- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784101136134
感想・レビュー・書評
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浮世絵師・渓斎英泉(善次郎)が、なかなか芽が出ない苦労時代を経てブレイクする(←現代風)までを、腹違いの三人の妹や、北斎の娘・お栄、戯作者の悪友・為永春水(長次郎)らとの関係をからめて描いた時代もの。歌川派の絵師もライバルとしてたくさん登場、国芳とは意気投合したりして、名前だけしか出てこない実在の戯作者や絵師の顔ぶれだけでも無駄に豪華。
主人公の善次郎は前半は春画ばかり描いているし、夜遊び女遊びも相当激しいのだけれど、一切恋愛話には発展しません。良い男なので実はモテモテで、男も女も主要登場人物はみんな彼に惚れてるっぽいのに、当人は一向気づいていない(苦笑)。傍から冷静にみたらそんな男やめときなよ~と言いたくなるタイプなので、個人的には不細工で胡散臭くて若干キモくても実は結構けなげであることが判明した長次郎のほうがお気に入りでした。
作中で八犬伝の挿絵を英泉が担当するくだりがあるのですが、思わず岩波文庫版の八犬伝全十巻をひっぱり出してきて挿絵をチェック。ほんとだ、最初は重信だったのに途中から英泉になってる!浮世絵は幕末おたくと八犬伝おたくが高じて一時期はまっていたのですが、一番好きなのは芳年で、あとは絵金とか。国芳は結構ちゃんとした展覧会もあったりするので一昨年くらいにも見たかも。絵の好き嫌いはあっても作者自身までは興味なかったのですが俄然興味が湧いてきました。 -
面白かったー!皆川さんの時代物にハズレってあるのかしら。始まりのお化け朝顔の描写からして、もううっとり。和物でも、特に芸事が主題の皆川さんの小説は、凄みが感じられるし、男女の情念の絡まり方がゾクゾクする。終盤は息を詰めて読まされるし、本当に面白かった。国芳とお栄の描き方が少し中途半端だったのが唯一心残りだけど、それでも充分満足です。
著者プロフィール
皆川博子の作品






しかしアニメ化とはこれまた・・・杉浦日向子を...
しかしアニメ化とはこれまた・・・杉浦日向子をアニメ化って、なかなかありそうでなかったですよね。よい機会なので見てみようと思います。
そう言われてみれば、、、確かに。。。
生前は、ご本人が映像化にOK出さなかったのでしょうが(憶測)。今回は...
そう言われてみれば、、、確かに。。。
生前は、ご本人が映像化にOK出さなかったのでしょうが(憶測)。今回は著作権者が巧く口説かれたのかも。。。
別物だと...
別物だと思って楽しんだほうがよさそう(ってまだ公開前から・笑)