雨の山吹 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 18
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  • 本 ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134413

感想・レビュー・書評

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  • 「山茶花帖」がよかったです。
    八重に、人は1人で生きているのではない、って気づかせてくれるところで、ぼくも、ハッとしました。
    自分の不幸を印籠のように振りかざして、周りと自分は違うのだと思う傲慢さが、自分にもあるような気がしました。
    八重のように、見る景色はなかなか変わらないけど、でも、色々なことに感謝して生きることの大切さを改めて教えてもらえました。

  • 愛をテーマとした作品を集めた短編集。
    男女の愛だけでなく、師弟、主従、親子・・・いろいろな愛がある。

    文庫の題名にもなっている「雨の山吹」の一節。
    「自分が悲運になって、はじめて他人の苦しみがわかるというのは、たまらないことだな」
    とても痛感する言葉だ。どんなに想像し同情しても、他人の心はわからない。苦しみや幸せはそれぞれなのだ。
    そのことに気付いた主人公の最後のシーンがとても美しく表現されていて、思わず「ほうっ..」と、ため息を付いてしまった。


    暗がりの乙松
    喧嘩主従
    彩虹
    恋の伝七郎
    山茶花帖
    半之助祝言
    雨の山吹
    いしが奢る
    花咲かぬリラの話 (現代小説)
    四年間 (現代小説)

  • 短編集。「いしが奢る」は可愛い物語。さまざまな愛の形を中心に10篇。

  • 青空文庫で「四年間」のみ読んだ。
    戦時中後の時代を背景としたとある男女の話で、死を宣告された男の鬱屈とした感情の描写が良かった。

  • 昭和10年代〜戦後に発表された短編を集めたもの。
    『花咲かぬリラの話』『四年間』以外は時代小説。
    個人的には表題作の『雨の山吹』よりも恋愛物の『山茶花帖』や『いしが奢る』、『彩虹』が好きです。
    『半之助祝言』や『喧嘩主従』は主人公に特徴のあるタイプなので好き嫌いがハッキリしそう。

  • 「彩虹」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「雨の山吹」「いしが奢る」が良かった。
    江戸を背景とした物語の雰囲気が好き。味があって温かみもある綺麗な恋愛話。

  • しみじみ情感もの

  • 夏休みに尾瀬に行った時に、山小屋で読んでた本。

    恋の伝七郎
    山茶花帖
    いしが奢る

    が良い感じ。

    どうでもいいけど夕立がバッグに浸水して本がボロボロになりました。

  • 江戸時代の恋愛を描いた小説。
    現代の小説でいうと、2人をさえぎるのは病気であったり、死であったりするけれど、
    江戸時代は身分違いや格式だったりする。

    時代で恋愛も変わるもんだね。

  • 再読

    ・暗がりの乙松
    ・喧嘩主従
    ・彩虹(にじ)
    ・恋の伝七郎
    ・山茶花帳
    ・半之助祝言
    ・雨の山吹
    ・いしが奢る
    ・花咲かぬリラの話
    ・四年間

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著者プロフィール

(やまもと・しゅうごろう)
1903~1967。山梨県生まれ。小学校を卒業後、質店の山本周五郎商店の徒弟となる。文芸に理解のある店主のもとで創作を始め、1926年の「文藝春秋」に掲載された『須磨寺附近』が出世作となる。デビュー直後は、倶楽部雑誌や少年少女雑誌などに探偵小説や伝奇小説を書いていたが、戦後は政治の非情を題材にした『樅ノ木は残った』、庶民の生活を活写した『赤ひげ診療譚』、『青べか物語』など人間の本質に迫る名作を発表している。1943年に『日本婦道記』が直木賞に選ばれるが受賞を辞退。その後も亡くなるまで、あらゆる文学賞の受賞を拒否し続けた。

「2025年 『山本周五郎[未収録]ミステリ集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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