アメリカン・スクール (新潮文庫)

著者 : 小島信夫
  • 新潮社 (1967年6月27日発売)
3.69
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101145013

作品紹介

アメリカン・スクールの見学に訪れた日本人英語教師たちの不条理で滑稽な体験を通して、終戦後の日米関係を鋭利に諷刺する、芥川賞受賞の表題作のほか、若き兵士の揺れ動く心情を鮮烈に抉り取った文壇デビュー作『小銃』や、ユーモアと不安が共存する執拗なドタバタ劇『汽車の中』など全八編を収録。一見無造作な文体から底知れぬ闇を感じさせる、特異な魅力を放つ鬼才の初期作品集。

アメリカン・スクール (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2009年2月20日~23日。
     参ったなぁ、といったところか。
     人によっては「下手な文章だなぁ」と思われるかもしれない。
     そんな文章がこれほどに心に響いてくるものとは。
     八篇の短編集。
     そのどれをとっても面白い、どれをとっても胸に迫ってくる、どれをとっても考えさせられる。
     もっと早く知っておくべきだった。

  • シリアスなのに滑稽さが絡まって、読んでいると体の一部がなんだかむず痒くなってくる、ひと味違った作品。

  • 微笑が気に入った。外向きには良い父親を演じながら、誰も見ていないところで、何もわからぬ不具の息子への加虐欲求を満たす。根底にあるのは同族嫌悪であり、息子を痛めつけながら、自身の痛みを楽しむ。この気持ちがよくわかるのは自分もそうだから?

  • 表題作は視覚や聴覚といった点に注目するとなかなか面白い。

  • 「汽車の中」「燕京大学部隊」「小銃」「微笑」だけ読んで、自分に合わないので途中でやめ。
    文体は難しくないのに読みづらい印象。

  • 表題の「アメリカン・スクール」のほか「汽車の中」「鬼」「微笑」「馬」「小銃」がいいです(てか、ほとんどじゃねぇか)。

    作中の主人公達には閉鎖的な劣等感を宿しています。
    その劣等感は何に対する物なのか?
    敗戦後のあの時代の社会に蔓延した物なのか?
    普遍的な物か、個人的な物か?

    価値観が根底からひっくり返ったあの時代、戦後の日本人が抱えていた不安がヒリヒリと伝わってきます。
    自己の中で囲い込みくすぶり続けた劣等感の解放する術をしらない主人公達は、いったいどこに向かうのでしょうか。

  • 小島信夫は独特の文体、だと聞いていた。読んでみて果して納得である。しかし問題はその「独特さ」が何なのか、である。僕にとっては、「頭が理解しようとしてもできない」という独特さであった。いったい誰がどこで何をしゃべっているのか、読んでいてわからなくなるのである。流れるように文章が展開していない、というべきなのかもしれない。その「ひっかかり」が其処此処にある。

    ここに収録されている小説を、戦後の日本とアメリカの関係をモチーフした作品として理解することは容易い。でも、きっとこの小説を読むということは「そういうこと」だけではないのだ。すっと読み進められない「ひっかかる文章」は、「小説でありながら小説からいかに逸脱するか」という挑戦になっているような気がする。

  • 8つの短編小説が収録。

    個人的には、表題の「アメリカン・スクール」もよいが、戦時中の出来事を題材とした「小銃」もよかった。巧みな描写。

    また、「汽車の中」や「馬」も、独特な物語の展開で、不思議と引き込まれる。

  •  小島信夫の短編集。芥川賞をとったアメリカン・スクール。秀逸な「馬」等全八編。
     「馬」は不思議な作品だ。最初は家をローンで買って、ひたすらローン返済の為に働いている夫。そしてその行為さえ曖昧になってきた。しかし、妻を愛しているものの、顔をまともに見たことが無い。自虐的に妻への服従を誓わされている。すると、いつの間にか、家が増築されるという。更には、増築した1階には馬の「五郎」が住むという。その行為に、憤慨する夫、しかしなかなか言えず、頭がおかしくなってくる。棟梁が家に来ているとか、馬が妻の部屋に入ってくるとか幻想だか現実だかさえもはっきりしないトランス状態に陥り、最後は、妻から「愛しているのはあなたよ」と今まで聞いたことがない愛の告白を受けるというストーリー。馬は夫の男としての尊厳のメタファーであり、そこに挑んで行くという風に感じられる。そこがリアリティに繋がりつつ、同時に不思議な世界に誘う。
     なんじゃそれはという世界に、極々自然に入って行く感覚、どこからが現実でどこからが幻想なのか、ドラッグ的な、酩酊的な世界。短編の中でも、この夢のような世界に気持ち悪いくらい入って行ってしまうのは「馬」だろう。
     その他、日米関係の滑稽さを入れたりと風刺が効いた短編が入っている。鬼才という表現がぴったりの作家だ。

  • 初期のころの短編が天才的です。

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