女徳 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1968年6月3日発売)
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感想 : 5
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  • 本 ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101144023

感想・レビュー・書評

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  • 60ページと、途中で挫折
    語り口が自分には高尚すぎて読み進めるのがしんどかった。この小説は一種の文学だな

  • 最後まで、主人公を好きになれませんでした。
    窪美澄先生のご本だと違うのかなぁ。

  • 京都祇王寺の庵主、智蓮尼が、自らの出家するまでの半生を、東京から訪れた柴岡亮子に語る形で物語は進む。田舎茶屋で見いだされたたみはその美しさ、気位の高さ、奔放な性格で、男性たちに愛され、千代菊、千竜として栄華を極める。そして、小指を切り、結婚し、二度の洋行、そして別れ。幾多の男に愛されながらも、満たされず。和三郎との肉体を伴わない愛。世俗からの離脱。寂聴さんが得度前の晴美名義で書かれた本なのに、寂聴さんの生きざまをなぞるような印象もある。600頁に及ぶ長編で、とても読みごたえがあった。

  • 大阪の花柳界に売られ、今なら小学生の頃から男性客にヒドいめにあわされてきた女性が京都嵯峨の祇王寺の庵主さんになるまでのお話。

    実在の女性をモデルにしていて、かなりリアルに彼女の半生を描いていました。
    ドタバタな人生模様で、ぐいぐい読ませていく感じ。

    中学生くらいの年に小指を切って男性に届けたり、けっこう激しいキャラの彼女は美しいだけで芸もイマイチだし、不憫な身の上だけど性格に問題があって共感できる部分は少ない。

    寂聴さんの文才で読ませていくけれど、もう1人の主人公っぽい現代の着物デザイナーの女性については描き切れていない感じがあり、読後の感想としては、お金持ちが少なくなると京都の高級料亭とかどんどん減ってしまうのかもなぁ~っという程度でした。

    モデルは別の人なのに、この小説を描いた寂聴さんのその後がこの主人公の尼さんにどんどん近づいて行った今が不思議にも思いました。

  • 女の一生。

    共感も尊敬もできず、むしろ嫌悪感があるけれど、人間特に男性を惹きつける力(女徳)は人並み外れているのだろう。あれだけわがままに、人に迷惑をかけながら生き、得度で浮き世から逃げ、いかにも清廉な尼のような暮らしをしているのって嘘っぽい。価値観も時代も女の生きていける道も今とは違うのだなぁと感じる。

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