手毬 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • 本 ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101144276

感想・レビュー・書評

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  • 思ったよりも、面白かった。というのは多分、小説として面白くなるような、ちょっとメロドラマ的な要素があって、良寛、貞心尼の人間臭いところに焦点があるからだろう。しかし、物語のキーとなる数々の歌について、分かるものもあり、分からないものもあり、で、充分堪能出来たかというとそうでもないのが、ちょっと口惜しい。精進しないと。

  • “手毬上人とか手毬法師とか呼ばれている良寛さまが、私の心の底に住みつきはじめたのはいつ頃からなのか。

    岩むろの 田中に立てる ひとつ松あはれ 一つ松 濡れつつ立てり 笠かさましを 一つ松あはれ

    「無理しなくていい、あるがままに、すべてを投げ出して、ひたすら仏におすがりしたら、必ず、み仏がすべていいようにはからってくださる」そんな声が無言の良寛さまから伝わってくるように思う。”

  • 寂聴さんによる最晩年の良寛さんの物語。

    聖の道にあって、俗の世で生き
    文学に心を寄せて

    寂聴さんの姿を、物語中の良寛さんからも貞心さんからも感じます。
    それだからいっそう、死に向かう姿とそれを看病する者の思いが、伝わってきます。

    人は、糞尿にまみれ、思うように働かなくなった自分の身体や頭のことを思いながら、死に向かうものかも知れず、そういう姿をまっすぐに受け止め、受け入れる器量を持ちたいと願います。

    もう一つ、語り手でもある貞心さんが、良寛さんとは違った形で縁を結ぶ佐吉という男性と、やはり死に向かう彼を看取るきくという女性の存在やその思いが、とても鮮やかで、男女間の思いの在り様、生きる喜びや悲しみをまた違った角度から感じさせられます。

  • 晩年の良寛さんと貞心女尼との話。良寛さんの詩の内容がわかればもっと良かったんだけど。現代語にしてもちょっと違うんだろうな。

  • せつないやりきれない!!
    良寛に心惹かれる若い尼さんの、心の交流の話

  • 良寛と若い尼僧の心の交流をベースに描かれた物語。
    私は家族の介護中にこの本に出会ったので
    物語で良寛が老いていくのがとてもリアルに感じられ
    人間の一生の長さを私に教えてくれた作品。

  • 慕って慕って・・晩年の良寛さまと 尼僧・貞心の心の交流。こんな愛もあるんだなぁ

  • 晩年の良寛さまと 尼僧・貞心の心の交流。こんな愛もあるんだなぁ

  • 鞠つきで有名な良寛さまと、教え子貞心尼のはかない心の交流。寂聴先生、女です…。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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