- 本 ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101134833
作品紹介・あらすじ
身分の違いがなんだ。俺もお前も、同じ人間だ。突然の堰堤工事の中止。城代家老の交代。三浦主水正の命を狙う刺客。その背後には藩主継承をめぐる陰謀が蠢いていた。だが主水正は艱難に耐え藩政改革を進める。身分で人が差別される不条理を二度と起こさぬために──。重い荷を背負い長い坂を上り続ける、それが人生。一人の男の孤独で厳しい半生を描く周五郎文学の到達点。
感想・レビュー・書評
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最初は立身出世伝として面白く読んでいたが、ハテ?こんな男が身近にいたら応援できるだろうか?と考えてしまった。
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ながい坂(上)のレビューご参照。
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人間の一生を死ぬまで坂をのぼり続けることをながい坂に例えていると解釈した。主水正の一生はずっと耐え続けているのだが、前向きに自分の力で道を開き道を転換させているところに見習うべきものがある。人間の弱さを理解し、周りの協力を得て障害を乗り越えている。だから我々も応援したくなるのだ。経験の中から前例を選び出しそれを検討する。苦しい時には彼の境遇を思い出し見習っていきたい。
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人はそれぞれの立場、状況の中で葛藤し、許し、受け入れて人生を全うしていく長い坂。主水正は様々な境遇になったとしても、その立場や人のありのままを理解し、自分を作り上げていくところ、それぞれのところでそれぞれの葛藤があること、その中でも焦らず自分の思う方法を時間をかけて形にすること、その結果を受け入れる姿勢が印象的。
著者プロフィール
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