風流江戸雀 (新潮文庫 す-9-2)

  • 白泉社 (1991年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (202ページ) / ISBN・EAN: 9784101149127

みんなの感想まとめ

江戸の日常生活や人々の温かな交流を描いた作品は、古川柳を通じて、軽やかな会話やユーモアを楽しむことができます。独特の絵柄や言葉のやり取りは、読者に懐かしさや心地よい時間を提供し、まるで江戸時代にタイム...

感想・レビュー・書評

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  • もはや杉浦日向子さんは私の趣味。

    本屋に行くと、ちくま文庫、小学館、新潮文庫をふらふら〜っと日向子さんの作品がないか見てまわる。
    まだ自分の手元に無い作品を見つけると、とっても嬉しい。もちろんお買い上げ。

    「東京江戸雀」
    古川柳から漂う江戸のゆったりした日常生活や軽やかな会話や雰囲気を漫画で楽しむことができる。使われている古川柳は86句。5ページ前後の漫画に川柳が2〜3句。

    日向子さんならではの作品だなぁ。

    家族の団欒、独り身男の生活、夫婦げんか、からかわれる娘さん、恋人同士、男のつきあい、日向子さんの描く江戸の日常はどれも愛おしい。

    「もっと聞かせなんし」…、最近は、なんちゃって吉原言葉で話して家族にうざがられてます。

  • もはや杉浦日向子の何を読んでも面白い。

    絵を隅々までみて、はて?と考えてみたり、粋な言葉のやり取りに笑ってみたり、今は見かけない庶民の生活に思いを馳せたり。
    時間をゆっくりと過ごせる感じがするので、絶対に一気に読まない。
    一話ずつ味わって。
    川柳の笑いは、少しこそばゆい感じ。
    文化的だったんだなー。

    玉村豊男さんの解説に出てくる江戸の名残りを、子どもの頃体験していたことに気づいて、ちょっと幸せな気分になった。

  • 時々思い出したように、杉浦日向子の絵を見たくなる。
    ーそうそう、この風流を、まだ俺はわかるんだぜ
    などと、思いたいのかもしれない。
    カバー裏の彼女の紹介文を見たり、あとがきの日付をみて、この本が月4Pの連載で、4年の月日で完成したことを知る。だとすると、これを描き始めたのは、25歳の頃だということになる。人生の粋も渋も枯も艶もわかったような絵を、どうして彼女は描くことが出来たのか?

    田辺聖子が序文で、
    ーこの本にえらび採られている古川柳は、すべて古川柳の代表作ともいえる佳句である。
    と言っている。
    「仲人を こよみでたたく お茶っぴい」などは、今はない暦やお茶っぴいという単語はあるが、何と無くわかる。「おちゃっぴい へそから出たと 思って居」となると、昔の近所に居た女の子のことを思い出した。
    「細見を みてこいつだと 女房いい」となると、細見(さいけん)が何か、わからぬとお手上げだ。なんと遊女名鑑らしい。江戸にはそんなものまであったわけだ。杉浦日向子の女房は、その名にぎゅうっ‥と爪を立てる。おゝ怖。「火箸にて野暮め野暮めと書いて見せ」などは、言葉はわかるが、そんな状況は、現代では絶滅している。「雨宿り 惜しい娘に 傘が来る」もう絶滅はしているが、気持ちはまだ絶滅してはいない。

    2017年8月16日読了

  • 短編まんが集。古川柳を冒頭と末尾に絡め、それをフックに江戸の町人の生活ぶりを切り抜いていく。おおらかで洒落がある。


  • 江戸時代から続く人間のひきこもごも。

    ほのぼのとした日常、恋の歌に嬉しくなる。

    「しかられる たびに息子の 年が知れ」
    「雷を まねて腹がけ やっとさせ」

    「風流江戸ごよみ」や「半七」でも思ったけど、身分の違いや貧富の差が今よりあることで恋愛が一大事になることも多い。

    おおらかな一方で感情表現が激しく男女の派手な喧嘩も「あるある」、まさに江戸の花とされているのがおもしろい。

    「胸ぐらを 取った方から 涙ぐみ」
    「ほれたとは 女のやぶれ かぶれなり」
    「細見を みてこいつだと 女房いい」

    読みやすい漫画での自然な補足でスッと内容が入ったきてとても読みやすかった。

    これがいちばん好き!
    「れていても れぬふりをして れらたがり」

  • 序文「日向子浮世絵」田辺聖子
    Ⅰ 風流江戸雀 12話
    Ⅱ 古川柳つま楊枝 10話
    Ⅲ 古川柳つま楊枝 10話
    Ⅳ 古川柳つま楊枝 11話
    あとがき 杉浦日向子(1987年5月吉日)
    さくいん (86句)
    解説 玉村豊男

    NOTE記録
    https://note.com/nabechoo/n/n8cdba0e69ff3

    構成は、1話各4ページで2句の古川柳に合わせた漫画となっている。江戸時代の庶民の生活が、端的にあらわされてるようで、短いながらも、味わい深い。「風流江戸雀」では、雪見や花見、行水や花火など風流なネタを、1年12話。「古川柳つま楊枝」では、夫婦喧嘩や恋模様、吉原にスネかじりにおちゃっぴい、などなど。31話、多様な庶民のドラマがある。微笑ましかったり、切なかったり、色っぽかったり。情緒溢れる江戸の世界が身近に感じられて、ほっこり。。。

  • (2006.08.12読了)(2006.07.09購入)
    先日、初期作品集「ゑひもせす」を読みました。「風流江戸雀」は、1988年文芸春秋漫画賞受賞作品とのことです。単行本は、1987年5月に潮出版社から刊行されています。
    一篇4頁の中に川柳二首をはめ込んで、江戸庶民の生活を生き生きと描き出しています。「ゑひもせす」と同様、結構、艶っぽい話もありますが、上手に描いています。
    川柳を文字だけで読むとどういうことか分かりにくいのが、杉浦さんの描くショートストーリーによってよくわかるようになります。
     花の雨 ねりまのあとに 干大根
    花見に行って、急に雨が降ってくると、若い女性が着物の裾を上げて急ぐ姿の後ろに、お婆さんが続く絵が描いてあります。
     しかられる たびに息子の 年が知れ
    母親が息子をしかっている絵に、「まったくこの子は二十歳にもなって!!」という台詞がついています。
    絵がなくてもわかる川柳もありますが、杉浦さんの絵によって江戸の庶民の姿がよくわかります。楽しみながら、江戸が学べてしまう。

    絵師 杉浦 日向子(本名:鈴木 順子)
    1958年11月30日 東京生まれ
    日本大学芸術学部中退
    1988年 『風流江戸雀』で文芸春秋漫画賞を受賞
    2005年7月22日 下咽頭癌のため死去。46歳。

    ☆関連図書(既読)
    「ゑひもせす」杉浦日向子著、ちくま文庫、1990.07.31

    (「BOOK」データベースより)amazon
    川柳は俗なるものではあるけれど、俗きわまれば雅にいたるもの、何でもない日常の瑣事を詠んで人生の核心を衝くのである。この本にえらび採られている古川柳は、「柳多留」の中でもことさらの佳句で、古川柳の代表作ともいえるであろう。

  • 目も耳もたただが口は高くつき

  • 江戸川柳を題材にした漫画。久しぶりに杉浦さんの本を読む。江戸後期、厳しい身分制度の中でも庶民は楽しむことを忘れていない。江戸の雰囲気、時間感覚、男と女の情など、やっぱり著者は伝えるのが巧い!

  • 杉浦日向子さんの江戸風物漫画、ほっこりできます。

  • 古川柳十七文字から浮かびあがる情景を生き生きと描いた作品。中には浮世絵がそのまま動き出したような印象のものもあり,何度読んでも引き込まれる。

  • 「柳多留」の中でも佳句で、古川柳の代表といえるものをマンガ化した本です。
    読んでいると、江戸時代の暮らしぶりや風流を感じます。
    また川柳も、句だけで見ると一読しては分からないものも、絵がある事で「なるほど」と納得して見る事ができます。
    正月から始まり、如月、弥生と続くお話は季節感もあり、まるで歳時記のようだと思いました。

    目も耳もただだが口は高くつき
    (本作より)

  • 4ページ構成。
    最初と最後にひとつずつ川柳が掲げられ、それに沿った内容の小話が披露される。
    これはとても読みやすくて、思わず人に薦めてしまった。珍しく。

  • 江戸の川柳を元にしたマンガ。各話4ページで、最初と最後に川柳が一つずつ挙げられているという趣向。しっとりした漫画。江戸時代の庶民たちの、明るいユーモアが、ほんのりした健康なお色気とともに出ている。

  • 大阪・古本のオギノにて購入。
    古川柳たのしい。

  • 『二日の夜 浪のり船に 楫の音』粋!

  • 江戸の人々の暮らしを、実際に残っている川柳に絡めて描いた掌編集。
    あたたかくも淡々とした筆致にほっとさせられる。
    確かな考証に基づく異様な現実感。ページをめくれば一瞬で江戸へトリップできます。(鈴)

  • やっぱりいいなぁ、この雰囲気。
    たまに出てくる、まるまっちい雀もいい。

  • 粋で豊かな江戸庶民の日常が心地良く描かれている。さんまじゃないけど ♬幸せってなんだっけなんだっけ♬ 豊かさってなんだっけかな?

  • 裏表紙
    どこか懐かしい江戸の情緒を「日向子浮世絵」を見て思い出してみませんか? 花見、吉原、行水、金魚売り、夕涼、紅葉、夜そば売り、火鉢、寒参り・・・。町娘の純情な恋や、スネかじりの若旦那、長屋の夫婦喧嘩など江戸庶民の日常ドラマ・・・。現代の浮世絵師・杉浦日向子が「柳多留」などの古川柳を題材に、愛情を込めてしみじみと江戸の泰平を描き出す。1988年文春漫画賞受賞作品。

    この作品は昭和六十二年五月潮出版社より刊行された。

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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