夢に殉ず (新潮文庫)

  • 新潮社 (1999年10月28日発売)
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感想 : 2
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  • 本 ・本 (720ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101146355

感想・レビュー・書評

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  • 妻がいるのに、働かない上に浮気も一人旅行も嫁黙認でしまくりのフラフラ男はフィクションでも許せない!という人は読まない方がいいかもしれません。

    結婚はしているが、フラフラとしている主人公・天野翔。
    神経質で世間体を気にしている実の姉からは、彼女の娘の結婚式に出ないで欲しいと言われる上に海外出張で居ない体を装ってほしいといわれる程。
    収入は主に一軒の安アパートの経営。服は大抵誰かのおさがりやフリマで安く買ったもの。
    風呂はどこかで手に入れた薪を燃やして沸かすタイプ。
    食卓に出てくる野菜も、畑で取れたもので、半自給自足生活。
    おまけに、愛してやまない妻が居るのに、愛人が複数人居る上に、しょっちゅうあちこち知り合いの所などに旅行へ。

    主人公は何かしらの組織に属して働く人間からみれば、きっと駄目人間と称されそうな人間ですが、友人は多く、いつでも心安らかに過ごしています。
    曾野綾子さんはエッセイで日本人の心の貧しさについてお話しされていることがありました。
    本作では、人が本当に大切にするべきもの、楽しむべき事を天野翔という男を通して綴られています。
    天野飛翔が妻とテレビを見ている時は、若干キャラがぶれている感覚を覚えましたが、貧しくても心豊などうしてだが憎めない主人公は読んでいて少しホッとさせられます。
    ページ数もあり、読み応えはかなりあります。

  • 700ページもある超大作。

    単調だけど、のんびりしていて
    心が穏やかになれる本。

    ラストも曽野さんらしい終わり方です。

    すごく暇を持て余しているときに再読したいです。

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著者プロフィール

1931年、東京に生まれる。作家。53年、三浦朱門氏と結婚。54年、聖心女子大学英文科卒。同年に「遠来の客たち」で文壇デビュー。主な著作に『誰のために愛するか』『無名碑』『神の汚れた手』『時の止まった赤ん坊』『砂漠、この神の土地』『夜明けの新聞の匂い』『天上の青』『夢に殉ず』『狂王ヘロデ』『哀歌』など多数。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。93年、日本芸術院・恩賜賞受賞。95年12月から2005年6月まで日本財団会長。

「2023年 『新装・改訂 一人暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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