越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • 本 ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101141299

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  • 越後つついし親不知
    親不知、歌川、歌合
    市振から糸魚川へ
    親不知石灰採掘場
    越後つついし
    糸魚川警察署

    お日はちりちり山端にかかる
    わしの仕事は小川ほど
    お日が暮れたら、あかりをつけて、親の名づけの妻を待つ
    親の名づけの妻さえあれば、わしもこの様に身は捨てぬ
    何もこの世に身は捨てなよと、後にことばをのこされた
    仕舞うて帰にゃるか有馬の駕籠衆、おだて河原をたよたよと
    おだて河原をたよたよ越えて、あいの小川の数知れぬ
    松となりたや、有馬の松に、藤にまかれて、寝とござる

    桑の子
    若狭の大飯郡 岡田部落
    「釈迦釈迦」の行事

    有明物語
    奥信濃北アルプス山麓 有明村
    大糸線 穂高駅から五里


    敦賀から杉津の途中に河野断層
    敦賀から今庄へ北陸街道 作田部落

    西陣の蝶
    下京区八条通り坊城 六孫王神社
    梅小路貨物駅

  • 『越後つついし親不知』ちょっと短くてあっけなかったなぁという印象。最愛の奥さんの言うことより、たいして仲良くもない同郷の男の言うことを信じてしまうのか…。それだけ好きだったから、失望が大きかったということか?こんなに働き者で実直そうな人なら自首しそうなものだけど、妻は自殺と届けたというのもなんかしっくりこなかった。
    『有明物語』おみんが男を知らずに若くして亡くなるというのが、今までに読んだ水上勉作品の中では珍しく感じた。庫造はみんに手を出さなかっただけえらい。
    『三条木屋町通り』旦那がくそ野郎。昔はお妾さんがいたりとか、自分の家で働く女の子に手を付けたりとか、珍しいことでもなかったんだろうけど…。時代を感じる。

  • 昔の女性のひらきなおり、を感じた。

  • この暗さが堪りません

  • 救いようの無い悲しいお話。夫が酒蔵へ杜氏として出ている時に卑劣な村人によって子を身ごもってしまう妻と、妻を信じていたのに裏切られた思いで苦しむ夫のお話。
    暗く悲しい空気が最初から最後まで流れているのに、なぜかその後ろに美しい物が流れているように思えてしまう。水上作品は、独特の世界観があって好き。

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著者プロフィール

少年時代に禅寺の侍者を体験する。立命館大学文学部中退。戦後、宇野浩二に師事する。1959(昭和34)年『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1960年『海の牙』で探偵作家クラブ賞、1961年『雁の寺』で直木賞、1971年『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年『一休』で谷崎賞、1977年『寺泊』で川端賞、1983年『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。『金閣炎上』『ブンナよ、木からおりてこい』『土を喰う日々』など著書多数。2004(平成16)年9月永眠。

「2022年 『精進百撰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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