樅ノ木は残った(下) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134666

感想・レビュー・書評

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  • 多くの犠牲の上に守られた伊達60万石。武士道と人間の悲しみがつづられた切なく痛ましい作品です。

  • 信念を持って事を成すのはいばらの道。孤独に耐え辛抱できるか。死すときでさえ思いを貫き通すことができるか。

  • 誰に認められることがなくとも、ましてや後世の歴史から極悪人の烙印が押されようとも、自らが信じる正義を貫く原田甲斐の生き様に、山本周五郎は「樅の木」の姿かたちを重ね合わせたのでしょうか。登場する人物の栄枯盛衰の様にも何とも言えない悲哀があります。
    私は学生時代に先輩の紹介でこの本と出会いました。以来30年近く、折りに触れこの作品のタイトルを紹介することはありましたが...

    【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓】
    http://www.prosecute.jp/keikan/018.htm
    【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】
    http://prosecute.way-nifty.com/blog/2006/09/post_c5ac.html

  • この小説は江戸時代に起こった仙台藩のお家騒動「伊達騒動」を題材に
    している。
    主人公の仙台藩の重臣 原田甲斐は、この小説が世にでるまでは、藩政を乱した「悪人」として、捉えられていたようだが、この作品のなかでは、「藩を救った忠臣」として描かれている。

    この設定自体も作品の中のストーリーも「人の誤解や偏見の怖さ」それらによって生じるすれ違い・悲劇、「みんな心の奥にそれぞれ想いがあること」をあらためて思い直させてくれる。

    これだけ、企業・組織として「スピード」が求められる世のなか、なかなかお互いの思いを汲むことは難しい。

    また、それに時間を掛けていると「リーダーシップに欠ける」などとこれまた「表面的な」捉え方をされてしまうこともままある。

    しかし、その時々で「思いを汲む」のではなく、常日頃から真摯にコミュニケーションをとり、本気で議論ができる、「信頼関係」をつくり、「意思統一」をはかっておくことがマネジメントの重要な仕事であると思う。

    「当たり前」の話だが、これが非常に難しい。。

  • 主人公・原田甲斐の積み重ねてきたものが一挙に爆発するというか、崩れ行くというか。さまざまな人間関係、出来事がつながって終わりに向かって加速していくのがよくわかります。

    先日テレビ朝日で2時間ドラマになったのは、本当に偶然のことで、驚きました。私のイメージしていた原田甲斐は、もう少し若くて、もう少し体格がよい人だったのですが・・・

    最初からもう一度読み直すと、また、そうとう違った印象になりそうです。

  • 22/1/7 70 

  • ええ、なんてこったの展開。
    仙台藩の危難が、いよいよ明らかに。
    甲斐は、いかに動くのだ?


  • 壮大なスケールの話に圧倒されつつ、

    感動の波におされます。

    悪臣とされていた原田甲斐の生き様をひっくり返す、山本周五郎代表作。

  • まだ読んでない!!けど上巻と同じ意見です!

  • 下。読むのをとめられない。

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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