4時のオヤツ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.29
  • (16)
  • (30)
  • (78)
  • (9)
  • (6)
本棚登録 : 354
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101149196

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 残念ながら閉店した店もあったが、オヤツに関わりながらの何気ない会話がやさしい気持ちにさせてくれる。

  • 身近な人との何でもない会話、共通の感情、もっと大切にしていきたいと思いました。蔑ろにしている訳ではないけれど。もっとこう、噛み締める、的な。

  •  どこでにも存在する普遍的な空気感を切り取って文章にした、そんな感じの作品。なかに出てくるのはほとんどが会話で、たまに出てくる描写はト書きのようなものしかないが、それが逆に会話を引き立たせているのかなと思った。

  • 読み終りました!

    色んな短編でした(#^^#)


    食べ物もおいしそうでした(〃゚σ¬゚)ジュルリン..
    写真を見ているとお腹がすきそうになりますよ♡

  • (中古にて再入手。前に読んだのはどこかに送ってしまったのか見当たらなくなってしまい…)
    主に都内で手に入る実在のおやつをたねにした掌編集。基本的に地の文無しで二人の会話だけで展開される、これがおもしろい。容姿や景色や人間関係などの描写や説明はまったくなくても、場面がありありと思い浮かび声が聞こえてきそうな、読むマンガ。
    新宿の都庁舎ができたばかりの頃、実在のタレントの名前もちょっとなつかしい。刊行時にすでに手に入らなくなっていたものがあったけれど、今はますます少なくなっているのかな…(調べるのがこわい)

  • 2017年2月20日(月)放送のNHK「グレーテルのかまど」で、
    杉浦日向子さんの好物として、クリームパンが紹介されていました。

    日向子さんのお兄様・鈴木雅也さんの語るところによれば、
    両親とも共働きであったため、子供をおいて仕事に行くことを後ろめたく思った
    お母様・廸子さんが、おやつとしてクリームパンを残して行ったとのこと。

    幼少の頃偏食がちで、肉や野菜を食べられなかった日向子さんに栄養をつけるため、
    栄養価の高い卵を使ったカスタードクリームのたっぷり入っているクリームパンを
    選んだところに、母の愛情がつまっているというお話でした。

    本書の「新宿中村屋のクリームパン」のエピソードは、
    創作ではあるけれど、日向子さんとお父様・茂雄さんの親子の距離感が
    色濃く反映されているそう。(鈴木雅也さん・談)

  • 何だか思っていたのと違った……食べ物あんまり関係無い?女独特の会話が苦手だな。ちょっと期待はずれでした。

  • 夕方四時のおやつをめぐる風景を会話メインで描写。作者のやりたかったことはよく理解できるが、こればかりを読み続けていくのは結構苦痛。

  • 読了日20130803 船橋屋のくず餅食べたい。

  • 超短編がいっぱい

  • なんか文章が古いなぁ。

    ただここまで日常風景をそのまま描写してしまったことに何かを感じる。

  • おやつにまつわる短編。
    詰まっているのはおやつを介して紡がる人と人の物語。物語とまではいかないまでも物語の一部分である。母・父・娘・息子・兄・姉・女友達に老年夫婦、孫やいとこや叔母という自分にとって近しい人達の間で普通に交わすなんてことないやりとりに「おやつ」を登場させ、世知辛い部人生や、理不尽さや手持無沙汰な隙間におやつはすうーと溶けていく。
     
     会話の言葉使いが非常に上品。毒舌な部分も出てくるけれど、日本語でしか言い表せない(英訳するのが難しい)表現が風流だなと思う(それを解説では「粋」と言っている)角がなくすべりおちるようななめらかさがあっていい。
     スーパーやコンビニに売っているお菓子では描けないまあるい世界が広がっている。

  • 33種のオヤツを扱った小品集。
    各作品は会話のみ、もしくはト書きのような情景描写を織り交ぜて書かれている。その為、ちょっとした演劇をみるかのようで読みやすい。また、とりあげたオヤツの写真が色を添えている。

    ただ、オヤツ自体の描写が少なく、内容とうまく溶け合わずに終わっている作品が多い気がする。おやつのある日常の風景というよりも、小道具として風景の一部に埋もれてしまっているような印象。

    いくつか魅力的な作品もあるので、少し勿体ないというのが正直な感想である。

  • それぞれ銘菓にちなんだショートストーリーになっている。
    悲しいかな ほとんど関東のお菓子なので、
    食べたくなっても手元にない。。。

    登場人物の描かれ方はシナリオっぽくもあり。。
    おやつを主食にしたい今日この頃。

  • 気持がなんとなく「くちさみしく」なっったときに
    なにげなくぱらぱら読む。。

    バブル期の描写、時代をかんじる。

    なんとなくコンビニのお菓子なんかを買ってしまいそうになったとき
    「おなかがすいてるわけではなく、
    こころが所在ないだけなんだよなあ…」と
    この本をおもいだすと、
    無駄遣い、無駄食いが省けて便利。。

  • ほぼ会話のみで綴られた日常話の中に
    そっと存在する、題名のおやつ達。

    という事は、この話はすべて4時頃に起こったもの、なのでしょう。
    ほとんど夕飯に近い時間帯。
    確かに食べるのをためらうような時間です。
    でも美味しいものがあるならば…手がついw

    最後には、お店の住所もついていて
    食べに行こうかどうしようか、悩む所です。
    が、閉店された所も…残念!

  • 登場するお菓子は食べたことのないものばかりだけど、その上を行き交う会話は、聞き覚えがあるというか、似た経験をしたものばかり。いつの時代も、人間て似た感情を抱くものなのかなぁ。30過ぎると、両親のことこんな風に思うんだなぁとか、遠距離夫婦の会話って、うちらも特別じゃないんだなぁとか。人間観察の勉強になりますね。

  • おやつの出てくる短編集。
    実在のお店の実在のおやつが登場する。
    話としては・・・これといって大事件がおきるというわけではなく。
    「おやつのある日常の一部分を切り取った」というかんじ?

  • ほっこりする。誰かとおやつを食べたくなった。

  • 3時ではなく。

  • 壊れやすい砂糖菓子のようだったり、粘りある餅菓子のようだったり。
    お菓子に譬えた女心の機微、33篇。

    「4時」という半端な時間をタイトルにつけたのはは絶妙だ。
    そして、「4時」につづく「オヤツ」。カタカナ。読んでみてなるほどと思う。ごくごくありふれた日常生活のなんでもない一部分を切り取っている。このなんでもないという感覚は中途半端に近い感じなのだが、「4時」という時間からうける印象はまさにそうではないだろうか。似ていると思ったのだが。
    そして、物語の会話の中には、仄かに甘い空気が漂っている。その甘いものこそ「オヤツ」であり、ひいてはあたたかな気持ち、思いやりであったり、幸福感であったりする。ナイーブな女性心理が実にうまく表現されている。

    甘い幸福感を象徴する「オヤツ」は、一短編につき一品、本物の銘菓を登場させている。
    銘菓、いや銘菓でなく個人的に好きな食べ物であってもいいのだが、記憶の媒介をすることがある。心がほっこりする記憶を、そういう銘菓が思い出させてくれることがある。そう、オヤツには記憶を甦らせる何かがある。三度の食事とはちょっと違う何かが……。

    彼女の大好きなたい焼き。寒空の下40分も並んで買ってきたのに、怒る彼女。乙女心、男でもわかる。
    シベリア、あったなぁ。久しぶりに食べてみたい。
    カレーパンの凄い食べ方! 驚いた。

    【登場するオヤツ】
    ◇柳屋のたい焼き
    ◇梅むらの豆かん
    ◇新宿中村屋のクリームパン
    ◆日東屋のアイス最中
    ◇井の頭の糸切りだんご
    ◇浪花家総本店のかき氷
    ◇地蔵通りの大学芋
    ◇米久の稲荷寿司
    ◇うさぎやのどら焼き
    ◇チョウシ屋のコロッケ
    ◇福助の茹で小豆
    ◇清正の酒饅頭
    ◆榮喜堂のシベリア
    ◇味好堂のせんべい
    ◇長命寺の桜もち
    ◆三越のソフトクリーム
    ◆フレッシュマンベーカリーのカレーパン
    ◇船橋屋本店のくず餅
    ◇やおきんのふ菓子
    ◆とらや かねこの焼き団子
    ◇赤坂砂場の卵焼き
    ◇山田屋まんじゅう
    ◇ゴンドラのサバラン
    ◇志゛満ん草餅
    ◇デメルのザッハトルテ
    ◇川端道喜のちまき
    ◇エス・ワイルのカフェ・ルーロー
    ◇二葉家の佃もち
    ◇しろたえのデリス・パンプキン
    ◇仙台・賣茶翁のみち乃くせんべい
    ◇ルコントのポンム・ド・テール
    ◇小布施堂の栗鹿ノ子
    ◇上野凮月堂の東京カステラ

  • 読んだ本。

  • 一篇につき一つのお菓子を巡ってお話が展開されていく、掌小説。
    数ページのお話の中に詰め込まれた登場人物たちの不安や倦怠を、4時のオヤツが柔らかくしてくれる。

    大事な人と一緒に食べたオヤツの味は、想い出の情景を蘇らせ、時には今の自分を慰めてくれる。
    巻末の店舗一覧を見ると、今はもう無いお店もあるが、たとえ店が無くなろうとも、その味は想い出の中に存在している。

    日向子さんはもう亡き人だが、彼女が遺したものはこんなにも人の心をノックしてくれる。
    私の心の中には想い出のオヤツがあり、また、日向子さんも存在しているのだ。

    添えられたオヤツの写真も目に楽しく心にやさしい、すみずみまで楽しめる小説です。

  • 江戸と蕎麦の印象が強い杉浦先生のおやつ小説。
    4時だよ4時。
    普通3時でしょ。
    おやつでも夕食でもない、大人でも子供でもない。
    どっちつかずの曖昧な時間帯というのがまた、ご存命の頃からどことなく妖怪っぽかった杉浦先生らしいというか……
    ト書き(?)とかモノローグが一切ない、前編台詞のみで構成された珍しい小説。
    だからこの小説の人物たちって本音しか言わないんですよね。
    おやつ写真は氏の実兄による。
    市井の小さなおやつ物語。

  • 会話文がね,すごくセンスが良いのね。
    素敵

  • オヤツ食べたくなるから夜中に読むなよ、絶対読むなよ!

  • 写真おいしそう

  • 写真が全てのおやつについてます。

  • 本当に本当の短篇集。色んなオヤツにあわせて小さな物語が展開する。いつも手元において、ちょっと時間があって、軽く読みたいものないかなというときにバッチリ。

  • ○不思議系

全47件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉浦日向子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×