江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101149011

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  • 初江戸川乱歩作品。

    『二銭銅貨』
    江戸川乱歩の導入としてやさしめなお話。怪盗に憧れる書生二人の知力バトルと思いきや、最後の思わせ振りな描写が秀逸。

    『二癈人』
    ある意味一番ぞっとした話。こういう巧みな心理操作で人生が狂うというのはミステリーというよりとてもリアルな感じ。

    『D坂の殺人事件』
    明智小五郎初登場作品。
    奇抜なトリックを描くのではなく人間心理の奥深さ、恐ろしさを描く、江戸川乱歩独特の探偵小説。素人の主人公がトリック的な部分に着目して犯人を見誤ったのに対して、探偵の明智小五郎は徹底的に心理的な部分を探索して真実にたどり着いているのが面白い。

    『心理試験』
    こちらもお得意の人間心理を専門的に描いた作品で、明智小五郎も登場。
    主人公は殺人に至るまでに色々と考えを巡らせ、知力の限りを尽くして偽装工作も万全に整える。だけど明智小五郎の眼力にかかればそんながっちがちに固めた偽装工作にもわずかな綻びが見つかって、最後は粉々に崩壊。

    『赤い部屋』
    罪に問われることのない殺人。作中では作り話ということになっているけれど、現実にそんなことがあるのかもしれないと思わせるトリックと、赤い部屋の中に漂う緊張感が凄まじかった。

    『屋根裏の散歩者』
    ちょっと滑稽な感じのするお話。他の作品同様、殺人がなされそれが探偵によって暴かれるという内容だったけれど、主人公が屋根裏から覗く人間模様をメインに描いても面白そう。

    『人間椅子』
    まさに気味が悪いの一言。屋根裏の散歩者に似ていて、他から気づかれずに人の様子を観察しているわけだけれど、椅子の中の観察者が観察相手に対して抱く欲情など、とてつもなく狂気。

    『鏡地獄』
    鏡の魅力に取り付かれて狂っていく青年のお話。これも相当理解も共感も困難な話だけれど、親もなく周りに構ってくれる人間も少なく、財産だけがたくさんあるという状況で、少しずつ世間一般とは感覚がずれていってしまう様子はなんとなく分かる感じがした。

    『芋虫』
    閉鎖された空間の中でただただ獣のように快楽に溺れる男女のお話。
    何が恐いかって、手足を無くして何も出来ない状態であるにも関わらず生かされた人間の悲惨な末路がとてつもなく後味が悪く恐ろしい。

  • いやはや乱歩をなめていた。

    どの作品も素晴らしかった。
    どんでん返しとか、趣向とか、全然現代に通じるよ!と言う感じ。

    そして読みながら、現代作品に影響を与えてるんだなあと思ったり。
    D坂は恩田陸、心理試験は東野圭吾、赤い部屋や人間椅子は乙一っぽい。他にもなんかどっかで読んだような話というのを大昔に書いてるんだから、乱歩はすごい。

    少年探偵団のワンパターンさしか印象になかったので、なめきっていた。すごいなあ。

  • 変態による変態のための変態の推理小説。

    あまりの読みやすさに驚いた。
    推理も勿論素晴らしいが、人間の深層心理や生理的欲求による犯罪の恐ろしさを表現するのが巧みすぎる。怖いもの見たさに、ページをめくる手が止まらなかった。

  • 満島ひかり主演でが映像化したものを見て興味が湧いたが、
    本当に本当に本当に傑作で感動している。
    ずっとこんなお話が読みたかった...

  • 「D坂の殺人事件」のみ読了。タイトル有名だけど、実はまだ読んだことなかったので、実は明智小五郎とは初めての邂逅。whodunitとwhydunitの合わせ技。そして乱歩らしい設定。楽しめました。


  • 乱歩の初期作品集という事で、最初はある程度
    探偵小説じみたものから回を増す毎に人間の
    キチガイじみた欲求を芸術に昇華した恐怖小説…
    という印象だった。
    巻末の評論では乱歩が作家に就くまでに、
    いくつかの職を渡り歩いていたことで得た
    発想をもとに生まれた作品もいくつか
    あったようで、これらは数多の知識と
    経験の為せる技なのか…と納得した。

    まず乱歩のなにが好きかというと、
    事件におよそ関係のない事柄は省略し
    要点だけを述べてかつ、重大なことは
    見落とさないよう注意してくれることで
    読み手を脇道に逸らさないでいてくれること。

    書き手である乱歩自身が時折、
    作中に語り手として現れて「読者諸君」と
    語りかけてくれることで親密感を味わえること。

    ミステリーというよりは人間の心理を巧みに
    操った非現実的なようでいて身近に潜む犯罪の
    恐ろしさが凝縮されてこの一冊で味わえる事。
    人間の生理的な欲求がそのまま犯罪思考に
    つながっていくという事が、決して他人事では
    ないようなそんな恐ろしい感覚。

    すべては乱歩の思うがままに事が運んでいくことが
    なんの抵抗もなく素直に受け入れられる。



    「芋虫」が間違いなく傑作であると思えるのは
    わたしの中に無自覚のうちにある残虐性に
    よるものではないと思いたいのですが……

  • 推理小説だけど人間の深層心理とか狂気が蠢いてるのが怖いところ。

  • 江戸川乱歩の短編傑作集。
    どれも非常に面白かった。

  • 誰のような小説家になりたいか?と聞かれたら間違いなく「江戸川乱歩」と答える。

    文章力、構成力、発想力、全てに置いて好み。

    江戸川乱歩からは相当影響を受けたが、久しぶりに読み返しても、やっぱり凄い。

  • 江戸川乱歩は初めて読んだ。思っていたよりずっと読みやすい文章。「二廢人」と「赤い部屋」が良かった。

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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