アメリカン・スクール (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 560
感想 : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101145013

作品紹介・あらすじ

アメリカン・スクールの見学に訪れた日本人英語教師たちの不条理で滑稽な体験を通して、終戦後の日米関係を鋭利に諷刺する、芥川賞受賞の表題作のほか、若き兵士の揺れ動く心情を鮮烈に抉り取った文壇デビュー作『小銃』や、ユーモアと不安が共存する執拗なドタバタ劇『汽車の中』など全八編を収録。一見無造作な文体から底知れぬ闇を感じさせる、特異な魅力を放つ鬼才の初期作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 思ってたんと違った
    戦後すぐの日本の感じか

  • 小説とは、作者の意図やメッセージを投影する媒体ではなく、それが書かれることによって、結果的に作者の意図などを遥かに超えた「得体の知れなさ」として表出される芸術である、ということをこの作品集は示している。江藤淳と保坂和志の解説の対比も読む価値あり。
    (選定年度:2017~)

  • きわめて現代的。
    戦中戦後がまるで近未来のように感じられる。
    回避的性格の主人公は常にマウンティングを試みている。
    ネガティヴに満ちた作品群だが、それは不条理でサイケデリックな匂いがする。

  • 昨年5月の不忍ブックストリート『一箱古本市』で、100円で購入した一冊。昭和50年6月発行の十刷。
    王道的なレビューとすれば、「戦後」「アメリカ」「風刺」あたりのキーワードを使うということになるのだろうが、ワタシにはもうとにかく"イタイ"短編集という印象が強烈に。何が"イタイ"って、登場してくる男たちがのきなみイタイ。発言、態度、行動…どれを取っても、思わず「アイタタタ…」と突っ込みたくなるようなものばかり。例えば、このイタイ男たちはひたすら依存する。妻へ、愛人へ、物へ。そして、ブンブン振り回される。
    ただ、思わず笑ってしまうおかしさがあるのは確かなのだけれど、喜劇のように腹の底から笑えるものでは決してない。この男たちが見せているのは、人間の性(さが)とか弱さといったもので、それは自分にもあてはまる部分がある…と、どこかで感じてしまう。これが腹の底からは笑えない理由なのでは。この短編集の不思議なおかしさの奥には、そんなものが垣間見えた。

  • 戦後間も無くの空気感を孕んだ小説は、今と価値観自体が違っていて面白い。
    〝その中〟での情動が面白い。
    いい作品は、それがとても生々しく読める。
    中でも『微笑』が凄い。
    こんなに抉られる小説は他に無い。

  • 2009年2月20日~23日。
     参ったなぁ、といったところか。
     人によっては「下手な文章だなぁ」と思われるかもしれない。
     そんな文章がこれほどに心に響いてくるものとは。
     八篇の短編集。
     そのどれをとっても面白い、どれをとっても胸に迫ってくる、どれをとっても考えさせられる。
     もっと早く知っておくべきだった。

  • シリアスなのに滑稽さが絡まって、読んでいると体の一部がなんだかむず痒くなってくる、ひと味違った作品。

  • 微笑が気に入った。外向きには良い父親を演じながら、誰も見ていないところで、何もわからぬ不具の息子への加虐欲求を満たす。根底にあるのは同族嫌悪であり、息子を痛めつけながら、自身の痛みを楽しむ。この気持ちがよくわかるのは自分もそうだから?

  • 表題作は視覚や聴覚といった点に注目するとなかなか面白い。

  • 「汽車の中」「燕京大学部隊」「小銃」「微笑」だけ読んで、自分に合わないので途中でやめ。
    文体は難しくないのに読みづらい印象。

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著者プロフィール

小島信夫(1915.2.28~2006.10.26) 小説家。岐阜県生まれ。1941年、東京帝大文学部英文科卒。岐阜中学、第一高等学校時代から創作を始め、東大時代には同人誌「崖」を刊行。大学卒業の年に徴兵検査を受け、翌年入隊。中国で暗号兵として過ごす。46年、復員。岐阜師範学校に勤務。48年、上京。同人誌「同時代」を刊行。佐原女子高校、小石川高校を経て、54年、明治大学に勤務。55年、「アメリカン・スクール」で芥川賞受賞。57年、米国へ留学。63年、学生結婚した妻を喪い、この経験を、65年、『抱擁家族』へと昇華。翌年、同作で谷崎潤一郎賞受賞。68年から「別れる理由」を「群像」に連載。73年、『私の作家評伝』で芸術選奨文部大臣賞受賞。82年、.『別れる理由』で野間文芸賞受賞。89年、日本芸術院会員となる。94年、文化功労者に選出される。98年、『うるわしき日々』で読売文学賞受賞。99年、郷里に小島信夫文学賞が設立される。主な著書に『小銃』『墓碑銘』『美濃』『月光』『暮坂』『各務原・名古屋・国立』『残光』など。

「2016年 『抱擁家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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