- 本 ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101147215
感想・レビュー・書評
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サンカと呼ばれる流浪の民をモチーフにした作品。
無国籍で山の中を渡り定住しない自然と共生した生き方。
国家の枠から外れた存在。
その存在を通してまた今までと違った国家観が持てるんじゃないかな。
かなり強い前提にあるものだから。
モデルのあるのもあればフィクションの部分もあるしでファンタジーみたいなものだけど考えさせられる良い作品だったかな。
独特の雰囲気を醸し出してる。
歩くって事に関しても面白かったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
流浪の民の組織の話。
巨大企業や非社会的集団や日本の歴史が絡み影で動く人がいる。
文化人類学や民俗学の参考文献が5ページくらいあり壮大なつくりでした。
山が好きな人はいいかも? -
再読。
五木寛之作品の中でいちばん好き。
民俗学や自分のルーツに興味が湧きます。
「歩くこと」についての描写や思想もたまらない。
近いうちに大和路を歩こうと思います。 -
普通
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自分のルーツ。知らないよなぁ。
こういう一族は本当にあるのかなぁ。 -
五木寛之 「風の王国」 国家の枠に属さない放浪民族の末裔が主人公のアイデンティティ小説〜自分は 何者なのか、自分は どこから来て、どこへ行くのか を問うている。著者は、現在の自分が自由になるために過去を知る必要があるとしている
山と里のあわいを流れる放浪民族は〜社会の血液であり、社会に活力と生命を与える必要な存在としており、放浪民族の生き方(アイデンティティ)に 日本人の心や超国家思想を見出しているようにも読める
タイトルの「風」は 放浪民族の生き方(移動性や不定住性)や 跳ぶような歩き方をする放浪民族の象徴なのだと思う
放浪民族の生き方(アイデンティティ)
*相互扶助と自然共生〜自分が大きな有機体の一部である生き方
*勝つか負けるか、決断を迫られたときは〜負けて世間の陰を流れて歩く〜世間から離れ一所不住の道をゆく
*前進をやめて後退する生き方〜取るのでなく捨てる生き方〜土地を捨て、安住を捨て、身体ひとつで流れて生きる
市民生活に溶け込みながら、強大な経済力と暴力装置を持ち、秘密結社化して王国を再生した一派との対立構造は、放浪民族の本来の生き方(アイデンティティ)を理解する一助になる
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日本の少数民族のサンカ、存在は知っていたけど「山窩」であまり良くない言葉だって初めて知った...今ではもう自分がサンカだと認識できている人は少ないって何かで読んだけれど、こんな感じで彼らの心情を未だに暖めて育んでいてくれたらいいのにな、と思った。
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人の集団を形成すると、特定の人たちを自分たちより不幸な立場に置き安定を得るのだろう。今の学校の苛めもその小さな共同体での事象かもしれない。
ハードボイルドな味つけもある伝奇小説。2021.1.2
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五木寛之の作品





