恐怖対談 (新潮文庫 よ 4-10)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101143101

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  • 80年刊行本の再読。
    対談の名手と言われる吉行淳之介が、半村良を始め10名との対談をまとめたもの。
    いろいろの恐怖について語り合い、「冷たい汗の粒が並ぶ、ということになるかどうか」と、あとがきで書いているが、面白可笑しく肩の凝らない読み物となっている。「箸休め」という言葉になぞらえ、本休めにちょうどいいと言ったら問題か。
    対談の場所は、東銀座「吉兆」が多く、その他銀座「レンガ屋」とか銀座「浜作」など。
    一度は行ってみたいところばかり(笑)。

  • あのねーえ、居酒屋あるいは立ち飲み屋に入ってチューハイ注文してまあこの時期ならホヤの塩辛なんて頼んで、箸の先っちょにペタペタくっつけながら舐めて炭酸ちょこっと焼酎味なんてのを小一時間楽しむ時間にうってつけなのがこれ。この本。いいわよ別にお洒落な感じなら赤ワインにピスタチオとブルーチーズでも。ただし絶対に場所は屋外でね。
    半村良、渡辺淳一、立原白秋淀川長治北杜夫長谷部日出雄筒井康隆殿山泰司今出光、そして山口瞳という豪華絢爛雨あられ、ラッパ囂々なゲストに囲まれ吉行御大一歩も後退しておらずさすがの風格。ただどうしても場末の雰囲気は否めない。何故だろう、文壇の内緒話といったら銀座が定説じゃないんですか。なのに話題と言えばまあ小さくまとまって、盛り上がるのは過去の色艶酒豪の話ばかり。これ、音声とってる編集にも責任ありません? もっとノセてナンボなんじゃないの、担がれに来るのよ、文豪は皆。

    その中で一番主旨をわかってる「恐怖」を語ってくれた長谷部御大がいちばんおもしろかった。
    長谷部「よくこういうのがありますね。わたくしお酒がいただけませんで、一杯飲むと胸がドキドキして、二杯飲むと死にそうになって、三杯飲むと落ち着きますというのが(笑)」
    吉行「それは落語の枕かな」

  • 筒井康隆、半村良、淀川長治、今日出海、北杜夫らとの対談。興味ある部分だけ読んだ。半村良は蒲田の連れ込み宿の番人してた、淀川長治は太陽がいっぱいをホモ映画だと鋭く分析し熱く語ってる。

  • 特に淀川先生との対談が楽しかった!

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著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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