二月三十日 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2011年1月28日発売)
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感想 : 6
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  • 本 ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101146454

感想・レビュー・書評

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  • 著者の作品を、感動なしに読み終わったことは一度もない。いずれも、称賛と深い感銘、時に涙、そして人間について考えさせられる、謙虚な気持ちになる、と言った結末。キリスト教について知らないので、それに裏打ちされた著者の人生観をすべて読み取れていないのだろうけど、伝えたいことの本質みたいなものは、いつも温度を持って私の中に残る。
    一番好きな作家。短編集は少ないと思うが、秀逸。

    • hotarubukuroさん
      曽野綾子さんの本に対する自分の心情そのままで、え?自分が書いたの?とバカな錯覚してしまいました。『2月30日』静かで怖くて読後数日経ても心が...
      曽野綾子さんの本に対する自分の心情そのままで、え?自分が書いたの?とバカな錯覚してしまいました。『2月30日』静かで怖くて読後数日経ても心が騒ぎます。
      2022/03/04
  • 曽野さんの、重厚な長編も好きだけど、ひんやりした短編もいいなー。

  • 20120304読了
    #季節

  •  短編集だったが、どの話もボンヤリ考え事をしているような、自分を2,3m離れた位置から見ているような、そんな心地で読んでいた。
     登場人物それぞれの人生は結構波乱万丈というか、書き方によってはもっとドラマチックな物語になりそうなのに、何だかとても静かに感じる本だった。

     曽野綾子氏の著作は始めて読むのだけど、何故か読みながらずっと横山秀夫氏の著作と比べていた。
     横山氏の著作は、登場人物の内面にズンと踏み込んでいるのにとてもドライという印象。例えが余りよくないけど、人間の胸の辺りから内臓にズボッと腕を突っ込んで、その時はとてもベッチョリした感じはあるのに、引き抜いた瞬間、腕に付いた血は全て乾いているような。
     逆に曽野氏の著作は、ウェットな内容なのにとても距離がある印象。あちら側にとても湿った場所があるのは分かるのだけど、自分はそこには近付けない、一定距離の場所までしか行けないような。もっと心が揺れ動いてもいいようなものなのに、それをさせてくれない雰囲気を感じた。

     どれも印象深かったのだけど、特に印象に残ったのは『ジョアナ』『二月三十日』『手紙を切る』『櫻の家』の4作。
     これからも曽野氏の作品は読んで行きたい。今度は長編も。

  • 110206購入

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著者プロフィール

1931年、東京に生まれる。作家。53年、三浦朱門氏と結婚。54年、聖心女子大学英文科卒。同年に「遠来の客たち」で文壇デビュー。主な著作に『誰のために愛するか』『無名碑』『神の汚れた手』『時の止まった赤ん坊』『砂漠、この神の土地』『夜明けの新聞の匂い』『天上の青』『夢に殉ず』『狂王ヘロデ』『哀歌』など多数。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。93年、日本芸術院・恩賜賞受賞。95年12月から2005年6月まで日本財団会長。

「2023年 『新装・改訂 一人暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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