- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101135069
感想・レビュー・書評
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もともと短編が好きなこともあるが、つくづく『上手いなぁ』と感嘆の声が洩れてしまう。
子どもを主人公とした短編ばかりが集められているのだが、三浦さんはことに子ども目線での話の描き方が素晴らしいのだ。
こどもの目線。こどもの目に映る世界。こどもが気づいていない出来事。読者は、それらから背後にある大人の世界の複雑な事情を読み取ることができる。
簡潔で美しい文体のなかに詩情が溢れている。
それでいて、どれも切なく物悲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編の名手、三浦哲郎。この文庫を一読すれば、その所以をまざまざと感じずにはいられない。
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「接吻」「厄落し」「初秋」「遠出」「出刃」が気に入った。
面白くない話が一つもない。
こんな短編集滅多にない。
出会えて感謝。 -
美しく哀しい物語。
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どれも子供が主人公なのに、成長とか希望とか、子供に重ねられる肯定的なイメージがまったくない短編の数々。まさしく「文芸」。
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「ロボット」を読みました。自分が電気仕掛けで動くと信じて疑わない少年の話。
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「メリー・ゴー・ラウンド」が好きだと、好きな人が言っていた。私もそれが1番好きだった。
子供の心情と「喪失の瞬間」を描くのが上手いと思う。
文体も大変読みやすく、するすると進められる。 -
日常的だけど非日常なストーリーでどの短編も読み応えがある。ゆったりとした文体。朴訥さとユーモアさと怖さが入り交じっている。