砂の上の植物群 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 302
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101143033

感想・レビュー・書評

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  • 横浜を舞台に性的充足の問題を存分に描いた。

  • 【本の内容】
    常識を越えることによって獲得される人間の性の充足! 性全体の様態を豊かに描いて、現代人の孤独感と、生命の充実感をさぐる。

    [ 目次 ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • 映画観たいなあ。
    濡れ場を描く純文学といわゆる官能小説との違いは喘ぎ声をカギカッコで書いてしもてるかどうかやと認識してますが合うてるやろか。

  • 吉行淳之介、の、文章のかたちを面白いなあと読めるようになったものの、エロじじいの妄想みたいな物語の内容については全く共感できなくて、どうしてこれが支持されていたのか首を傾げたくなるが妄想を抱えた紳士向けということならば、ああなるほどと合点。即物的なものいいをしながら、潔さのかけらもない。エロすなど高尚に語るものでもなかろうに。服薬時のオブラードがきしょくわるいのと一緒だと思った。好きな人は、すきなのかもしれん。

  • あぐり観てキャーエイスケさんかっこいい〜とか言っててごめんなさいって思いました。なかなか暑く苦しい印象でした。熱っぽい。赫っぽい。夕陽のせいかな。これはわりかし短い作品ですが、長かったらちょっと読むのしんどかったかも。
    なぜか高村薫の照柿を思い出したけど、あれはこのくらいの時代の暑苦しさを目指していたのかな?ふと思った。

  • 購入済み
    再読済み
    映画鑑賞

  • とても実用的な本。

  • 吉行淳之介の作品は読むのが初めてだった。

    エロいですよ。これは!こうゆうのが本当にエロというのだろう。びんびん感じますね。

    確かに、この本を読むと性の描写や描き方ばかりが目につくが、本当は伊木一郎の満たされない孤独感という内面が描かれているのだろう。

    死んだ父親の影に呵まれ、女性を抱くことで満たされようとするが、逆に女が満たすために伊木が生かされているような気分になってくる。

    伊木一郎は人生に何を見いだすのか、孤独なのか、絶望なのかルサンチマンなのか。伊木にとって女性とは何なのだろうか。そんなことを考えされられる。

  • 中年の化粧品セールスマン伊木一郎が偶然知り合った高校生の津上明子。明子に頼まれ、彼女の姉の京子を誘惑する。亡き父の存在を感じながら異常な行為に耽ける。

    吉行淳之介ってこういう話を書く人だったんだ。知らなかったよ。主人公がどんな行為をしても、第3者的な立場でしか自分を見られずに、孤独・喪失感を抱えていて。観念的な話すぎて私には良く理解ができなかった。壇一雄みたいに、この著者も時々ストーリーの中で自分のことを語ったりする。

  •  今日読み終わった。僕は今まで吉行という人の短編や大衆小説「すれすれ」などを読んでいたが、魅力を感じたことはなかった。体質に合わないのかなと思っていたけれど、これで吉行世界の魅力が分ったと思った。
     「砂の上の植物群」200ページ弱の作品だが、最初の100ページ目でしばらく別の本を読むために読み止しにして、1ヶ月近くたってから後半を読んだ。前半はわりとひらべったい、起伏のない、いろんなことをぎこちなく羅列しているような感じで、こういう渇いた無機質的、虚無的なのが吉行の売りなのかなと思いながら読んでいたが、後半になってにわかにストーリーが展開していく。前半に、ストーリーの途中で作者が登場して独白を始めるなど、小説としては特異というか不自然な手法が、後半にはにわかに必然性を帯びてくる。前半に出てきた夕陽の何気ない風景、登場人物が、後半では主人公の内面と結びついていく伏線であったことが明らかになっていく。その技巧の確かさが、この小説を完成度の高いものにしていると思う。
     吉行はなぜ性を書くのか?そこには彼が単に遊び人というんじゃなくて、彼の存在、内的必然性をかけたいきざまがあるということもこの小説から読み取れる。僕はわりと抽象的、観念的な思考が好きだが、性というものは、その対局にあるのではないか。つまり、性に関われば、常にそこには具体的で生理的なにおいや熱や昂奮があり、それによって抽象的、観念的な饒舌さを退けることができる。この小説を読みながら僕はそんなことを感じていた。吉行にとっての性はその意味で、禁欲的でさえあると僕には思われた。吉行にも観念的な傾向があることは、小説中のクレーの美術論の引用などで察せられるが、その観念論を扱いながら、あくまで具体的(=観念論を排する禁欲的)な次元で中年男の人生の格闘を描いている。

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著者プロフィール

1924年、岡山市生まれ。新興芸術派の作家吉行エイスケと美容家あぐりの長男。妹に女優の和子と詩人で芥川賞作家の理恵がいる。2歳の時、東京に転居。1944年、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため4日で帰郷。1947年、東京大学英文科中退後、大衆誌『モダン日本』の記者となる。大学在学中より『葦』『世代』『新思潮』などに短篇を発表、1952年から3回芥川賞候補になり、1954年に「驟雨」で芥川賞を受賞。安岡章太郎、遠藤周作、庄野潤三、小島信夫、阿川弘之らと共に「第三の新人」と呼ばれた。1994年、肝臓癌のため死去。
 主な著書に『原色の街』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』(芸術選奨文部大臣賞)『暗室』(谷崎潤一郎賞)『鞄の中身』(読売文学賞)『夕暮まで』(野間文芸賞)などがある。

「2018年 『廃墟の眺め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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