深川安楽亭 (新潮文庫 や-2-24 新潮文庫)

  • 新潮社 (1973年12月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784101134246

みんなの感想まとめ

人間の絆や自己犠牲をテーマにしたこの作品は、時代小説としての深い感動を与えます。小品集でありながら、各作品が持つ独特の緊張感やホロっとくる瞬間が、読者の心に響きます。特に、タイトル作の深川安楽亭では、...

感想・レビュー・書評

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  • 小品集。いつもながらホロっとくる作品もあり、またタイトルとなっている深川安楽亭はなぜこんなヒリヒリとした緊張感を文字だけで表現できるのか。ますます山本周五郎が好きになった一冊。

  • 『あすなろう、だなんてね』

    私は好きだった。意地悪じゃない時代小説は大好きだ。如法闇夜のとこの世は。

  • 知り合いがおすすめということで初めて読んだ山本周五郎作品。
    書店では見つけられず、地元の図書館にひっそりと置かれているのを発見。

    タイトルにもある「深川安楽亭」も面白かったが、
    個人的に特に心を揺さぶられたのは「水の下の石」。
    華やかさはなくとも、影で自身の力を発揮している人がいるということ。
    物語終盤で小弥太の死の知らせを笑う兵たちに胸を痛める大七に
    最後に逃がした娘がお礼にやってくるシーンでは、
    麦わらの匂いがしていたという小弥太の顔や声がありありと浮かんでくるようで
    こちらも胸が苦しくなった。

    また「内蔵介留守」も面白い話だった。
    もしかして・・・と思ってはいたのだが、やはりという結末。
    特に武道を学んだことがある人は終盤の老人の言葉の意味がようく沁みると思う。

  • この中の「内蔵允留守(くらのすけるす)」は中学の教科書に載っていて、中学時代はどれだけ理解してたのかわからないけど泣きながら読んでた。
    今でもこの話を思い出すと泣いてしまう。
    道を極めるということと、極めた人に気づくのは尊いものだと思う。

    今は青空文庫ですぐ読めるのね。
    https://www.aozora.gr.jp/cards/001869/files/57608_74934.html

  • 表題作だけでも読んでみる価値ありまする。
    最近幾つか読んでみて(読まされて見て?)鑑みるに、この作家は後半の方が良い作品を生み出しているように思われます。円熟味とはまさにこのこと。

  • 初期作品から、周五郎の最後の完成作品である「桝落し」まで満遍なく収集された短編集です。全体の出来は中の上くらいでしょうか。
    こうして初期から後期までの作品を並べられると、山本周五郎が成長しつづけた昨夏であると良く判ります。一つの作品を読むと、それが何時頃書かれたものなのか、想像がつくようになります。初期の作品群には、やや修身的な色合い、説教臭さのある作品が集められています。これらの作品は直線的で、底が浅い感じがします(後期に比べてですけど)。それに比べ後半の作品は、流石に重厚感があります。ただ暗い色調なのが残念なのですが。

  • 山本周五郎氏のデビュー初期作から最終作まで多くの小説が採録されているこの作品。男が泣きたいときにこそ読まれる一冊である。
    人情とはどんなものなのか、なかなか日本の居酒屋で感じることが少なくなってしまったその感覚だが、この本を読みば、それを理解できない人にも追体験ができるはずだ。
    江戸時代、人間の移動は、現代よりもずっと乏しかったはずである。
    だからこそ、一人一人の人間同士が関わり合いを持つ時間も多かったはずだ。

    これからの日本は再び少しずつながら人間が減っていく。
    関わり合いを無視できた時代はどんどんと終焉しつつある。
    そんなときにこそ、山本周五郎作品の価値は再び輝くだろう。

    以下本文引用。

    『金がなんだ、百や二百の金がなんだ』『女房や子供が死んでしまって、百や二百の金がなんの役に立つ、金なんぞなんの役に立つかってんだ』『古くからあの島の噂は聞いていた、いっそ死んでくれよう、という気持ちがあそこへゆくきっかけだったかもしれない、そうではなくなって、あそこの罪人臭さにひかれたのかとも思う、この金のために、ーーーおれは妻子を殺したと同然だから』

    資本主義、グローバリズムが叫ばれる中、たまにはこんな意見に耳を傾けるのも、人間らしくてよいのではないか?

  • 短編集。救いがあるのかないのか。生きる内にある困りごと苦しいことは、今も昔も根っこは変わらず。不器用にもほどがあろうかと、ニヤニヤ読んでも己が事を写した様でそわそわもする。

  • 再読

  • 04.10.22

  • 文学然とした時代小説。時代小説といっても事実に忠実な司馬遼太郎のような作風ではなく、ある時代設定における架空人物のストーリーという点で、どちらかというと藤沢周平のそれに近い。人生訓になるような作品が多く、登場人物の名言名台詞が心に残ります。

    著者の作品は黒澤明の映画に使われることが多く、映画好きの方にはとっかかりやすいのかも。

  • 色々よかったけど一番は『あすなろう』女を騙して食い物にする政と凶状持ちの文次。知りあって三日で心中を謀る文次には、別れて幾年も経つ家族がいて、妹を守るために、それでも政ものことも一人にしない。最期その妹にも見限られるけれど、文次の心中はいかなものか知れない。ものすごく寂しい。けれど美しい。

  • 08/9/10 ★★★
    周五郎先生にしてはイマイチ。
    でもそこらへんの時代小説よりは良い

  • 一二番を争うかな。映画も良かった。

  • 「水の下の石」と「おかよ」に泣きました他の話ももちろん素敵で、やっぱり山本さんは良いと思いました。

  • 少々怪しい居酒屋「深川安楽亭」。確かにそこは不穏ではあるが,人情は確か。そこが周五郎。安楽亭やら内蔵介やら石を抱いて堀に入った話やら少々戦いの場面が多い。

  • 重い。

  • "百足ちがい"は「長い坂」の次に好き。----せくこたあねえ、せくこたあ。
    ----じたばたしたとって、春が来ねえば、へえ花はさかねちゅうこんだ、 おちついてやるだよ。"真説吝嗇記"も面白い。

  • ・中学か高校のとき教科書で習った「内蔵允留守」が忘れられなくて購入.読んでみて改めて感動を覚えた.

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著者プロフィール

(やまもと・しゅうごろう)
1903~1967。山梨県生まれ。小学校を卒業後、質店の山本周五郎商店の徒弟となる。文芸に理解のある店主のもとで創作を始め、1926年の「文藝春秋」に掲載された『須磨寺附近』が出世作となる。デビュー直後は、倶楽部雑誌や少年少女雑誌などに探偵小説や伝奇小説を書いていたが、戦後は政治の非情を題材にした『樅ノ木は残った』、庶民の生活を活写した『赤ひげ診療譚』、『青べか物語』など人間の本質に迫る名作を発表している。1943年に『日本婦道記』が直木賞に選ばれるが受賞を辞退。その後も亡くなるまで、あらゆる文学賞の受賞を拒否し続けた。

「2025年 『山本周五郎[未収録]時代小説集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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