江戸アルキ帖 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101149110

感想・レビュー・書評

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  • 鎖国時代、徳川家支配・幕藩体制の中央行政府・江戸は、大阪という『天下の台所』から一方的に消費財の供給を受ける一大消費地であり、武士は薄給でも体面を保つ義務があり、異性との出会いもなく大変だったが、向上心の無い一般町人にはのんびりとした暮らしが保障されていたらしい。一日の仕事は午前だけのせいぜい4時間、観劇や園芸や魚釣りを楽しむ人々。ゼロ成長のもと、没落してもさほど恥ずかしくない。実業家は養子や番頭に人を得て事業を継続させようとするが、道楽も許容されている。新陳代謝が生体を維持するように、家名を保つシステム
     文献史料もさることながら、北斎・広重などの道中記浮世絵など絵画史料があるから、応用してこれだけの創作が出来る。人口でも識字率でも常備武装兵力でも世界一の都市であった江戸(黒船の火力にだけはおじた)は文化(大宰治に言わせると文華)でも世界一であったと思う。

  • この本を読みさえしなければ。

    ***

    週に一度江戸を歩いて、その風景を現代に帰ってからスケッチします。

    っていうコンセプトで書いた歴史エッセイ。
    清々しい江戸の風景に、ぽつぽつと呟かれる文章に魅かれた。

    五年後、江戸時代の魅力にとりつかれたまま史学科に入学、研究も江戸文化になった。

    この本を読みさえしなければ。

  • 未来にて、免許証を持てば、過去に遊びに行ける。

    絵日記のように、行った先でのちょっとした事。
    そして免許を取ったからと言って
    何をしてもいい、というわけでもなく。
    読み進めていけば、その辺りも分かってくるし
    等級があるのも。

    しかし、どうやって帰還していたのでしょう??

  • 杉浦日向子
    江戸アルキ帖

    江戸散歩カラーイラスト集。江戸名所をモチーフとした風景画と人物画が多く掲載されている。文庫より大型本で見たい一冊。

    若旦那の着流しな感じ、芸者の艶、庶民の明るさなど 江戸人の表情を描かせたら 著者は一番だと思う。力作感がなくて、他愛ない感じが いい。





  • 1ページの絵と1ページの文章。日付と天気。江戸の町のお散歩ガイド、あるいはタイムトラベル絵日記。ただひたすら江戸の町を歩く。その日の気分で行き先を決める杉浦さんのように、適当に開いたページを読むのも良い。のどかな江戸の町に、自分も降り立った気分になれる。

  • カラーのイラスト127点が収録され,江戸の名所を現代からタイムスリップしたように,杉浦日向子が散歩の延長でみてきたようなリポートをする。

    読んでいるうちに,こちらまで、そんな場所が今でもありそうな気になってくる。

  • 杉浦日向子の見てきたような江戸風景の漫画と小文。魅力ある文章を書ける作者にはあまりにも少ない量の小文であるのが難点

  • のっけから何の断りもなしに日本橋へ「行って来た」と、シレっと言ってしまう師匠。タイムトラベル、免許、管理局という単語が忍び込んできて、SFなんだろうけど、師匠のは完全に紀行文だ。カラーイラストは、本当に江戸の町へ行って見て来たような感じ。日本橋が現代と江戸の出入り口になるということから、徒歩か猪牙舟だけが頼りで、自ずと行動範囲が限られるのが残念。師匠が旅するのは江戸中期から後期にかけて。この年代を選んだのは、やはり江戸文化が「枯れている」からか。速読してはもったいねー。ゆるり、楽しみながら読みてーものだ。

  • 江戸ガイドブック(寅さん)

  • 江戸は、遠い過去ではありません。
    あなたのすぐ近くににも名残があるかも。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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