- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101143163
作品紹介・あらすじ
白内障にかかった自分の目玉をプラスティックの人工水晶体にとりかえる大手術。その模様を、焦燥とも悲愴感とも無縁な、子供のような好奇心でクールに眺める作家の視線-。読者の意表をつき、ユーモアさえ感じさせる表題作のほか、鋭利な感性で研磨された過去の記憶が醸しだす、芳醇な吉行文学の世界。7編収録。
感想・レビュー・書評
-
病弱でインテリでセクシー。
こんな人がいたら2秒で恋に落ちます。
でもこの人とは幸せになれないだろうなー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どことなく儚げな色気
-
勝手に短編小説集かと思い読み始めたのですが、エッセイなのかそれともエッセイ形式の小説なのか、その世界に誘われてしまったんでしょうな、当方。
幾つかの話に独特の視点が感じられ、まぁまぁ楽しめました。やっぱりこの作家は「短さ」にその特性がありますなぁ。表題作然りですが、着想には唸らされますが、絶対に長編向きの語りじゃないもんね。 -
戦争体験も病気の描写も、淡々としていて客観的。昭和を感じさせる短編集。
-
自伝エッセイみたいな感じ?
自分には微妙だった -
再読。旅のお供として新幹線の中で読了。主に病気に纏わるエッセイ風短編小説集。実にたくさんの病気と共生されてきた方なのですね。そこから甦る昔の記憶や情景、人間との関わりを淡々と語られるエピソードはシニカルでいて優しく粋な味わいです。白内障で先輩風を吹かす埴谷雄高とのやりとりが可笑しい。ひと昔前の文士はダンディ揃いで本当にステキです。
-
語り口がけっこう好み。
-
病弱な自身、自分を取り巻く病気をエッセイ風に、淡々と綴る。客観的でユーモラスな視点ながら、人間が歳を取り、体の変調をきたしながら日常を送る事実を感じ、どこかうら寂しい。
-
エッセイ風の作品。短編集で、表題作では義眼手術を客観的に描いている。一見、エッセイのようでもあるし、小説のようでもある。それくらい自然体で書かれた作品群。それぞれ奇妙な(というと偏見を与えるかもしれない)他者と主人公(それは作家吉行氏自身とも言える)のやりとりが中心となっている。裏社会の男との交流や整体師の行動など、時にユーモラスに時に考えさせるように描いている。吉行作品を初めて読む人におすすめ。
-
短編集。著者が白内障を患って目玉の手術をする話は特にリアリティがあった。あまり知る事の出来ない作家の日常を感じる事が出来、読み終わったあとふと悲しい気持ちになった。
-
いつから本棚にあるのか。
どこで手に入れたのか。
全く記憶にない。
でも手放せずにずっと傍にある。病気小説ってことですが、派手じゃなくて感動しなくてあっさりしてて好き。