五番町夕霧楼 (新潮文庫)

著者 : 水上勉
  • 新潮社 (1966年4月発売)
3.41
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  • 18レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101141015

五番町夕霧楼 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 偶然ながら今日は金閣が放火によって焼け落ちた日なのだそうだ。この小説は薄幸の遊女、夕子と金閣寺放火僧との悲恋の物語。
    簡単に言ってしまえばそうなんだけど、これから想像されるどろどろした暗さがなくて、素直にいい物語を読んだという印象が残る。京都弁も自然でたいへん結構。
    廓で働く女性というのは今の時代難しいのかもしれないが、こういう佳編が現役の文庫に入っていないというのはさみしいね。

  • 美しい小説だった。
    読後、20歳という年齢がさせた恋だなぁとしみじみとした。
    水上勉さんの小説って好きだなぁ。
    どこか物悲しいのだけれど、そう遠い昔でもない、程度や内容は違っても似たようなことがあったということをよくよく考えさせられる小説。
    後半部分は一気に読み進めた。そのくらい、後半の小説の盛り上がり方が心をわしづかみにされた。

  • 1990 読了

  • 京土産の定番である「夕子」の元ネタということで読んでみた。明らかに三島の「金閣寺」を意識して書かれた本。金閣寺を「鳳閣寺」に名前を変えている。放火犯が「夕子」という遊女と幼馴染だったとの設定を挿入することで、三島の作品とはかなり毛色の違う大人のメルヘンに仕上がっている。

  • 昭和の金閣寺放火事件をヒントにした小説。
    ただ、鹿苑寺金閣の名前は鹿園寺鳳閣って名前になっていました。

    なんだか中途半端なムード小説って感じだった。
    ヒロインの夕子さんにもお相手の櫟田(くぬぎだ)ってお坊さんにも共感できませんでした。

    放火僧と同じ京都北部の田舎町出身の貧しい木こりの娘さんが京都で遊女さんになって、めずらしい体(右肩から脇の下にかけて興奮すると赤く浮き出るポツポツがあるとか、しっかりした副乳があるとか…)で60過ぎの西陣帯問屋のおやじをメロメロにするんだけど、実際は田舎で仲が良かった今は鳳閣寺のお坊さんに手紙を出して遊郭へお客として来てもらったりしてて…。

    二人ともキャパが狭そうな、おとなしいけれど気遣いができるような雰囲気でもなく、どよ~んとしたキャラクターで、なんだか不気味なんだよね。
    やることは大胆だけど、芯がないって言うか、あまり後先を考えていないと言うか…。

    三島由紀夫さんの『金閣寺』に比べるとなんでお坊さんが自分のお寺の国宝に放火したのかがよくわからないし、宮尾登美子さんの『陽暉楼』に比べると遊郭のおかみさん等が良い人過ぎて、苦界に身を沈めた女性の苦悩がきれいごとで済んでいるような感じを受けます。

    吉田健一さんの解説は金閣寺放火事件に一切触れておらず、なんだかなぁって感じ。
    本当に中途半端。
    雰囲気的には、森鴎外さんの『山椒大夫』みたいな感じ?

    ドロドロし過ぎてなくて良いのかもしれないけれど、題材の割には軽すぎて、逆に絵空事みたいな物足りないお話でした。
    主人公にもっと魅力があればねぇ…。

  • 期待していなかったが、普通に面白かった。「いい話」っぽくするのはどうかと思うけど。授業で出たので読みました。

  • 娼妓として京都五番町に来ることになった夕子。小さい頃からの吃りで鳳閣寺の小僧となってなお辛いめにあう同郷の正順。恋というより互いの境遇を慰め短い一生を終える。夕子の父、夕霧楼の人々の素朴さ、あたたかさも哀しい。13.11.9

  • 遊女の話はいくつか読んでいますが
    こんなに静かな文はあまりない。

    主人公の考え、内面、本性が
    受け取りずらい。
    しかし少女が懸命に生きている姿、
    悲しい境遇が胸に来る。

    京都の方言を読みたい人にも
    すすめたい。

  • 『金閣寺の燃やし方』で水上勉が金閣寺炎上事件を題材に『金閣炎上』と『五番町夕霧楼』を著しているのを知った。というか、『五番町夕霧楼』がそういう話だということさえ知らなかった。
    この物語は寂しい。ただ限りなく寂しいだけの小品、けれどとてつもなく愛おしい。この物語が、おそらくは文庫もいま絶版で読める機会が限られてしまっているのが残念。

  • 京の街に女郎として売られた娘と、同郷で寺に預けられた男。貧しく悲しい物語。金閣寺炎上に男を駆り立てたものは何であったか。
    三島由紀夫の「金閣寺」と合わせて読むとまた違う味わいが・・・。
    【志學館大学】ニックネーム:Kazubee

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