夏の終り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.32
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本棚登録 : 679
レビュー : 77
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101144016

作品紹介・あらすじ

妻子ある不遇な作家との八年に及ぶ愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされぬ女、知子…彼女は泥沼のような生活にあえぎ、女の業に苦悩しながら、一途に独自の愛を生きてゆく。新鮮な感覚と大胆な手法を駆使した、女流文学賞受賞作の「夏の終り」をはじめとする「あふれるもの」「みれん」「花冷え」「雉子」の連作5篇を収録。著者の原点となった私小説集である。

感想・レビュー・書評

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  • 実際、そばにいるときよりも離れている方が恋しいし、こっちといればあっちが恋しいとなるのは当たり前のことなのに、どうしても私たちはこれをこういうものだと割り切れない愚かさがある。二人の男に挟まれていることに優越感なんてないし、ただただ不安と申し訳なさが覆いかぶさってくるだけ、でもそんな苦しみの中で一人になることや二人になることを決めることはできるはずがなくて、ふっと、きっとずっとこうなんだという諦念がある、その時まで待たなければいけないんだろうな。

  • 厄介な四角関係、しかも不倫。この手の話なのに、なぜか爽やかさがありました。登場人物の誰一人にも肩入れしない、優しいようで冷酷な、作者の距離感のせいでしょうか。

  • 不倫の終わり、リアル。

  • 解説:竹西寛子、女流文学賞
    あふれるもの◆夏の終り(女流文学賞)◆みれん◆花冷え◆雉子

  • 初寂聴作品。
    なんかすごい濃くて強圧だった。
    これが原点となった私小説だって。
    これが瀬戸内寂聴か。

    善悪で量れない人間の深さや顔が
    あることをしみじみ感じる。

    ひかりちゃん主演の映画があるらしい。
    映像の方がぐっとよさそう。

  • 2013.9/20 初瀬戸内寂聴作品。時代の空気感が目いっぱい漂ってなかなか良かった映画。人間関係をも最小限の台詞で空気感だけで伝える感じがもやもやさせられて、即原作買いに走ったのにどこも売り切れ...しょうがなく図書館で借りましたが、昭和41年初版本定価90円って、新潮社は販売戦略を間違ったようですね(;^_^A 読んでみると、著者の細に入り微に入りの心の詳細な描写を台詞ではなく演技で見せてくれていたんだと納得させられます。また、やるせない気持ちの描写に幸田文との類似を感じました。

  • 映画を観てから読了。
    なんとも言えない人間関係の中にいるだらしない大人たちのお話に変わりなかった。

  • いくつもの章に別れた話かと思っていたら、
    連作短編だったようだ。

    最後の一編以外は、登場人物も同じで
    少しずつ「こと」が進展してゆく。
    どうしようもない邪恋に悩む袋小路の
    人々の苦しい叫びが聴こえるような話だけれど
    美しい日本語で描かれていることで
    ひやりと冷たい風が、ものがたりの
    湿り気のあるけだるい暑さを
    どこかクールダウンしてくれるような印象もあった。

    人にはそれぞれ想いがあり、
    いけないとわかっていても溺れてしまう
    哀しい感情がある。
    それを眼を背けることなく、きっちりと
    醜さは醜さのままに描かれていて、
    ひりひりするような読書時間だった。
    そして、それは決して絵空事でない
    生身の呼吸する人間の熱さでもあった。

  • 読書会の課題図書。
    瀬戸内寂聴さんのことはテレビでたまに見かけるぐらいしか知らないし、本も初めて読んだのだが、とても「女性」を感じた。

    「恋」が「愛」に変わっていく様や、「習慣」が想像以上に人を支配し安住させている様や、それらをスパッと断ち切ることのできない様や、恋の終りの冷静なすがすがしさや、それらのあくまで個人としての女と男のダメな感じや、人間的なもどかしさなどがそっと心に寄り添う感じであった。

  • 若き頃の寂聴さん、イケイケだなw

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。60年『田村俊子』で、田村俊子賞受賞、63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年、中尊寺にて得度。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、95年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞。2006年に文化勲章受章。『現代語訳源氏物語』『奇縁まんだら』など著書多数。徳島県立文学書道館館長、宇治市源氏物語ミュージアム名誉館長。

「2020年 『ひとりでも生きられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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