- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101139036
作品紹介・あらすじ
郊外に居を構え、孫の成長を喜び、子供達一家と共に四季折々の暦を楽しむ。友人の娘が出演する芝居に出かけ、買い物帰りの隣人に声をかける-。家族がはらむ脆さ、危うさを見据えることから文学の世界に入った著者は、一家の暖かな日々の移りゆく情景を描くことを生涯の仕事と思い定め、金婚式を迎える夫婦の暮らしを日録風に、平易に綴っていく。しみじみとした共感を呼ぶ長編。
感想・レビュー・書評
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久しぶりの庄野潤三。日々で疲れた心が凪になるような、この家族を遠くから見ているような。とても良い読書体験だった。お孫さんの七五三の姿を見て、泪が出てきた、というシーン、とても印象的。ドラマチックでも大げさでもない文体で、なぜここまで心が引き込まれていくのだろう。
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読むとほっとします。
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この家族シリーズを読み始めて、一番のお気に入りになりました「貝がらと海の音」。
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こんなじいたんになりたい
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はじめて読んだときは、衝撃でした。
なんて素敵なエッセイなんだろう!と。
とてもいい気持ちで読み終えることができた。
老夫婦の、穏やかな日常を描いた物語。
とても幸せな物語です。
ここに出てくる長女、夏子さんのお手紙がとても好き。
こんなお手紙を書けるお人柄にあこがれます。
今となっては、フーちゃんの日記を読みたがるところが、身内のエゴに感じてしまって、ちょっと嫌。 -
ある意味理想の生活といいますか・・・・・。
読んでいると、こういう風に生きたいなぁ・・と憧れます。
内容的には息子夫婦も結婚し2人きりになった老夫婦の、お孫さんやお子さんと上手に接しながら日々の事をとても丁寧に淡々綴られた物です。
それだけの事が何故こんなに惹かれるのか・・・。
シリーズ物といいますか、これも沢山続編が出ています。
元々この前の時代(お子さんの子ども時代)も出ているらしく、いつかゆっくりこっちも読みたいなぁ・・と目論見中。
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初めて出会った庄野作品。
衝撃だった。
何でもない日常の風景に感謝の意を綴り、それがこんな素敵な一冊になる、こんな文学があったのか、と。
大きな事件は何も起こらない。
巣立った子どもたちとのやりとり、孫との交流、日課の散歩、ご近所づきあい、妻との会話、日々感じる自分の老い。
それらを、淡々と一定のリズムで描く。
ずっと落ち着いたテンションで綴っていて、同じエピソードが何度も出てくることだってあるのに、文章が洗練されているから全く飽きない。
長女夏子さんとの宅急便のやりとりがいい。
手作りのケーキや簡単な手紙、到来物をおすそ分けしたり、何かのお祝いにはメッセージと品物に定番があって、変わらないことの美しさを教えてくれる。
作者庄野潤三氏は、現在病後で執筆されていないようだが、いつまでもどうかお幸せに暮らしてほしい、と、本当に心から思うばかりである。 -
以下のページで感想書いてます。http://blog.livedoor.jp/subekaraku/archives/50185082.html
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第3回: 庄野潤三 『せきれい』・『貝がらと海の音』
http://ameblo.jp/pippu-t-takenoki/entry-10002434168.html