眠狂四郎無頼控 1 (新潮文庫 し-5-6 新潮文庫)

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  • 新潮社 (1960年9月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784101150062

みんなの感想まとめ

物語は、文政十二年の雛祭の頃、異国の血を引くような風貌の眠狂四郎が賭場に現れるところから始まります。この作品は、前半が連続したストーリーで展開され、後半は短編形式に変わることで、忙しい現代人にも読みや...

感想・レビュー・書評

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  • ▼ちょっとご縁があり、眠狂四郎を読んでみよう、と。これまで、市川雷蔵さん主演の映画ばかり見てきて、もう「眠狂四郎」=「市川雷蔵」です。そういう人は多いと思います(いやでも映画ファンじゃなかったら、70代以上の人だけかな・・・・)。

    原作は触れたことがなかった。恐縮ですが柴田錬三郎さんも読んだことがなかった。


    ▼読んでみて、ナルホドと思ったのは、これはほぼ「シャーロック・ホームズ」。
     チャンバラというよりも、短編連作ミステリなんですね。

    1956年から、「週刊新潮」連載。眠狂四郎シリーズの第1作の第1巻。
     雑誌側からの求めは、「1話完結」だったそうです。職人は注文が無いと芸を活かせず、職人が芸を高めたものが芸術です。見事その期待に応えたエンタメ・ミステリーです。

     時は江戸時代。11代将軍家斉の頃。天保の改革の前夜という設定。つまり、幕末(ペリー来航)まであと20-30年という頃です。場所は江戸市中。眠狂四郎。素浪人。
     父は転びバテレン。つまり、西洋人、外人さん、そしてカトリックの宣教師だったけれど、弾圧されて転向した。つまりキリスト教を裏切っちゃった。殉教して死ななかった。転びバテレン。
     母はそれなりの身分の、武家の娘。つまり狂四郎さんはハーフなんですね。


    確か母は子供時分に非業に亡くなり。父は行方しれず。剣の修行の挙句、どこか漂着した孤島で謎の老人から教えを受けて「円月殺法」を会得した。・・・・という、かなりぶっ飛んだ設定。


    ▼円月殺法というのは、


    1 剣を普通に上段に構える。


    2 ゆっくり剣を回す。円を描く。(対面している相手から見ると、時計回り)


    3 そうするとあら不思議、相手はどうしても切りかかってくるし、隙だらけになっていて、必ずあっさり切り倒せる。


    4 ちなみに、剣が一周、完全な円を描くまで、切りかからずに耐えきったものはいない。


    ・・・・という、


    「え?催眠術?」


    という、まったくもって訳がワカラナイ必殺技なんです。考えた人すごい。


    これが無敵なので、眠狂四郎は、チャンバラになったら負けないわけです(笑)。

    なので、「チャンバラで勝つか負けるか」という興味ではありません。それにもともと、小説なんだから、映像がないので、チャンバラ(アクション)を主たる題材として作っても仕方ないですしね。


    ▼では何が主たる題材、魅力かというと、


    ・キャラクター

    ・文体

    ・ミステリー


    なんですね。


    ▼もう細かくは忘れましたが(笑)、各話各話がいちおうは一話完結。続いてもいくのですけれどね。
     それぞれの話で、「だれが犯人だ?」 「どういう罠だ?」 みたいなミステリになっています。


    恐らく、シリーズが長寿になっていくと、そういうミステリ仕掛けよりも、よりキャラクターで魅せる方向になっていくんでしょうけれど、第1シリーズの本作(の、この第1巻)ではそうでした。凝ってます。


    それから、キャラクター。
    狂四郎の物言いが、「ニヒルダークヒーロー」そのもので、これはなるほど、うまくできているな、と思いました。まあつまり、大まか言うと悪いんです(笑)。


    個人的にはいちばんの魅力は、柴田錬三郎さんってこうなんだー、なるほど、と思った「語り口、文体」。
     きっちり江戸文化の造詣と言葉に寄り添った格調のある音色ですね。比べれば池波正太郎さんははるかに、やわらかく、くだけて、とても甘口です。
     でも、柴田錬三郎さんは、文体が辛口なので美味しい、とも言えるけれど、世の推移、風雪に耐え難いのかもしれませんね。

    ▼原作を読むと改めて、「大映、市川雷蔵の眠狂四郎シリーズは、ええ仕事してるなあ」と感心しました。特に「眠狂四郎勝負」は名作。記憶では「円月切り」も良かったと思います。原作より、そのあたりの映画を見る方が楽しい人も多いかも。
     ルパン三世もそうですが、キャラクターが素晴らしいので、原作の世界観よりも動画にした作品の中に名作がある・・・という気がします。もちろん原作の功績であるわけですが。

    世界観は分かったので、では第2巻以降読もうか?…うーん、ちょっと微妙。文体は辛口ですが、人間像の描写、脇役の味付けでいうと、池波正太郎さんに軍配…と思いました。

  • 眠狂四郎、こんな出自だったのか。虚無感を漂わせながらも、人を引き付ける魅力がある。それに、おせっかい焼きなところもある。面白い。

  • 讀完2008年積讀的作品。前半部是一個整體的長篇,但後半部似乎是因為連載的關係,轉型為十幾頁一篇小故事。個人還是比較喜歡前面連貫的故事性,後半部分大概就像解說所提到的,方便上班族在電車上閱讀無負擔的東西,所以不需要預備知識,內容也頗為短小很快就可以讀完,而因為所謂無負擔的大前提,讀起來心裡的沉澱與思考也會被壓縮到最小,很符合速食的時代,但卻失去了前半繼續深畫主角和周邊人物的機會。

  • 2017年10月26日、読み始め。
    2017年11月1日、129頁まで読んだ。



    ------------------
    並行して、ユーチューブで狂四郎を見ているので、見たものを記録しておく。
    ・明日に別れの円月斬り
    ・お庭番悲話 裏切りの人肌
    ・毒牙を隠した花嫁

    ●2023年3月4日、追記。

    本作、何時ごろの話になるのかを調査。

    ---引用開始

    文政十二年(1829)雛祭の頃、やくざ者の賭場に、「異人の血でも混じっているのではないかと疑われる程彫りの深い、どことなく虚無的な翳を刷いた風貌の持主」で、歳は三十にはならないと見える眠狂四郎が姿を現わすのが、第一話「雛の首」である。

    ---引用終了

  • 非常に渋いなぁ
    作者は本当に天才だなと思った。この独特なかっこよさ。
    まるで、人物がそこにいるかのようで、生きて会話をしているかのような小説は、初めてだ。
    それだけ、作者が、その哲学的な生命感を設定しているように思った。哲学的で深い。
    西洋の詩が好きなのもよくわかる。

    この時代に生まれた人は、これを読むのがステイタスなように思えた。これぞ、小説、エンターテイメント小説なように感じた。
    これは、小説家は見習わなければいけないと思った。

  • 何と言っても無頼控。シリーズ全部読みましたが、やっぱり最初のシリーズが一番面白い。美保代様と狂四郎さんの何とも言えないすれ違いとほのかな交情が、切なくてたまりません。大好きです。

  • 20160523〜29(二巻も含めて)太郎さんに借りた。面白いけど、私の趣味ではないなぁ

  • 現代の時代小説、と思わせる作品。

    主人公に影を持たせ、心地よい結末を与えないところに、大人が好みそうな感覚を持たせる。
    連載小説らしい作品に感じた。
    読みやすく、続きが気になる構成力。
    面白く読ませてもらった。

  • 時代物が読みたくて借りたのですが最初はちょっと違うかなーと思い
    しかし読み慣れてくると軽快に読めて面白くなってきた。
    一話ごとに話が完結しているので明快だし話を重ねるごとに狂四郎以外の登場人物に厚みが増してくる。
    ただ狂四郎があまりに主人公ではあります!

  • 巳年作家。お名前は存じ上げていたが、通り過ぎていた作家の一人。眠狂四郎の名前は聞き齧っていて、ちゃんばら小説だろうと思ったら、剣豪小説だった。無知って恐ろしい。はじめは文体と出てくる漢字の意味がわからず戸惑ったが、三話目をすぎたあたりから慣れてきたら頁をめくる手は止まらなくなった。二十話と収められている話は少なくはないが、読みやすく感じるのはなぜだと解説まで辿り着いたら謎がとけた。週刊新潮の連載作で、一話読み切り型。悔しながら続きも読みたくなったが入手が困難なのよね。

  • 想像していたより随分哀愁漂う話だった。

  • やっと第一巻読み終わったぁ~\(^o^)/
    やっぱ原作を読むと、人物背景、人物関係がわかって面白い(*^^*)
    これで、もう一回舞台のDVD観たら、きっと観方が変わってくるんだろうな(*´∇`*)

  • 初読。
    面白いのか面白くないのか掴みどころがないというのが実感。
    主人公の人物造型などつまらないマンガのような感じもするが、一方で読み切りものとして体裁が整っている。
    ただやはり古い感は否めないし、普遍性あるいは思想性がある物語という訳でもない。人に薦めるか、今後も読み継がれていくかと言われると???

  • 徳川二百年の泰平の世に一人の異端剣客が江戸の街を縦横無尽に活躍していた。
    剣客の名は眠狂四郎。
    混血の風貌を持ち異端の剣『円月殺法』で火の粉を払うように容赦なく人を斬る。

    とても面白かった。正義一辺倒ではない主人公の設定も良かったと思います。
    徳川幕府の力が弱まりつつある泰平の世で江戸のあちこちに現れる綻びを眠狂四郎が独自に調べ独自に制裁を食らわす。
    関係者が断りを入れても狂四郎には全然関係無い無頼っぷりはなかなか読み応えがありました。

    どこまでも無頼な狂四郎も弱き者には力を惜しまない。この押し引きが物語に魅力を与えている気がします。
    解説にも書いて有りましたが、一話が25ページぐらいで完結しているのもなかなか良い物ですね。一応、登場人物や話の繋がりはありますが決着はとりあえず着くので読み易く感じました。

    長いシリーズなのでこの先を読むのが楽しみです。

  • 眠狂四郎を知ったのは『じゃりン子チエ』(ヨシ江はん、雷蔵)。
    時代物を読むのは初めてか。剣戟のシーンが多いのかと思いきや、
    無敵の円月殺法であっさりと。
    暗く重い生い立ちを背景にニヒルさに囚われているようで
    人を斬ることでさえ自分に意味を与えてくれるかのように
    わが身に降りかかる恨み憎しみだけでなく、
    他人の闇にも首を突っ込む姿は狂四郎の魂の救いにつながるのか、
    それとも破滅・崩壊に向かうのか。
    ただの色男では演じきることができない主人公、
    実はこういう要素こそ「映像化困難」というのでは、と思った。

  • 眠狂四郎無頼控えのシリーズは3巻まで読んだんだっけ。
    柴田錬三郎のどっしりとしていながらリズム良い文章がたまりません。
    影のある男前、良いですね。

  • 思ったより人間臭い主人公ではないか。脇がキャラ立ちしてこないとつらい部分あるな。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4101150060
    ── 柴田 練三郎《眠狂四郎無頼控(1)195605‥ 週刊新潮 196008‥ 新潮文庫》
     柴田 練三郎 作家 19170326 岡山 東京 19780630 61 /
     

  • GACTの舞台を見る為の予習に読んだ。
    柴田錬三郎を初めて手にとった。眠狂四郎という浪人がバテレンを憎み、悪人征伐の短編集。

  • 久々に再読←最初に読んだのは高校生(大昔)。大人になったからこそさらに面白いってのもあるか。
    金八(not武田鉄矢)や文字若さん始め脇役がいい味を出してるなぁ。

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著者プロフィール

1917年-1978年.岡山県生れ。慶應義塾大学支那文学科卒業。在学中より「三田文学」に現代ものの短編を発表。戦後、「書評」の編集長を経て、創作に専念。1951年、『イエスの裔』で第26回直木賞を受賞。以後、時代小説を中心に創作し1956年より「週刊新潮」連載開始の『眠狂四郎無頼控』は、剣豪小説の一大ブームを起こす。1969年に『三国志英雄ここにあり』で第4回吉川英治文学賞を受賞主な作品に『赤い影法師』『御家人斬九郎』『剣は知っていた』『決闘者 宮本武蔵』『チャンスは三度ある』など多数。

「2022年 『第8監房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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