黄色毒矢事件 少年探偵春田龍介 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2018年9月28日発売)
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本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784101134710

作品紹介・あらすじ

春田龍介、中学二年。学業優秀、推理抜群。無燃料機関の実験当夜、妹が掠われ、機密をも盗まれた。龍介は二つの暗号文を解読し、犯人を追う(「危し !! 潜水艦の秘密」)。超爆液の研究所で分析表が盗まれ、次々と所員が殺される。龍介は巧妙な方法で犯人を炙り出す(「黄色毒矢事件」)。若き日の周五郎が旺盛に執筆した血湧き肉躍る少年小説のうち春田龍介ものを七編厳選。

感想・レビュー・書評

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  • 「僕、春田龍介です」

    中学生ながらにして機略縦横、剛勇無比の快男児、春田少年による規格外の活躍を描いた探偵冒険小説。

    折目正しい品行方正な人物なのかと思いきや、かなりアグレッシブでマッシヴで意外と短気でバイオレンスな日本男児。

    この一冊の作品集の中だけでも少年文庫物語としての進化が見て取れる。

    「幽霊屋敷の殺人」ではまるで本格ミステリーの様相。そこに幽霊という不可解さが加わって面白い。
    「謎の頸飾事件」は正統派。春田少年の鋭い推理を楽しめる作品。
    「黄色毒矢事件」の不気味さと緊張感は素晴らしい。頭脳のキレも遺憾無く発揮される。

    が、「ウラルの東」の頃には事件のスケールは大きくなって大立ち回りを演じるのだが、いかんせん超人度合いが過ぎるというか、ほとんど推理をする事もなくなっている。なんといっても最後の一行にびっくり。え、そっち?という感じ。


    1刷
    2021.6.2

  • 匕首党首領の方が論理的展開で策に長けている気がしないでもない。

  • 表紙の雰囲気で読んでみたいっと手に取った。
    短編集。
    半分ほど読んだが、挫折。

  • 時代を反映しているなあ。

  • 周五郎が「稼ぎ原稿」として意に沿わぬながら少年少女向けに執筆をした作品。確かに少年向けの文体で、著者が別人かと思うほど見まごうたが、昭和の活劇の匂いがプンプンして結構楽しめた。なぜ中学2年生が車を乗り回すのだ。2018.11.15

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著者プロフィール

(やまもと・しゅうごろう)
1903~1967。山梨県生まれ。小学校を卒業後、質店の山本周五郎商店の徒弟となる。文芸に理解のある店主のもとで創作を始め、1926年の「文藝春秋」に掲載された『須磨寺附近』が出世作となる。デビュー直後は、倶楽部雑誌や少年少女雑誌などに探偵小説や伝奇小説を書いていたが、戦後は政治の非情を題材にした『樅ノ木は残った』、庶民の生活を活写した『赤ひげ診療譚』、『青べか物語』など人間の本質に迫る名作を発表している。1943年に『日本婦道記』が直木賞に選ばれるが受賞を辞退。その後も亡くなるまで、あらゆる文学賞の受賞を拒否し続けた。

「2025年 『山本周五郎[未収録]時代小説集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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