目玉 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 17
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  • 本 ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101143163

感想・レビュー・書評

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  • 病弱でインテリでセクシー。
    こんな人がいたら2秒で恋に落ちます。
    でもこの人とは幸せになれないだろうなー

  • 再読。

    随筆のような、私小説?短編集。

    タクシー運転手の隠語と職業ごとに表れる声の特徴の考察「大きい荷物」、幼少期過ごした岡山での記憶「鋸山心中」、作家仲間との交流と白内障手術「目玉」、戦時中の空襲と街にたむろする鳩の記憶「鳩の糞」、喘息の記憶と内田百閒の随筆について「百閒の喘息」、刑務所で過ごした日々の日記を携え訪れた元ヤクザとの奇妙な交流「いのししの肉」、治らない腰痛に困り果て診てもらう事になった癖の強い老整体師との二人三脚治療の日々「葛飾」

    古き時代の陰影まで浮かぶような「鋸山心中」、埴谷雄高とのとぼけたやり取りがおかしい(白内障や手術については個人的に苦手な話なので少ししんどいが…)「目玉」、同じくとぼけたやり取りと奇妙な繋がりを築く「葛飾」「いのししの肉」等が好き。

  • どことなく儚げな色気

  • 勝手に短編小説集かと思い読み始めたのですが、エッセイなのかそれともエッセイ形式の小説なのか、その世界に誘われてしまったんでしょうな、当方。
    幾つかの話に独特の視点が感じられ、まぁまぁ楽しめました。やっぱりこの作家は「短さ」にその特性がありますなぁ。表題作然りですが、着想には唸らされますが、絶対に長編向きの語りじゃないもんね。

  • 戦争体験も病気の描写も、淡々としていて客観的。昭和を感じさせる短編集。

  • 自伝エッセイみたいな感じ?
    自分には微妙だった

  • 再読。旅のお供として新幹線の中で読了。主に病気に纏わるエッセイ風短編小説集。実にたくさんの病気と共生されてきた方なのですね。そこから甦る昔の記憶や情景、人間との関わりを淡々と語られるエピソードはシニカルでいて優しく粋な味わいです。白内障で先輩風を吹かす埴谷雄高とのやりとりが可笑しい。ひと昔前の文士はダンディ揃いで本当にステキです。

  • いのししの肉がおもしろかった。「目玉」の手術部分の描写が生々しく
    読めずに飛ばした。自分の目玉が妙な按配に・・・・

  • 吉行氏にはめずらしく女性の気配がない。質実でしっかりした文章が妙に新鮮だった。驟雨のような重さはなく、からりと読める。

  • 語り口がけっこう好み。

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著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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