夕暮まで (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101143118

感想・レビュー・書評

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  • 7月26日 吉行淳之介文学忌、淳之介忌

    1978年第31回野間文芸賞 受賞
    1979年第35回日本芸術院賞 受賞

    持っていた昭和の文庫とは装丁が変わってますから、まだ現役で販売されているようです
    お姉さんな頃、何を思っていたか忘れたけど、吉行淳之介さんの作品が好きで何冊かまだ本棚に残してありますね

    アンニュイでダウナーで欲情的で昭和的
    若い女性と逢瀬を重ねる中年男
    妻にはバレていない模様
    若い女性は、最後さえ死守すれば、あとは欲望の赴くまま
    行為の表現は具体的で扇状的
    関係性と彼らの存在自体は、抽象的で不確か

    昔はドキドキしたのかな
    もうわからないわ

    • みんみんさん
      わからない(=´∀`)人(´∀`=)ウフフ
      わからない(=´∀`)人(´∀`=)ウフフ
      2024/07/25
    • おびのりさん
      忘れたの間違いだわ
      忘れたの間違いだわ
      2024/07/25
  • 30数年振りで再読。文庫本の版を見ていると大学入学後に買って読んだ様子。
    当時、20歳ぐらいの自分としては、ちょっとエッチな小説と思って読んだような気がするが、まあまあおもしろいなと思うと同時に、若い女性と付き合うたぶん40代と思われる親父に対して、いい年して何やっとるねんとちょっと反発した気持ちがあったと思う。

    それから年月は流れて、今やこの主人公よりあきらかに年上になってしまった訳だが、再読してこの小説の無駄を削ぎ落とした簡潔で美しい文章には感心した。主人公に対しては、かなり羨ましいと言うか、時代が変わったから今はそう簡単には行かんのちゃうのとか、そういう気持ちになった。

    ただ、女性とのいろんな遣り取り(行動や言葉なんか)から、その状況や気持ちを男性側からではあるがよく表現されているところが、この小説のいいところではないかと思う。

  • 昭和レトロな香りがプンプンしました。
    中年男が自分よりふた周りも離れた若い女性を好きになる、それを文学と言わしめてるところが少し呆れてしまう。私からしたらただの幼稚なのだが。

    しかし当時はこの作品の影響で「夕暮れ族」という言葉がもてはやされ社会現象にもなったとか。

    たまたま手に取った作品が、なんとか文学賞受賞したり映画化もされたとかで、少しラッキー感はありました。

  • 夕暮れまで。澁澤龍彦の随筆に、とある画家のアレゴリーという作品を紹介するものがあって、それは婦女が浮かべた舟上に、人体大の白っぽい球が配置されている絵なのだが、球がなにがしかのアレゴリー(象徴)であるのは分かるが、しかし一体なんのアレゴリーなのか、全く分からない、という内容だった。具象性は高いのだが、どこまでも不透明。そうした本でした。一体、夕暮れまで、とは何を示す言葉なのか。乾いていて、繊細であり、大人の小説でした。やはり吉行淳之介作品は良いですね。

  • 男女間の機微、感情の襞はよくわからない。

  • とある情事カップルのもつれ

  • 感想は特にない

  • ★2.5。
    色んな意味でいやらしい小説と思うが、その中でも一番なのは作家の読者に対する挑発的な態度か。「この話の意味、分かる?」みたいなね。

  • 伊藤裕作によれば本書の影響を受けた風俗店に愛人バンクやデリヘルがあるらしい。納得。主人公の中年は女子大生の素股とフェラチオとクンニを満喫する。デリヘル嬢を半日予約してたら警察にたまたま尋問され免許忘れて妻子にバレないか心配するとかしょうもない話。

  • もっとも多く繰り返し読んだ一作(数十回も・・日課のように十日間毎日読んだこともある)。特に作家が好む作家(作品)であるように思われる。同業者として作家がこういう隅々神経の行きとどいた文章に魅せられ、その才能に惹かれるのはよくわかる。反面こういう文章(知性≒感性)はいまの時代にそぐわないものなのかも・・ちと寂しい気分。

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著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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