小さな社会なのか、富がうまく生かされていいないような気がする。

  • 大原孫三郎の生涯がすごい。人やお金を惹きつけちゃう人っているよね。惹きつけちゃう人は、なぜか出会いも別れも惹きつけちゃうよね。本書にも出てくるけど、どんなけ使うねん!ってゆう慈善団体への寄付や美術を志す若者への投資は目をみはるものばかり。頼る方も頼る方だけど、出しちゃうんだもの、大原孫三郎。そして、その美術を志す若者、まさかの児島虎次郎!!!そうか、児島虎次郎と繋がってる人か。児島虎次郎関連の書籍を読んでたころ、大原孫三郎って聞いたことあったわ。そーいやそーだわ。倉敷だしね。モネに睡蓮を描いてもらって買い取ってきた話とか感激。おすすめ。

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著者プロフィール

城山三郎(しろやま さぶろう)
1927年8月18日 - 2007年3月22日
愛知県名古屋市中区生まれ。大日本帝国海軍に志願して入隊し、特攻隊の部隊に配属されたが、訓練中に終戦となった。東京産業大学(一橋大学の前身)を卒業後に1963年までは大学講師を務めながら作家活動を続けていた。経済小説を一ジャンルに格上げした先駆者のひとり。伝記小説、歴史小説も多い。
1957年に『輸出』で第4回文學界新人賞、1959年『総会屋錦城』で第40回直木賞、同年『落日燃ゆ』で吉川英治文学賞と毎日出版文化賞、1996年『もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界』で第44回菊池寛賞をそれぞれ受賞。2002年に朝日賞を授与される。
代表作としては上記作品に加え、二度テレビドラマ化された『官僚たちの夏』、妻との想い出を描いた遺稿のエッセイ『そうか、もう君はいないのか』、よくタイトルが人物評としても用いられる、『粗にして野だが卑ではない』が挙げられる。

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