- 本 ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101149226
感想・レビュー・書評
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江戸を描けば絶妙の杉浦日向子さんだが、この人の食にまつわるエッセイがまたいい(もっとも、今回はお酒の話題の方が多いくらいだが)。食を語らせてさえ「いき」なのだ。九鬼周造によれば「いき」の第1の徴表は「媚態」にあるが、彼女の振る舞いから文体までが「媚態」に溢れている。第2の徴表は「心意気」にあるが、「いただきます」の心を常に忘れないことからこれも合格。第3の徴表は「諦念」だが、彼女には「生老病死」のすべてを受け入れる諦念と覚悟が常にあった。それにしても、日向子さんが死を受け入れるのは、あまりに早過ぎた。
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p131
「アンチ・エイジング」。いつまでも若く美しくは、ロウ細工の食品サンプルと悟るべし。つまり、おいしそうなだけのイミテーションだ。若さ、それは桜の花や、花火と同様、散ってこそ価値がある。桜が一年中咲きっぱなしなら、ビニールの造花と同じだし、花火が夜空に張り付いたままなら、繁華街のネオンと同じだ。
やめよう、若作り。過去の若さにしがみつくのは、今現在の自分に不誠実だ。見た目だけの若さは、未練がましい。
p132
老いて美しく。望みたいのは、「ナイス・エイジング」 -
一日江戸人からの2冊目。
私はお酒のまないから共感しなかったけど
お酒呑めるなら酒器集めたいなー
杉浦日向子さんの漫画も読んでみたい -
日本の季節と食事やお酒について筆者の目を通した情景が浮かんでくる。前半、お酒を毎日飲むことを礼賛していたが、あまりにお酒を飲みまくるので筆者の健康が心配であった。後半では深刻な病気になっており、筆者の人生や加齢について、死生観にも記述が見られた。
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エッセイ集。
酒器の写真も良いし、それにちなんだエッセイもとても気持ちよく読めました。
やはり、酒飲みならではの良さってのがありますね。
もちろん、他の話題のエッセイも上々。
早くして亡くなったのが大変に惜しいなぁ。 -
真摯な目線が好きだ。
生きること、たべること、食べ物それ自体への。 -
こだわりの人の食?酒へのこだわりです。
飲みましょう。 -
白眉は「道」の章、月ごとに酒器にちなんだ、お酒の飲み方、楽しみ方。酒好きの著者が酒への愛情とこだわりを丹念に綴った文章は、まるで詩のような印象。巻頭にはその酒器の写真(どれも素人目から見ても味わい深い!)も付いているので、イメージもより膨らむ。思わず自分も酒を嗜みたくなってくる。ここを読むだけでも、著者の人となりが伝わってくるようだった。
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読了日20131218 酒器が素敵です。
著者プロフィール
杉浦日向子の作品





